川崎航空機というメーカー
三菱や中島という最大手と違い規模で一回りも二回りも小さい川崎。
けれど、陸軍は川崎というメーカーを中島や三菱と比べると贔屓している感じがする。いや、それは軍需産業の保護と育成という理由はあるけれども、開発能力と試作機の開発スピードが中島や三菱と比べても遜色なかったことが理由になるのではないだろうか?
ほら、三菱にしても中島にしても規模が大きいしスタッフの数も桁違いで自力が違うことから新型機の設計や製作で既存の機体を流用することはそれほど多くなかった。
けれど、川崎の場合、既存機から流用出来る設計や機材をそのまま転用しての活用することで陸軍当局の無茶振りに平然と応えている。
例えば、キ102はキ96を基礎とし、設計をかなり流用し、そのキ96もキ45改2の設計を活用し、キ45改2は主翼をキ66から流用し、さらにキ66はキ48から主翼を流用している。
無論、必要に応じて改良や要求に沿った改造はしているけれども、流用出来る部分は一貫して流用して共通化しているのだ。
同様にキ60、キ61、キ64、キ88は同じ系譜に属していて設計の流用と転用が行われている。
よって、三菱や中島みたいに一から設計を行うというそれは相対的に少ないのだ。もっと言えば、キ60やキ61はキ28を源流にしている。
それはメーカーとしての規模や能力に限界があるための生存最適化という結果なのだろうが、それが故に手堅いし設計速度の短縮が可能になっている側面を否定出来ない。
また、設計時の見積もりに近い性能を担保出来たのではないのだろうか?




