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異世界召喚による日本人拉致に自衛隊が立ち向かうようです  作者: 七十八十
第3章 みっつめの世界(仮) ~嫌な汗が止まらない自衛官~
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3-16 大学生、再び魔王討伐を目指す

魔王城の中を進んでいく。

なんでこんなでかいの?というサイズで全てが造られている。

これが魔王のサイズってことはないよな?


この前の魔王は日本人の40歳のおっさん(自称)だったが、今回はどうなんだろうか。

というか、肌が黒っぽい紫で角と翼の生えた日本人なんていねぇよ。ほんとあの魔王はなんだったんだろうか。


「魔王がこの廊下のサイズってことはないよな?」


同じ心配をしていたのか桐島さんがメイドに声をかけている。


「?この城は魔王の大きさに合わせて造られているはずですが?住む人に合わせて家を造るのは当たり前では?」


当たり前だろお前何言ってんのみたいな顔して答えられた。

え、てことは魔王って身長8mくらいはあるよね。

俺、レベル1のままだけど大丈夫なんかな。


魔王城を守備していた魔王の部下たちがいるはずだが、先行した自衛隊に軒並み排除されたらしく、結構進んだにもかかわらず一向に敵には遭わない。

とはいえ、遠くで銃声や爆発音が響いていいるので、戦闘自体は行われているようだ。

というか、桐島さんはこんなところでのんびりしていいていいのだろうか。


「なんだ?」


桐島さんのほうを見ていたら気付かれた。


「いや、桐島さんは自衛官なのになんで先にいかないのかなと」

「俺はここに派遣されたわけじゃないからいいんだよ。いわば非番扱いだ」

「ああ、だから銃も貰えなかったわけですか」


自衛隊と合流したのに桐島さんが世界神(ようじょ)から巻き上げた明らかにルール違反くさいショットガンを持ったままなのが気になっていたが、そういうことらしい。


「ま、気楽に行こうや」

「そういえば、ここまで全くレベル上げせずに来たわけですが、大丈夫なんですかね?」

「全然大丈夫ではありません。私は魔王の攻撃がかすっただけで死んでしまいます」


メイドが食い気味に会話に入ってきた。


「え、じゃあなんで着いてきたの?死んじゃうよ?」

「私は部屋の隅っこで小さくなっているので頑張って倒してください。私は魔王を倒したという事実だけいただければ構いませんので」

「胸張って言うことじゃねぇ」


ほんとこのメイド、作法とかは完璧なのに頭の中が残念過ぎる。

とにかく楽することしか考えてねぇ。よくこんなのが王女の側仕えとかやってたな!?


「危ない!」


彫像に化けていて掃討を漏れたのだろう魔物が突然襲い掛かってくる予感がした。


アビリティ:常在戦場(奇襲無効) が発動しました


まるでシステムメッセージのように視界内に文字が浮かぶ。

そんなことに感心している場合ではなく、聖剣を抜いて前に出ようと踏み出した。


ドンドン カシャン ドンドン と横から凄まじい轟音が響いた。

見ると桐島さんが、彫像(に化けている魔物)に向かって4発発砲したところだった。


”ギュアァァアァァ”


悪魔、とか、デーモン、と聞いて大体の人が想像しそうな、筋肉ムキムキに角と羽がある感じの石にしか見えなかった彫像が雄たけびをあげて、台座から降りてきた。

そのまま怒り狂った形相でこちらに突っ込んでくる。

奇襲を潰された上に、逆に先制攻撃を喰らったなら当然か。


桐島さんは突撃してくる魔物に2発ずつの射撃を続けている。

最初の4発も含めて10発当てたところで、剣の間合いになった。


スキル:聖剣解放 を使用します


スキルを使ってみようと思い、聖剣解放と念じたらまたシステムメッセージが出た。

体が勝手に動いて、剣を突き出すような形になったら、突然聖剣からビームのように金色の光が走り、魔物を貫いた。


金色の光に貫かれた魔物は光の粒子になって消えて行った。

どうやら倒せたらしい。


「おお、すごいじゃないか」

「スキルを使ってみたんですが、なかなか派手でいいですね。桐島さんも魔王のところに行くまでに試しておいた方がいいんじゃないですか」


2人でわいわいやっていると、奥から複数で走ってくる気配がした。


「大丈夫ですか!?」


見ると5人ほどの自衛官が走ってきていた。

どうやら銃声を聞いて戻ってきてくれたらしい。


「もう片付いた、問題ない」


桐島さんが自衛官と何やら話している。

というか、自衛官がみんな桐島さんに敬語なんだけど、桐島さんて結構偉かったんだな。と今更ながら思う。


「あ、レベルが一気にあがってますね」


そしてこちら(メイド)は相変わらずの我が道だった。

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