11 セナのなまえ
クリスマスイブの夜、外は雪でまっしろになっていた。
雪はまだちらちらとふりつづいている。
パパがクリスマスケーキを買ってきてくれて、ママがごちそうを用意してくれてみんなで食べたけれど、セナのこころははれなかった。
三太もおいしそうにケーキを食べていたけれど、やっぱりこころここにあらず、というかんじでときおりぼんやりまどの外を見ている。
「セナ、きょうは早くねなさい。サンタさんがきてくれるかもしれないから」
ママの、いつもの年のきまりもんくだったけれど、今年ばかりはほんとうにママもそうしんじていた。
セナはおふろに入ると、三太とモカといっしょにベッドに入った。
でも、ほんとうにサンタクロースがきてくれるかしんぱいでしんぱいで、ねむることができない。
とうとう、パパとママのところにいって「どうしよう」となきだした。
「だいじょうぶ。ちゃんときてくれるよ」
パパがだきあげて、ベッドにはこんでくれる。
ベッドの横にパパとママがすわって、ふとんをかけてくれた。
「ここにいるから、あんしんしてねむりなさい」
ママがふとんをトントン、としてくれた。
「なにかおはなしして?」
セナがせがむと、パパは「うーん」となやんでいたが、「じゃあ……」といってはなしはじめた。
「パパはね、わかいころ、ほしがだいすきだったんだ。学生のころはひとりで望遠鏡をかかえて、星見ヶ丘へよくいったし、結婚してからはママともいった。セナがうまれてからはいそがしくてあまりいかなくなってしまったんだけど。……セナはなんでセナってなまえかしっているかい?」
セナはそういえば、どうして「セナ」となづけられたのか、きいたことがなかった。
「セナがうまれたのは冬の夜だったんだ。パパは無事うまれてくるか、しんぱいでしんぱいで、ずっと星におねがいしていた。まるで、星がふりそそぐみたいにきれいな夜空だったんだ。あんまりしずかで、おちてくるみたいだった。それからね、星が鳴りひびいた気がしたんだ」
「ほしが……なる?」
セナがふしぎそうにそうきいた。
すると、ママはちょっとあきれたようにくすり、とわらった。
「パパね、しんぱいしすぎて、病院の庭をウロウロしてたんだって。だから、セナがうまれたとき、おじいちゃんとおばあちゃんがあわててさがして、携帯電話を鳴らしたの。その音ね」
「なんだ……」
セナはすこしだけがっかりした。
「うん……、あのときはごめん」
「ほんとうよ。まったく」
「でもね、ほんとうに星が鳴るみたいにきれいな夜だったんだよ。だから、うまれた子のなまえは『星が鳴る』で『セナ』ってなまえにしたんだ」
「そうなんだ……」
「夜を染める星が鳴る、で染夜星鳴、にしたかったんだけど……」
「鳴って漢字があんまりかわいくないから『星那』にしたのよ。それに『なく』って、よくないでしょう。セナにはいつもわらっていてほしいもの」
セナはそんなはなしをききながら、やっとうとうととねむった。
パパとママもいつのまにかセナの横でベッドにつっぷすようにしてねむってしまった。




