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魂の力と想いの力 9

 

「いいだろう。協力する、どうすればいい?」

『あの剣は魔王の魔石を埋め込まれた黒剣』

「魔王?」

『昔の話ね。過去、魔王は勇者に倒され、その魔石を破壊されたわ。その時に魔王の魔石は十三に砕けたの。そして、そのうちの一つを使った魔法剣。それがあの黒剣よ』

「そ、そんなものがあるのか……」

『私が折られた時は男の冒険者が黒剣を握って、襲い掛かってきたわ。あいつの名前はアズル=マウジン。十三番目の黒剣』

「十三番……」

『最後にできた一番若い剣ね。さぁ、早くあいつを折るわよ』


 俺は剣を握り、セーラの方に視線を送る。

何とかバイスの剣を躱しながら、まだ態勢を保ってる。


「はぁはぁはぁ……。まだ、もう少し、もう少しだけ」

「いい加減に、しろぉぉぉ!」

「きゃぁぁぁ!」


 セーラが紙一重で避けたと思った瞬間、黒剣にまとわれていた黒い稲妻がセーラを襲った。

セーラはそのまま後ろの方に飛ばされ、木の根元まで転がっていった。


「うぐぅ、まだ、まだ……」


 ゆっくりと起き上がり、バイスに向かって歩き出す。


「今行くぞ!」

『ちょっと待ちなさい! 私は魔法剣よ! 何か魔法を付与しなさいよ!』

「……いや、俺魔法使えないし。それに、もう魔力残ってないんだ」

『な、何とかしなさいよ! 同じ相手に二度折られるのは最悪だわ!』

「この場で付与できる魔法……。魔法?」


――聖なる光にて、その全てを癒す者なり! 『シャイニング・アロー』


 いた。魔法が使える、付与できるかもしれない。


「エレイン、この剣に何か魔法を付与できないか? ほら、シャイニングアローとかさ」

「魔法の付与ですか? しかしあの黒い稲妻をまとった剣に触れるのは危険では……」

「そっか……。何かいい方法はないのか?」

「そうですね……。ライトフォーリングを使えば、あの魔剣を浄化できるかもしれません」

「なるほど。よし、それをやってみよう」


 俺は紅の剣を構え、両手で握りしめる。


「ふぅぅぅ、いいぞ。エレイン、頼む」

「命の灯、巡る魂、その者は光と共に生きる者なり。内なる光をもち、邪悪なる力を取り払わん。全てを癒す聖光の名のもとに、この者を解き放ちたまえ――『ライトフォーリング』!」


 左手のリングが輝きだし、その光は強くなっていく。


「アクト様、魔力が、足りません……。回復に魔力を使いすぎました」

「魔力が足りない?」


 俺自身もさっき紅の魔剣に根こそぎ持っていかれている。

リリアもセーラもいまはこっちに来ることができない。

ここまで来たのに、魔力が足りないなんて……。


「アクトさん……」


 俺の腕をつかみ、そっと抱き着いてくる。

目を向けると、そこにはニコアが。


「あの日、バイスを助けてくれた日の事覚えていますか?」

「あぁ、ついこの間だしな」

「アクトさんはバイスの為に、私とエレインさんに魔力をくださいました。今度は、私が魔力を……」


 ニコアは少し背伸びをして、目を閉じる。

そして、そのまま俺の唇をニコアの唇でふさいでしまった。


「んっ……」


 やわらかい感触と共に、ニコアから魔力が流れ込んで来るのがわかる。

ニコアの想いが、俺に伝わってきた。


 左手のリングが一層輝きを増す。

その光はやがて、紅の魔剣を覆い包み、そして刀身が淡く白い光で覆い包まれていく。


「アクトさん、バイスを、私の家族を助けて」

「あぁ、任せろ。行ってくる」


 アクトは白く輝き始めた紅の剣を鞘に戻し、セーラの方に向かって走り出す。


「セーラ! 下がれ!」

「主様!」


 傷だらけのセーラ、そして次の瞬間黒剣がセーラの脇をとらえる。


「あぐぅっ……」

「惜しかったな! もう少しで躱せたものを!」


 セーラに駆け寄り、アクトはセーラを抱きかかえた。


「主様、お話は終わりましたか?」

「あぁ、終わった。ありがとう、もう大丈夫だ。リリアもありがとな」

「主様。私は、主様を助けることができましたか?」

「もちろん。ここから先は俺が。セーラはもう休んでくれ」

「はい、あとはお任せしました。私の魂はあなたとと共に……」


 うっすらとセーラの瞼には涙が浮かび、そして淡い光と共に消えていく。

そして地面には一本の包丁とナイフが落ちていた。


「リリア、セーラ。もう少しだけ、俺に力を貸してくれ」

 

 地面に落ちているナイフと包丁を手に、バイスをにらみつける。


「もちろんですよ!」

「はいっ、喜んで!」


 黒く光る漆黒のナイフ。淡い白い光を放つ慈愛の包丁。

その二本の武器を手に、魔法剣『ライトフォーリング』の威力が最大になるまでの時間を稼ぐ。


「バイス、俺はお前を倒す!」

「やれるものならやってみな! わたしはお前を倒し、新しい体を手に入れ、生きる!」


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【連載中】刀と銃と女子高生 ~鬼と戦う私は怖いですか? 普通に恋しちゃいけませんか?~(仮)(仮)

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