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異世界召喚による日本人拉致に自衛隊が立ち向かうようです  作者: 七十八十
第3章 みっつめの世界(仮) ~嫌な汗が止まらない自衛官~
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3-3 自衛官、世界神にあう

一晩休んで翌日、神殿に向かうことになった。

魔王に止めを刺しさえすれば帰れるという情報が彼を前向きにしたようである。

まぁ、実際1人目の勇者も魔王に最後の一撃を入れた直後に日本に飛ばされたといっていたので間違いないのだろう。


もっとも、それ以前にまだこの世界にいるであろう中央機動連隊に連絡が取れれば、そのまま帰れてしまうのだが、それではまた新たに日本人が召喚拉致されて終わりだろう。

まぁ、休暇だと思って魔王討伐に向かってみるのも面白いかもしれないとちょっと思っている自分に気付いて、溜息をついた。


自分ひとりならそれでもいいのだが、一般人である滝川がいる以上、どういう風にして日本に帰るにせよ中央機動連隊とは早急に連絡をとるべきだろう。

最悪、中央機動連隊で魔王城に攻め込んで止めだけ滝川に刺させてもいいわけである。

というか、その方が安全だろう。


クリスティア王女が侍女とともに迎えに来た際、腕輪を渡された。

なんでも、それをつけていると言葉が翻訳されて意味がわかるし通じるらしい。何そのオーパーツ。

昨日は王様と王女だけがつけていたから話が通じたらしい。

道理で部屋に待機してたメイドに話しかけても話が通じなかったわけだ。


「ここがクルセイド王国中央神殿になります」


道案内でついてきたクリスティア王女が、目の前の壮麗な建物を示していった。

地球にあれば世界遺産になれるだろうと言った感じの、大聖堂とか言われそうな建造物である。


「本日は貸し切りとしておりますが、普段は10歳をむかえ世界神に職業を賜ろうと大勢の参拝者で賑わっております」


クリスティアははっきり言わなかったが、人がここでしか職業を貰えないということは、地方で旅費を確保できない人間は一生職業は貰えないということなんだろう。


神殿の中に入ると、僅かに人の気配はあるものの、その規模から比べると無人と言ってもよいほどの大空間の中央に、台座に嵌め込まれた大きな水晶のような石があった。


「あの石に手をあてることで世界神と交神し、普通の者は職業を、勇者様は武器を授かることができるのです」

「どっちから行く?」

「ジャンケンにしましょう」


別に俺はどっちでもいいのだが、滝川の意見でジャンケンで後先を決めることになった。

結果、俺パー、滝川グー。


「じゃあ俺から」


そう言って石に触れた瞬間、意識だけがどこかに飛ばされる感覚に襲われた。




「おっす、オラ世界神」


なんか何もない空間で幼女がしゅぴっと手を挙げて挨拶している。


「なんか想像と違うんですけど」


やっぱ神様のイメージって白髪、白髭の爺さんで杖持ってるイメージじゃね?


「君の勝手な妄想を私に押し付けないでもらえるかな。私は生まれた時からこの姿なんだ」


えっへんと無い胸を張って世界神は言う。


「あ、今なんか失礼なこと考えなかったか」

「ナンノコトカナ?」


迂闊なことは考えないようにしよう。


「というわけで、異世界から来てくれた勇者君に私からプレゼントをあげようと思うんだけど、何がいいかな?」

「あ、じゃあ日本に帰してください」

「魔王討伐したら帰してあげるから、どんな武器がいいか決めてね」


勝手に呼んどいて扱いがぞんざいだな。


「そもそも、なんで勇者をよその世界から拉致してくる必要があるんだよ」


勝手に世界の中で見繕えばいいじゃん。


「いろいろ事情があるんだよ。とりあえず自分の世界の人間にいろいろ神の加護与えるのはダメってことになってるから、800万も神様がいて管理が雑な君んとこの国から引っ張ってんの」


八百万神ってほんとに800万いるわけではないはずなんだが、ほんとにいるんだろうか。

というか、ほんとに800万もいたら管轄とかぐちゃぐちゃでこいつの言う通り管理杜撰なんだろうな。


「ていうかずるいよね、私なんかこの世界1人で管理してんのに、1つの国に800万も神様いるとか」


そんなこと知らんがな。


「で、その神様は何くれんの?」

「基本的には武器だねー。神授の武器だから、いろいろ特典もつけられるんだよー。弓だと無尽の矢筒は標準装備とか」


ふーむ、なにやら特別な武器をくれるらしい。

つまり銃なら無限弾か。

ていうか、それなら


10式戦車(ヒトマル)ください」

「てめぇ話聞いてたか、武器だっつってんだろ。個人で持てるものだけなの。乗り物持ち込もうとしてんじゃねぇよ」


ダメなのか。


「というか、ここは剣と魔法のファンタジー世界なの、なに持ち込もうとしてんだよ」


すでに16式機動戦闘車を持ち込んでることは黙ってたほうがいいんだろうか。

というか、こいつ自分の世界ほんとにちゃんと見てんのかね。

あんまり管理して無さそうな物臭の匂いがぷんぷんする。


「まぁ100歩譲って銃器は認めてやるよ。けど、自動小銃とかダメだからな」

「じゃあ、何ならいんだよ」

「そうだなぁ、マスケット銃とかなら」


そんなもん弓矢の方がマシだわ。


「まぁ、あれだお前らの世界にあるものだと、2銃身のショットガンなら認めてやるよ。矢と一緒で弾が無限湧きするポーチもつけてやる。スラッグと散弾は任意に選べるようにしといてやる」


それもまた微妙なチョイスを。

というか、微妙に銃のこと知ってんのな。


「オプションはどんなもんが認められるの?」

「まぁ常識的な範囲で」

AN/PEQ-15(赤外線レーザー)AN/PSQ-20(暗視装置)

「あんま調子のってるとぶっ飛ばすぞ。銃につける分なら認めてやってもいい」


ダメなのか。

とはいえ、つける銃が2銃身のショットガンではなぁ・・・。

ちょっとまてよ、アメリカにいたときに見たあの銃なら


「銃はStandard MfgのDP-12で、オプションにフォアグリップと照準器にSpecter DR 1x-4x、 レーザー照準器とフラッシュライトにAN/PEQ-15、クリップオンの暗視装置は機種指定しないから第3世代でというのはどうか」

「オプションがさっきより悪化してるじゃねぇか!」

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