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王の住まう城の地下。
魔女が一年を振り返ります。
「今年も色々とあったわね……。ハロウィンでは渋谷のウェイ族との争いの末、とらえたウェイ族の長を……」
「おっとご主人様、それ以上を言ってはいけません」
「そうだったわね。クリスマスでは暖炉の火で芋を焼いてたら、直下型煙突を伝ってサンタクロースが凄い落下速度で……」
「ご主人様、それ以上は思い出してしまうのでやめましょう」
「そうね……。あれは悲しい出来事だったわ」
「そんなこんなでもう大晦日です。さぁ一年の事は忘れて、暖炉の火でおしるこを作りましょう!」
「えぇそうね。ぐつぐつに茹でて……」
ぼちゃん!
「慌てん坊のサンタクロースが凄い落下速度で! もう来たの!? 慌てるにしても早すぎるのよ!」
「もうあの煙突塞ぎましょうよ」




