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異世界召喚による日本人拉致に自衛隊が立ち向かうようです  作者: 七十八十
第11章 いろんな世界 ~大怪獣現る~
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11-4 大学生、再び勇者になる(予定)(ふたつめの世界)

「タコだな」

「タコですね」


自衛隊のヘリコプターに乗せられて、巨大なタコが現れた現場に来てみたが、思った以上にタコだった。

ちなみに、アレクシアも一緒に乗っているが、顔は平静を装っているものの、必死になってしがみついてきている。まぁ、それを指摘するような野暮なことはしないが。


「あー、アレクシアがユーイチにしがみついてる!ずるい!」


いたよ野暮な奴。

というか帝国に帰れよ皇女様(エクセル)。なにしれっとヘリコプターまでついてきてんだよ。

コハクが無言でエクセルにアイアンクローをかましている。ナイスだお狐様。


「というか、怪獣は自衛隊の得意分野じゃないんですか?」

「そんなの映画の中だけですよ」


そりゃそうだ。


「あんなバカでかいのどうしようもないでしょ。自衛隊でどうにかできないんですか?」

「自衛隊の戦闘機(ファントム)も米軍の対地攻撃機(スプーキー)も、とっくに帰って別の世界に送られてますよ」

「なんで!?」

「いや、ここに置いといても使わないじゃない。どこ爆撃するの?帝国?」


それは皇女が静かになるからいいかもしれない。


「まぁ、F-4EJは退役目前というか、実際退役したのをいろんな世界に使いまわしてるから、用途の無い世界に置いとく余裕はないんですよ」


古い戦艦だから惜しくないと前線に押し出して、新鋭艦は勿体無いと出し惜しみして使いどころが無くなった海軍がどこかにあったが、貧乏性は時代を超えるらしい。


「じゃあ、あのタコに対して自衛隊と米軍は?」

「現状無力ですね!」


ヘリでここまで案内してくれた自衛官が胸を張る。


「人的被害どころか、物的被害も出てない現状では、増援は送ってくれないでしょう」

「とはいえ、放っといたら間違いなく被害出るでしょ」


100mほどある巨体である。

今は何もない平原にいるのでいいが、街にでも来ようものなら、動くだけでも大惨事である。


「まぁ、そこは、ほら、魔王を倒した勇者の力で」

「俺を連れてきた理由はそれか」

「移動時間は大幅に短縮できたでしょ」


とはいえ、あんなデカブツどうするんだよ。

案を求めて、アレクシアとコハクを見る。


「それにしたって大きすぎるわな」


パタパタと扇子を振って余裕ぶっているが、尻尾がぶわっと広がっている。ビビってるに違いない。

とりあえず


「どこか高台に降ろしてください」

「ここからばーっと魔法とかで攻撃したほうが良くないですか?」


自衛官て雑な人しかいないの?


「それでもいいですけど、反撃されたらこのヘリどうなります」

「落ちますね」


HAHAHAと笑っている。なんか腹立つな。

とりあえず、高台で降ろしてもらって、タコを見る。


「何してるんだろう?」

「なんかキョロキョロしとるし、餌でもさがしとるんかね?」


餌、餌かぁ。

あの触手で女の子を捕まえたりすんのかなぁ。触手プレイとかすんのかなぁ。とか思ったが、多分あれはデカすぎて人を認識できてないな。


「まぁ、何もしてないのに討伐するのも可哀想な気はするが」

「街が襲われてからでは遅いですからね」


アレクシアが力強く言うが、まだしがみついたままなので、様にはならない。

そんなに怖かったのか。


「よっしゃ、じゃあ勇者パーティー再結成といきますか」

「どっちかというとこの面子では、塔のほうやし、あんまり久しぶり感があらへんね」


コハクさんの指摘はもっともですが、こういうのは雰囲気と勢いだと思うのです。


「よっしゃ、じゃあまた世界を救いますか」

「あのタコが世界を滅ぼす気があるとも思えんけどね」


ほんと勢いぶち壊すの好きっすね、コハクさん・・・。

とはいえ、デカブツ相手にどこまでできるかもわからない。

危ないと思ったらすぐ逃げよう。

俺達の戦いはこれからだ!

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