3-5 大学生、世界神にあう
桐島さんが石に触れたと思ったら、急に光って一瞬で武器を持って立っていた。
ファンタジーには全然似つかわしくないショットガンだったが、主観ではかなり長いこと世界神と話ていたらしい。
話は通じるから聞きたいことがあるなら気軽に聞いてみたらいいと言われていたのだが・・・
「貴様が最後の勇者であるか。我が世界神である」
なんかめっちゃ偉そうなおっさんなんですけど!?
めっちゃ後光とか射して金ぴかの装飾とかあるし、The神様って感じなんですけど!?
「えぇ・・・」
聞いてた話と違いすぎて固まってしまった。
向こうも何も話さない。
「やっぱこれ無理あるわ」
セットを片付けるような気軽さでおっさんは突然消えて、幼女がでてきた。
「というわけで、私が世界で一番ぷりてぃーな世界神様だよ!」
確かにこれの相手は適当で良さそうだ。
「もう話は聞いてきたのかな?何か武器をあげるから好きなのを言ってね!できたら前のおっさんみたいな無茶は言わないでくれると嬉しいな!無茶を言わないでくれると嬉しいな!」
桐島さん一体何を要求したんだ・・・。
「その前に1つ聞きたいことがある」
世界神に会えるというのなら、絶対に聞いてみたかったことである。
「なんで俺が召喚されたんだ?」
やっと日本に帰れたと思ったら、また異世界である。いい加減にしてもらいたい。
まぁ今回は知ってる人が最初から一緒だし、前回よりはましだが。
「え?意味なんてないよ。適当に向こうの神様の管理が杜撰なところから引っ張っただけだから」
「ふざけんな、他の奴にしろよ!やっと帰れたとこだったんだぞ、元の世界に半日もいてねぇのに!」
ほわーんとした雰囲気でいる世界神に思わずキレてしまった。
傍から見ると幼女にガチギレしている痛い人である。
「え、まさか召喚されるの初めてじゃないの?」
睨んだまま頷く。
「あー、それは想定外かも。ごめんねー。けど魔王倒さないと帰してあげられないのー。死んだら死んじゃうし気を付けてね」
どこまでも無責任かつ軽い世界神である。
聞かない方が腹が立たないだけましだったと後悔したが、もう遅い。
「まぁ、悪いと思うし、ボーナス増やしてあげるから、機嫌直して」
あくまでも軽い感じなのが余計に腹が立つが、これ以上怒ってもしょうがない。
せいぜい早く帰れるようにボーナスを多めにもぎ取るほうがいいだろう。
「つまり桐島さんは武器とスキル貰ったわけだし、俺はスキルの3つや4つ貰えるってことだよな」
石に触る前に桐島さんからのアドバイスで、ふっかけるだけふっかけとけとのことだったので、そうすることにする。
「え、いや、まぁ、3つはあれだけど2つくらいなら」
「とりあえず武器は使い慣れたのがいいから前の世界で使ってた聖剣ミスティルテインがいいなぁ」
「え、それ神造武器なんだけど。さすがによその世界の神造武器持ってくるのは厳しいかなぁ。どこにあるかもわかんないし」
「それなら、俺が前にいた世界のガリア帝国帝都の大聖堂にあるはずだが」
なくなったらエクセルがまたキレそうだが、終わったら返すということでまぁ許してもらおう。
「え、盗ってこいってこと?」
「俺の名前でちょっと借りますとか書置きおいときゃへーきへーき」
少なくとも俺がエクセルに怒られることはないもんね。
「えぇ・・・君もさっきのと比べても大概無茶いうねぇ・・・」
「人は拉致ってくるのに、物も盗ってこれねぇとか使えねぇ世界神だな」
「あ?今バカにした?バカにしたよね?やるよ、やっちゃうよ、そんなの簡単だもんね!」
ちょろい。
そして、悪いなエクセル、ちょっと借りるわ。
「んでなんか能力10個くらいくれるって?」
「お前らほんと性格悪いな!」
さすがに怒られた。
「スキルとアビリティ1個ずつやるからなんか希望言ってみ?」
「日本に帰れる転移スキル」
「ほんとお前、さっきの奴より性格悪いな!」
それほどでもない。




