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星からおちたこども  作者: あるぱかぱかす
5/13

5 サンタクロースをしんじていないと

 ママがそうじ道具をとりにいったすきに、三太をだきあげて二階にいく。

 三太をベッドにすわらせ、べたべたの手や顔をぬらしたタオルでふいてやり、クッキーとミルクをもってふたたび部屋にもどる。


 机の上にクッキーとミルクをおくと、三太はそれもおいしそうにたべてしまった。


「ねえ、三太。ママ、三太が見えていないみたいだったけど」


 ごくごくと、おいしそうにミルクをのみながら、三太は「うん」とうなずいた。


「サンタクロースをしんじていないひとには見えないの」

「えっ」

「だから、おとなのひとはほとんどぼくらが見えない」

「そっ、そうなの?」

「そう。きみのママにはぼくは見えないみたいだ」


 ママがサンタクロースをしんじていないなんて、それこそしんじられなかった。

 だって、毎年サンタクロースへの手紙をあずかってくれるのはママなのに。

 あずかって、ママがサンタさんへだしてくれているのだ。


(それなのに、しんじていないなんて……)


 セナの家には毎年サンタさんがきてくれているはずだ。はずだ、というのはセナはいつもねむってしまってそのすがたを見ていないからだけど。クリスマスの朝にはいつも、まくらもとにプレゼントがあった。サンタさんはきているはずなのだ。


 セナはしんじているけれど、クラスメイトのなかにはしんじていない子もいた。


「あれは、パパがやっているんだよ。サンタなんて、ほんとうはいないんだ」


 そういって、とくいそうにしていた。だから、しんじていないひとが世の中にいるとはしっていたけれど、まさかママまでしんじていないなんて。


「で、でも、三太はサンタクロースのみならいなんだよね?」

「そうだよ。……そうだった。どうやって、サンタクロースのところまでいったらいいんだろう」


 そうして、また、しくしくなきだしてしまう。


「なかないで。いっしょにかんがえるから」

「……ほんとう?」

「うん」


 セナは朝書いたノートをとりだした。

 そこにさらに書きくわえる。


 ・サンタクロースをしんじないひとには三太が見えない。

 ・ママはサンタクロースをしんじていない。(どうして?)

 ・サンタクロースはぜったいにいる。


 セナはためいきをついた。

 どうやって、サンタクロースのところへ三太をおくっていけばいいのだろう。

 三太はクッキーをぜんぶたいらげてしまっていた。セナのぶんまで。


「三太はあまいものがすきなの?」

「うん。はじめて食べたけど、おいしいね」

「はじめて食べたの? アイスクリームもクッキーも?」

「うん。ほんとうはなにも食べなくてもだいじょうぶなの。一日いっぱいのミルクがあれば」

「そうなの?」


 三太がおなかをすかせているのでは、としんぱいしていたが、食べなくてもだいじょうぶだとしって、セナはほっとした。


 ・三太は食べなくてもだいじょうぶ。

 ・三太は一日にミルクをいっぱいのむ。

 ・三太はあまいものがすき。


「じゃあ、あしたからは朝、いっぱいのミルクをもってくるね。……だから、かってにアイスクリームをたべてはだめよ? あれはパパがたのしみにしているから」

「えぇ……? アイスクリーム、おいしかったのに」

「えぇと、じゃあ、わたしのおやつもわけてあげる。だから、かってに冷蔵庫れいぞうごあけちゃ、だめよ」

「……うん。わかった」

「あと、トイレットペーパーをひきだしちゃだめだし、うえきもたおしちゃだめ」


 なんとかやくそくをさせた。

 セナは(とんだいらずらサンタだな)とためいきをついた。


 帰ってきたパパがおふろあがりに冷凍庫れいとうこをあけて、「あれ?」といった。セナはどきり、としてしまう。


「なんか、アイスへってる気がするけど。食べた?」


 ふりかえったパパにセナはふるふるとくびをふる。


「あなた、きのう、よっぱらって食べてたじゃない。じぶんでたくさん食べちゃったんじゃないの?」


 ママがそういって、パパはくびをひねった。


「うーん? そうだったかな?」


 どうやら、ごまかせたみたいだ。パパにはわるいが、セナはほっとした。

 でも、パパにうそをついてしまったことは、すごくわるいことのような気がした。


「おやすみ」


 パパとママにこえをかけて、セナは二階にあがった。

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