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異世界召喚による日本人拉致に自衛隊が立ち向かうようです  作者: 七十八十
第2章 ふたつめの世界 ~大学生、勇者になる~
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2-8 大学生、ハーレムを諦めない

「まぁ、いろいろあったよね」


俺はここまでの旅を思い返して遠い目をして言ったらメルドーズに頭を叩かれた。


「おまえがあっちゃこっちゃで女に手を出すからエクセルは目が笑ってないし、新しい女が来るたんびに修羅場になるんだろうが!」

「ちゃうねん、そんなもてたことないから思わず手を出してしまうねん」


いろんなところがいろんな思惑で近づいてくるので、ぶっちゃけあり得ないくらい美人が寄ってくる。

裏があるのはわかっているのだが、据え膳食わぬはなんとやらで、ほいほい乗せられてしまう。

中にはほんとに俺に惚れてくれるらしく、好意を向けてくれる娘もいるのだが、まぁ、パーティーの中だけでもかなり爛れた状態なので、修羅場がすごいよね。


エクセルは最近完全に昼間は話をしてくれない。

その割には夜這いには来る。

んで、魔王討伐後に旦那になれとか言ってくる。

いや、俺帰りたいんだけど。まぁ、最近このハーレムが維持されるなら残ってもいいんじゃないかと思ってるのも事実だが。

帰っても絶対こんなハーレム不可能だし、こんな特権階級なれないし。

考えてみたら、戻る理由って突然いなくなって両親が心配してるかなぁとかそれくらいしかないし。


アレクシアは特に変わりなく、女が増えてもお盛んねぇとかいってケラケラ笑っている。

なんだかんだ相談にも乗ってくれるし、メルドーズを除けば一番付き合いも長くなったので2人でいるならアレクシアが一番気が楽だ。


エリーシャはアレクシアと一緒の最初だけで、以後そういう関係はない。

俺の修羅場はメルドーズと呆れながら見てる感じだ。

そのメルドーズといい雰囲気に見えるのは気のせいではない気がするがどうなんだろうか。


キリエは完全にエクセルの御付きって感じで、夜這いの時の露払いとかをやっているっぽい。

エクセルが来る晩は他の誰も来ないのは彼女が見張っているかららしい。

当然そのような関係になったことはない。

修羅場でも無表情なので何を考えているのかわからない。


エルフのルルは、お前ホントにハンターなのかというくらいポワポワして抜けている。

弓を使わせたら世界でも指折りの腕だと皆が認めているのだが、それ以外は天然の不思議ちゃんである。

修羅場でもほわほわして的外れなこと言ってることが多い。

夜は気づいたらベッドにいて、終わって気付いたらいなくなっている。

普段の行動からして、特に打算とかはなく好意は抱いてくれているようなのだが。


フィーリスはもともとそういう知識はなかったようなのだが、新しいことに貪欲というかなんというか。

ただ、独占欲というかなんというか、とりあえず修羅場ではエクセルとツートップと言った感じ。

世界樹からいろいろ情報を引っ張れるので、街でこっそりやったこととかがバレてたりする。コワイ


んでまぁ、今何をしているかというとガリア帝国の首都に戻ってきて、獣人を味方につけるための方策を考えている最中である。エクセルとアレクシアが。


特に人間と敵対状態にあったりするわけではないのだが、獣人同士の仲が険悪、というか絶賛戦争中。

獣人は大きい勢力で狐人、犬人、猫人、竜人の4つと他に数は少ないが狸人とか牛人とかいくつかの勢力がある。

うち竜人は我関せずといった感じで、外のことには一切関わらず、自分たちだけで暮らしていて詳細不明らしい。一説には、支配地域の奥に住む龍を神と崇めているとかなんとか。

犬人と猫人が険悪で絶賛戦争中。どちらもガリア帝国との仲は悪くないらしい。

狐人は戦争状態にはないものの、犬人、猫人双方から憎悪の対象にされていて、常に一触即発らしい。これは過去に狐人が、犬人と猫人の争いを利用してあれやこれやと策を弄した結果とのこと。

狐人と狸人は散発的に衝突を繰り返し、牛人は竜人を恨んでいるとかなんとかで、獣人の支配地域の中がドロドロしすぎていて、途中で理解するのを諦めた。


とりあえず、魔王討伐の陽動として魔族に一斉攻撃をかけるためにも、現状のガリア帝国、アリステイン大公国、大樹海のエルフ族を中心とした部族連合の他に、獣人族から2つか3つくらい味方が欲しいとのことで、それをどうするか連日検討が続いている。

ミスティルテイン王国は無視でいいのかと思うが、そこは捕まえた王子も使って交渉中らしい。


「で、勇者様としてはどの獣人がお好みなのさ?」


メルドーズがまた女増やすんだろみたいな感じで聞いてくる。


「いやいやいや、さすがにこれ以上はないよ」


ないよね?あ、けど混血の人たちは帝国に結構いるから街でも見かけた感じ、美人に耳やしっぽがあるのもなかなかいいかもしれない。


「やっぱ増やす気なんじゃねぇか」


呆れたようにメルドーズが言った。


「ま、まぁ行ってみないとわかんないやん?」


行きずりの関係はあるかもしれないしね!

とまぁ、メルドーズとあーだこーだとどうでもいい話を続ける。

メルドーズとエリーシャの関係に突っ込んでみたり、どこで食った何が美味かっただの、旅とはまるで無関係な話を酒を飲みながら延々続けていた。


テーブルにいつの間にかルルが交じっていたり、エリーシャに見つかって修行したらどうだと嫌味を言われたり、かなりの時間が経過したが、待ち人は一向に来る気配がない。


「やっぱ答えがないし難航してんのかね」


いい加減いい時間になってきたころ、メルドーズが言った。

エクセル、アレクシア、フィーリスの3人は帝城で行われている作戦会議に参加している。

終わったらアレクシアがこっちに来ることになっているのだが、そもそも魔族を攻めるのにどの程度の戦力が最低必要か、などという答えの出ない議題であり、それに加えてどの獣人をどのように味方にすれば戦力が最大化するかなんていう、これまた正解のない問題である。


すでに人間の国が3つ滅ぼされたことを考えると、魔族の戦力は相当なものと想定せざるを得ないし、獣人のほうは対立が複雑化しすぎて絡まっている。

正解なんてやってみるまでわからないのだから、誰かがどこかで決断しないといけないんだろうな。などと他人事にように考えて酒を口に含んだ。


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