女騎士
「あははははは!!!
討伐勝負で私に勝てると思ったの!!
無駄無駄無駄ぁ♪
今回の盗賊団討伐の依頼、私が貰ったわよ!!」
『あ、はい。
まあ、フリーの依頼らしいのでご自由にどうぞ。』
俺の眼前に立つ鎧姿の少女は、王国の女騎士。
現在は特定の主君を持たず、自由騎士として条件の良い仕官先を探しているらしい。
謀反人の追捕任務に成功し、昨日王都に帰ってきたらしい。
まだ19歳という若さで騎士ランキングにベスト10に入ったとされる、真の天才である。
キャシー曰く、特殊なスキルの持ち主らしい。
「何故、私の方が優れているか教えてあげましょうか?」
『いや、別に。』
「ふっふっふ。
それは私が天から授かったチートスキルのお陰よ!
これは神様が私の活躍を祈ってる証拠だわ♪」
『あ、はぁ。
なるほど。
じゃあ、私は忙しいのでこれで。』
「待ちなさい♪
話はまだ終わってないわ!」
『えー。』
「私の能力名は【未来視】!!!
文字通り、未来に発生す得る全ての事象分岐を見ることが出来る!!!
この能力がある限り、私は無敵ィ!!!
何人たりとも私には勝てないと断言しても構わないわ!!」
『へー、すごいですね(棒)』
「ふふふ。
信じてないでしょ。
いるのよねー、こういうオッサンww
私がその気になれば貴方なんか…
ぇ? 嘘? やだ。 何で?」
『?』
突然、女騎士は地面に伏せて失禁しながら泣き始めた。
「アッ! アッ! アッ!」
『どうかしましたかお嬢さん?』
「はひいいいいい!!!!!
顔はやめて顔はやめて顔はやめてくださいいいいいい!!!」
突如甲高い悲鳴をあげた女騎士は頭を抱えて硬直してしまう。
『? ? ?』
「申し訳御座いませんでしたッ!!!!」
『え?
いや、突然謝られても困るというか。』
「申し訳御座いませんでしたッ!!!!
申し訳御座いませんでしたッ!!!!
申し訳御座いませんでしたッ!!!!
身の程も弁えずッ、無礼な言動の数々ゥ!!!
申し訳御座いませんでしたッ!!!!
申し訳御座いませんでしたッ!!!!
申し訳御座いませんでしたッ!!!!
誠に申し訳御座いませんでしたああッ!!!!」
『あ、いや。
別にそんなに遜らなくても。
私はキミに危害を加えるつもりはないし。』
【危害】という単語を俺が口に出した瞬間、女騎士は身体を大きくビクンと痙攣させて、更に大量の失禁をした。
いや、勿論念の為に殺すつもりだった。
粘着して来た奴を生かしておく意味とかないし。
こっそり人目のない所でズドンと確実に始末する方法を考え始めていたのが、流石に未来が見えるだけあってバレてしまったか。
参ったなぁ。
衆人環視の中でここまで謝罪されたら殺しにくいよな。
まるでこっちが悪者みたいになってしまうからな。
まあいいや、コイツは処刑リストの最後尾に回してやるか。
あー、でも最後尾はキャシーにしてやるか。
結構協力的な姿勢を見せてくれたしな。
よし、処刑リストの最後尾はキャシー、この女騎士は後ろから二番目だ。
「は、はひいいい…
はひいいいいい…
ま、まだ死にたくない、死にたくないよぉ…
許して、許して、許してくださぁあああい。」
『あ、うん。
別に怒ってないから。』
それは本当。
子供じゃあるまいし、殺意と憤怒を混同する訳ないじゃないか。
腹が立ったくらいで人を殺す訳ないし、人を殺すときに怒りは必要ない。
俺は反応に困ったので、年齢の近い同性のキャシーに丸投げして宿に帰った。
ホテル側が差し入れてくれたドライフルーツの詰め合わせが美味しかった。
今回の殺害人数 0名
総殺害数 13名
【ステータス】
「名前」
矢吹弾
「能力名」
ピストル
「能力」
詳細不明
リボルバー式の銃がホルスターごと腰に固定される。
弾倉数5。
1発射撃するごとにMPを1消費する。
撃ち尽くすと約60秒後にリロードされる。
「パラメーター」
《LV》 5
《HP》 21/24
《MP》 23/23
《力》 9
《速度》 14
《器用》 24
《魔力》 10
《知性》 14
《精神》 22
《幸運》 32
《経験》 1600
本日取得経験値 600
次のレベルまでの経験値 900
☆レベルアップルール
召喚者の初期レベルは1。
レベルアップに応じて必要経験値が100ずつ増加する。
1→2 100
2→3 200
3→4 400
4→5 700
5→6 1100
6→7 1600
7→8 2200
8→9 2900
9→10 3700
10→11 4600
「経験値表」
人間 100ポイント
狼系 50ポイント
【筆者から】
貴重なお時間を割いて頂けた事に感謝しております。
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