出勤
起床した俺がシャワーを浴びているとホテルのボーイがメッセージを置いていった。
どうやら受付嬢のキャシーが出勤前に打ち合わせをしたいらしい。
俺はベルを鳴らしてボーイを呼び、キャシーの入室を許可する。
無論、念の為に銃を服の下で構える。
「おはようございます、ヤブキ様。」
『おはよう、キャシー。』
「イライザが話をしたいと言っているのですが…」
『イライザ?』
「昨日の女騎士です。」
『ああ、アイツか。
話って何の?』
「正式に謝罪をしたいと。」
『ん?
もうあの子は謝ってた筈だが?』
「正式に許しを得たいそうです。」
『あ、うん。
では、許した旨を伝えておいてくれ。』
「…。」
『ん?
まだ何かあるのか?』
「あ、いえ。
本人が直接会って謝罪をしたいと申しておりまして。
今もロビーで菓子折りを持って待機しております。」
『いや、急に言われても困るよ。
別に菓子もいらないし。』
「イライザはヤブキ様の指示を仰ぎたいと申しておりまして…」
『指示?
では、キャシーに任せるから。
キャシーが適切な指示を出しておいてくれ。』
「あ、その!」
『ん?』
「あ、いえ。
この文脈ですと、肉体関係を結んで懇意になりたいという意味だと思いますが。」
『え? 肉体?
では、キャシーに任せるから。
キャシーが適切に関係を結んでおいてくれ。』
「え?え?え?」
『いやいや、朝っぱらから知らない人間と話すのってストレスが溜まるんだよ。
しかもその口ぶりだとイライザって子はこの部屋に入るつもりなんだろ?
不快なんだよ、他人に部屋に入られるのは。
侵略されているような気分になって気持ち悪いんだ。』
「も、申し訳御座いません!
ではイライザの宿に伺われますか?
誠意の証にルームキーを献上したいと預かっているのですが。」
『いやいや、知らない人間の部屋に行くのってストレスが溜まるんだよ。
しかもその口ぶりだとイライザって子がその部屋で待ってるんだろ?
不快なんだよ、他人に部屋に入るのは。
待ち伏せされているような気分になって気持ち悪いんだよ。』
大体、俺は銃使いだぞ?
近接戦闘のプロと密室で面会とか自殺行為だろう。
せめて見晴らしのいい平原で10m以上距離を置いてなら打診に応じてやってもいいが。
謝罪されるメリットがない。
「ではイライザにはギルドで会っても話し掛けない様に伝えておきますね。」
『え!?
アイツがギルドに来るのか!?』
「あ、駄目ですか?」
『いや、駄目とは言わないが。
相手がどんな人間かをチェックしないうちに顔を合わせたくはないなあ。
…率直に言って怖い。』
「それではしばらくギルドへの出仕は自粛させます。
後ほど、ギルドにあるイライザの全資料をヤブキ様に提出致しますので。」
『ああ、それは助かる。』
プロファイリングを済ませている方が、殺害確率が上がるからな。
1%でも勝率は上げておきたい。
『俺は今からギルドに行くけど。
一緒に来てくれるか?』
「え?
は、はい♡
是非、お供させて下さい♪
光栄です!
同伴出勤ですね♥」
『お、おう。
では、俺が着替え終わる間にソイツを追い返しておいてくれ。』
「はい!」
何だこの女?
さっきまでビクビクしてた癖に急に機嫌が良くなって。
一緒に出勤すれば歩合でも付くのだろうか?
まあいい。
イライザからの奇襲が怖いからな。
理由はどうあれ肉の壁が確保出来たのは幸運だった。
今回の殺害人数 0名
総殺害数 13名
【ステータス】
「名前」
矢吹弾
「能力名」
ピストル
「能力」
詳細不明
リボルバー式の銃がホルスターごと腰に固定される。
弾倉数5。
1発射撃するごとにMPを1消費する。
撃ち尽くすと約60秒後にリロードされる。
「パラメーター」
《LV》 5
《HP》 21/24
《MP》 23/23
《力》 9
《速度》 14
《器用》 24
《魔力》 10
《知性》 14
《精神》 22
《幸運》 32
《経験》 1600
本日取得経験値 600
次のレベルまでの経験値 900
☆レベルアップルール
召喚者の初期レベルは1。
レベルアップに応じて必要経験値が100ずつ増加する。
1→2 100
2→3 200
3→4 400
4→5 700
5→6 1100
6→7 1600
7→8 2200
8→9 2900
9→10 3700
10→11 4600
「経験値表」
人間 100ポイント
狼系 50ポイント
【筆者から】
貴重なお時間を割いて頂けた事に感謝しております。
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