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王の住まう城の地下。
魔女と鏡のもとに誰かが訪れました。年末は大忙しです。
「あら貴方は……先日助けたバーニャカウダ? バーニャカウダなんて助けたかしら……助けたかもしれないわね。わざわざありがとう」
「また来たのか前に助けたイケメン! もう恩返しはいりません!」
「まぁ貴方は……先日助けたアヒージョ? アヒージョ……助けたような気もしないでもないわ。来年もよろしくね」
「またこっちにも前に助けたイケメンが! 恩返し?体を使って? 100話超えて今更BLタグなんてつけられないんだよ! さっさと帰れ!」
「あら今度は……先日助けたパクチー! もちろん覚えてるわよ! 無事で良かったわ!」
「そこ!机の下ぁ! 潜むんじゃないイケメン! だから恩返しは要らないんですよ!」
「みんな挨拶にきてくれるなんて律儀ね」
「あっちにもイケメン、こっちにもイケメン、一匹見つけたら百匹いるイケメン……」
「あら年の瀬にノイローゼ」




