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魔剣退治と不気味な一軒家 7


 今朝は朝食の時間にも起きてこないし、それに外に出ていった気配もない。

まさかとは思うけど、まだ寝ているなんてことは……。


「アクトさーん、もうお昼ですよ! まだお休み中ですか!」


 そろそろシーツを変える時間なのに、まだ部屋で寝ているのだろうか?

もしかしたら、怪我とか具合が悪くなって部屋から出られないのでは?

そんな気がしてきたら、突然心配になってきた。


「開けますよ! いいですね!」


 私はマスターキーを使い、部屋の扉をゆっくり開ける。

空いた扉の隙間から中を覗き込む。

窓は閉まっており、中は薄暗くなっていた。


 中に入り、ベッドへ目を向けるとこんもりとしている。

よかった、まだ部屋にはいるようね。


 ゆっくりとベッドに近づき、覗き込んでみる。

アクトさんの無邪気な寝顔が、幸せそうな寝顔を見ることができた。

誰も見ていないよね? アクトさんも寝ていますよね?


 私はそっとアクトさんの頬を撫でてみる。

思ったより柔らかい。

私の手は無意識にアクトさんの髪をかき上げ、寝顔をしっかりと拝見する。


「お、思ったよりかわいい寝顔じゃないの……」


 不意にアクトさんの胸あたりがもぞもぞ動き出した。


「え? なに? なんでそんなところが」


 変なところが動き始めたので布団をはいでみた。

アクトさんの胸の上にはリリアさんの顔がのっかっている。

そして、リリアさんも無邪気な寝顔でアクトさんの胸によだれを垂らしていた。


「……お、おきなさぁぁぁぁい! 朝から! じゃなくて昼なのに何しているんですかぁ!」


 思わず大きな声を出してしまった。

私の声に反応し、アクトさんの瞼がゆっくりと開き始めた。


「んっ、おはようございます。えっと、シャーリ?」


 ま、まずい。

寝起きのアクトさんを見てしまった。

じゃなくて、私がなんでここにいるか、怪しく思われてしまう!


「ち、違うの! もうお昼だから、起こしに来たんです! 寝顔を見に来たのではないのですよ!」


 なんだか変な言葉使いになってしまった。


「お昼?」

「とっくにお昼ですよ?」

「し、しまったぁぁぁ! リリア! 起きろ! もう昼だ!」


 アクトさんは寝ているリリアさんの肩をつかみ、思いっきり揺さぶり始めた。

が、一向に起きる気配がない。


「ま、まずい。……シャーリ、申し訳ないがリリアが起きたら俺はもう出たと伝えてくれ」

「はい?」

「昼に待ち合わせしているんだ、ごめん!」


 飛び起きたアクトさんは着替えもそこそこ、ものすごい勢いで出て行ってしまった。


「あ、あの! お昼は!」


 返事がない。もう、下に行ってしまったのだろうか。

まったくもう、これだからアクトさんは……。

もう少し、私がしっかりと面倒見てあげないとだめですね!


「んー、眠い。まだ、寝る……」

「リリアさん、起きてください! シーツ変えますよ!」


 ベッドからシーツをはぎ取り、寝ていたリリアさんを床に転がす。


「ひどい、まだ寝ているのに」

「アクトさんはとっくに出ていきましたけど、大丈夫ですか?」


 寝ぼけていたリリアさんの目が、次第に開いてきた。


「ま、まずいです! 私も急がないと!」


 そのまま出ていこうとしているリリアさんの腕をつかみ、声をかける。


「そ、そのまま行かないで下さい! せめて着替えましょうよ。それにその髪」


 ややボーンになっており、見た目が寝起きのままだ。


「そ、そうですね。早く着替えて、準備して、アクト様を追いかけないと!」

「ふぅ、しょうがないですね。そこまでお急ぎであれば私も手伝いますよ」

「本当ですか! ありがとうございます! 助かります!」


 二人で準備し、髪をとかしてなんとかなった。


「ありがとう! 行ってきます!」

「行ってらっしゃい、今日の夕飯は?」

「多分ここで食べると思います!」

「わかりました、準備しておきますね!」


 遠くなっていくリリアさんの足音。


――ガタガタガターーーン


「い、いたぁぁぁい!」


 階段でも踏み外したのかしら、ちょっとそそっかしいですね。

さて、二人ともいなくなったので、仕事に戻りましょう。


 シーツを変えながら、私は考える。

今夜は何を作ってみようかな。アクトさん、何を食べたいと思っているのだろうか?

おいしいって、言ってくれるかな……


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