7 サンタクロースへの手紙
家に帰って、セナは戸棚からクッキーをだし、コップにミルクをそそいだ。
おとさないように気をつけて、部屋にもっていく。
ミルクとクッキーをだすと、三太はとびあがってよろこんだ。
「ねぇ、三太。サンタクロースって、とってもさむくてとおいところにいるんだって。どうやって、いったらいいのかなあ」
「とおいの?」
「うん。すごく。とっても」
セナは早川先生にいわれたとおり、地図をだして、三太に見せた。
「どれくらいかかるの?」
「わからないけど……、あるいてはたぶんいけないよ。飛行機とかにのって、なんじかんもかかるんじゃないかな」
「ひこうき……」
「それにね、たぶん、すごくおかねもかかるの。わたしのおこづかいじゃむりだとおもう」
セナがいうたびに三太はかなしそうなかおになっていく。
セナもそのかおを見ているとかなしくなってしまう。
「……なにか、ほうほうがないかなあ」
セナがこまってしまうと、三太はおおつぶのなみだを目にためて、「ううーん」とうなった。
「ほしにのれればいいんだけど……」
「ほし? ながれぼし?」
「うん。ふたご座流星群は特急便だったんだ。あれがさいしゅう便だったんだけど……、はぐれのほしがながれれば、のせてくれるかもしれない」
「それって、いつかわかる?」
「……わかんない」
三太がわからないのであれば、セナにはどうすることもできない。
セナは手紙を書いてみることにした。
『サンタクロースさんへ。
ことしはプレゼントはいりません。
かわりにサンタをむかえにきてください。』
ママにたのんで、その手紙をサンタクロースへ出してもらうことにした。
「ねえ……、セナ。これってどういう意味? プレゼントいらないの? サンタってサンタさんのこと? むかえにきて、ってどういう意味?」
ママにわたすと、それを見たママがふしぎそうにといかえした。
セナはおもわず口ごもってしまった。
三太のいっていたことを思いだしたのだ。
ママはサンタクロースをしんじていない。
三太のことも見えていない。
ママにはなしてもわかってもらえないかもしれない。
セナがこまっていると、パタパタパタ、と三太がママのあしもとをくるくる走って回っている。でも、ママはぜんぜん気づかないのだ。
「……そのまま。そのままの、意味よ。いいから、だしておいて。おねがい、ママ」
「でも、セナ」
セナはそれいじょうだまってしまい、こまったママもためいきをついた。
「わかったわ。これはサンタさんへだしておくわ」
「……ありがとう、ママ」
セナはママが台所へいったすきに、三太をだきあげて、二階の自分の部屋へあがった。
ノートをとりだして、わかったことを書きたした。
・サンタクロースはグリーンランドやラップランドにいるかもしれない。
・グリーンランドはアメリカ大陸の北のほうにある。
・ラップランドはフィンランドの北のほうにある。
・とおくて、セナのおこづかいではいけない。
・ながれぼしをみつけられれば、三太をのせられるかもしれない。
(『かもしれない』かあ……)
書きだしたことをよみかえして、セナは三太をサンタクロースのもとへおくるほうほうを考える。
・ながれぼしをみつけられれば、三太をのせられるかもしれない。
(ながれぼし……)
セナはながれぼしをさがすことにきめた。
「三太、いこう」
「セナ?」
モカとあそんでいた三太がふしぎそうなかおでセナを見た。
セナはコートとてぶくろをとりだす。
「なごれぼしをさがしにいこう!」




