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異世界召喚による日本人拉致に自衛隊が立ち向かうようです  作者: 七十八十
第3章 みっつめの世界(仮) ~嫌な汗が止まらない自衛官~
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3-2 自衛官、この世界について知る

王女が行った説明はまとめると次のようなものだった。


・この世界では定期的に魔王が復活する

・魔王が復活すると勇者が3人召喚される。

・勇者が魔王に止めを刺すことで魔王は100年ほど封印される。

・今回の魔王討伐で初めて、3人のうち1人だけが魔王討伐に行ったが、一時的に魔王は倒れたものの復活した。

・どうやら勇者3人が魔王に止めを刺す必要がある。


「勇者が倒れると代わりの勇者が召喚されるとの伝承が残っておりますので、すでに討伐をなされた1名を除く、勇者2人による魔王への止めが必要というのが今の状況です」


クリスティア王女はそう話を締めた。


「止めというからには魔王は確かに倒されたのでは?」


疑問を口にする。


「説明が不足していましたね。この世界には神より与えられた、職業とステータスがあります。HPをマイナスにすることで相手を倒すことができるのです」


ゲームの世界みたいだな。


「魔王のHPはマイナスにならず、どれだけのダメージを受けても必ずゼロになると言われています。つまり」

「魔王のHPをマイナスになるのはHPをゼロにしたうえで3人目の勇者が攻撃したとき」

「そういうことになります」


とはいえ、それでは根本的な疑問が残る。


「じゃあ、なんて勇者1人だけで討伐に行かせたんだ?」


どう考えても3人まとめて行かせた方が楽である。

一度魔王のHPをゼロにして3人が攻撃すれば済むのに、1人だけ行かせては手間が増えるだけである。


「その、お恥ずかしい話ですが、このことがわかったのは1人目の勇者様が魔王を討伐された後だったのです」


伝承に残る限り、過去の勇者が3人バラバラに討伐に向かったなどという話はなかったのだという。

まぁ、普通はそうだろうね。


「ただ、お二人はどうしても外に出たくないと仰ったので、どうにか説得できた1名だけで向かっていただいたのですが・・・」


必要だったのは勇者の止めではなく、勇者3人の止めだったと。


というか、さっきから俺と王女ばっかり喋ってるんだが、滝川はどうしたんだ?


「あー、なんというかさーやっと日本帰れたと思ったのになー、こんなんだったら元の世界に残っていちゃいちゃしてたほうが良かったじゃん」


なんか小声でぶつぶつ言いながら現実逃避してるな。


「この世界の説明を続けさせていただきますね」


それを気にせず王女は説明を再開した。

図太いのか、天然なのか判断に困る娘だな。


「その世界では皆10歳になった時に世界神より職業を賜ります。もっとも生業という意味ではなく、能力やスキルの傾向といった意味ですね」


現在確認されている職業は、戦士、剣術士、槍術士、弓術士、魔術師、治癒術士、付与魔術師、召喚術士といったあたりが代表的な戦闘職だという。

他にも鍛冶師とか錬金術師とか農夫とか、生産職もあるらしい。


「それぞれにレベルに応じた成長傾向の違いがあります。ステータスとしてHP、MP、攻撃力、魔術攻撃力があります」


防御力とかないのか?と思ったが、着ている装備とHPの量の問題らしい。

覚えることができる魔法やスキルは職業毎に決まっていて、魔術師が回復魔術を覚えたり、槍術士が弓のスキルを覚えたりすることはないらしい。


「ただ、別に槍術士が弓を使えないわけではありません。スキルを覚えないというだけで、剣も使えますし、斧も使えます」


つまり某RPGみたいに職業で装備が制限されたりすることはないらしい。魔術師がフルプレートアーマーに大楯装備でも問題ないらしい。


「その職業を授かる場所は、人族はこの王都にある神殿、森の民が大森林にある聖なる泉、海の民が内海にある青の洞窟となっています」

「つまり俺らはその神殿で勇者の職を授かると?」

「いえ、お二人が勇者であることは召喚されて時点で明らかです。勇者は神殿を訪れることで世界神と対話し、聖なる武器を授かるとされています」


なーんかますますゲーム臭いよね。


「ちなみに、魔王討伐された勇者様は聖剣エクスカリバーを、魔王軍に拉致されて殺されてしまった勇者様お二人は与一の弓と龍舌弓と仰ってました」


どれも元の世界にある名前だが、何か基準があるのだろうか?

いずれにせよ、世界神とやらと対話できるというのなら行ってみる価値はあるだろう。

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