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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く  作者: 東音
第四章 白鳥へのざまぁ。そして、一夫多妻制の許された社会で俺は…。

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衝撃を受けるさくら《石藤桜視点❀》

「私の妻、香織とあなたのご主人はどうやら、不適切な関係にあるようです。」


「?!!」


 悲しげな表情で白鳥が放った言葉に、私は大きな衝撃を受けた。


「う、嘘ですっ…!!良二さんに限ってそんな事あるわけないですっ!!」


「では、これを見て下さい。」

「えっ?」


 詰め寄る私に、白鳥はカバンからスマホを取り出し、画面を見せて来た。


「…!!||||」


 スマホの画面には、良二さんと、香織さんが歩道の真ん中で抱き合っている画像が鮮明に映し出されており、私は言葉も出ず、震えるばかりだった。


「最近の香織の行動がおかしかったので、探偵に調査をお願いしたんですが、こんな写真が…。


 香織は高校時代、石藤と交際していました。

 去年の同窓会で再会し、酔っ払いに絡まれたところを石藤に助けられた事で昔の恋情が再燃してしまったのか、香織は、石藤の事を度々口にするようになり、僕との関係もギクシャクしてきました。一時は離婚の話まで出ました。


 最近仕事で再会した石藤にも話をして、香織からアプローチがあったとしても、近付かないように頼んだのですが…。」


 白鳥はスマホを操作すると、息を詰めて話を聞いている私に、ある音声を聞かせた。


『これからどんな事になろうとも白鳥と添い遂げたいというなら、俺は止めない。けどな。奴と離れる決意が出来たのなら、ここに連絡をしてくれ。』


『えっ。それってどういうっ…。…!!』


(数十秒間の沈黙…。)


『分かったわ。決心がついたら、私、あなたに連絡するわ。』


「…!!そ、そんな…。」


 私は思わず両手で口元を押さえた。


「財前寺桜さん、大丈夫ですか?ショックな事を伝えてしまって申し訳ありません。」


 白鳥が、心配そうな顔で私に近寄って来た。

「どこかで、休んで行かれますか?」


「ううっ…。い、いえ…!だ、大丈夫…です…。」


 私は青褪めながらも、自分の手を突き出し、白鳥が伸ばして来た手を拒んだ。


 そんな私に、白鳥は眉間に皺を寄せて頷いた。


「心中お察しします。僕もとても辛い気持ちです。

 けれど、高校時代あれだけ愛し合っていた二人が、本気になってしまったのなら、僕はもうどうしようもないし、離婚も致し方ないと思っています。

 財前寺桜さんはどうされますか…?」


「そんな…。そんなの…。今すぐには、決められません…。」


 白鳥に訊かれたが、ブルブルと首を振り、私は俯いた。胸の内には色んな感情が渦巻いていた。


「そうですよね。では、ゆっくり考えられて、また後日、その事を相談する為に会ってもらえませんか?もちろん、ご主人には内緒で。」


「えっ。で、でも…。」


「来週の金曜日、RJ本社での北欧イベントの打ち合わせ、さくらさんも参加されますよね。僕も参加するので、その前後の時間はどうですか?仕事の件で相談を受けたと言えば、怪しまれないでしょう。これ、僕の連絡先です。」 


「……。わ、分かりました。」


 私は躊躇った末、白鳥が差し出して来た連絡先のバーコードのついた紙を受け取ってしまった。


「では、時間と場所は後程決める事にしましょう。前日までにご連絡下さい。」

「はい…。分かり…ました…。」


「どうか、あまり思い詰めないで下さいね。さくらさん?」

「はい…。ありがとう…ございます…。」


 私が悄然と項垂れる中、白鳥は最後に気遣うような笑顔を見せ、去って行った…。






 私は完全にその背が視界から消え去るのを確認してから、後ろを振り返り、()()()()()()()に話しかけた。


「権田さん、権田さん。見てました?私、ちゃんと演技出来ていましたか?」


 スクッ!バサバサッ。 ハラハラ…。

 

「さくらお嬢様、バッチリです。素晴らしい女優でございましたよ!」


 立ち上がり、植え込みから出て来た筋肉質なスーツの男性=権田さんは、頭から大量の葉っぱを落としながら、親指を立てた。


「それなら、よかったです。」


 私は褒められ、にっこりと笑顔を浮かべ、それから、白鳥とのやり取りを思い出し、おぞましさに拳を震わせた。


「全く、不倫をでっちあげようとは、なんてひどい事をするんでしょうか…!


 あの人、心の隙をついて、途中から触ってこようとするし、どこかへ連れ出そうとするし、最後、いつの間にか名前呼びになってるし、本当に気持ち悪くて、蕁麻疹出そうな程嫌でした…!」


「権田の計画のせいで、さくらお嬢様に体を張らせてしまって、申し訳ありません!」


 身を縮こまらせ、頭を下げる権田さんに、私は慌ててブンブンと首を振った。


「いえ、いいんです、いいんです!

 良二さんとの憂いのない未来の為に、私も少しぐらいは頑張らないと…!

 権田さんの計画は完璧です!おかげで、白鳥は自分から罠に飛び込んでくれる事になりました。」


 そう言って私が白鳥の連絡先を見せると、権田さんは感極まったように涙目になった。

  

「さくらお嬢様…。お強くなられて…。」


「良二さんにも大分心配されてしまったので、メールして置きましょう。」


 私が、無事、白鳥との接触が終わった事をメールでお知らせすると…。


 ブブブッ!


「…!」


 すぐにスマホのバイブ音が良二さんならの電話の着信を知らせた。


「はっ、はい。良二さん。お仕事お疲れ様です。どうかされました?」


「どうもこうも、今日は、君が白鳥と直接やり取りするって聞いて、気が気じゃなくって、仕事もろくに手につかなかったよ!

 さくら、本当に大丈夫なんだなっ?」


「りょ、良二さん…!心配かけてごめんなさい…。はい…。私は大丈夫です。」


 心底私を心配してくれる良二さんに、じ~んと胸が温まるのを感じながら、私は彼に告げた。


「白鳥を無事、騙せたみたいです。

 次回の打ち合わせがいよいよ決戦の時になりそうですよ。」


『そ、そうか…!俺もそれまでに色々準備しとかないといけないな…。』


「はい。香織さんにこちらの味方になって頂けると助かるので、良二さん、引き続き連絡をお願いします。」


『ああ。分かった。』


 覚悟の決まった彼の張りのある声に聞き惚れつつ、愛おしい旦那様にある事を提案した。


「腹が減っては戦が出来ぬと言いますし、今日の夕食は、カツにしましょうか?」


『それは、いいな!楽しみにしてる。今日は早めに帰るよ。』


「はい!お帰りをお待ちしてます♡」



 電話を切った後、良二さんの声の余韻に浸るように、スマホを抱き締めた。


「いつもながら、さくらお嬢様と石藤様はらぶっらぶ♡でございますね…。」


「でへへ。らぶっらぶ♡だなんて…。まぁ、その通りなんですけどねっ?」


 隣でにこにこしながら、両手でハートマークを作る権田さんに照れながらも肯定したのだった。


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― 新着の感想 ―
やったぜ☆ 両手でハートマーク作ってる権田さん可愛いな笑
良かったです……(安堵)。 白鳥を騙すにはまず読者から、ってやつですね。(違う?) 続きが楽しみです!
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