表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚による日本人拉致に自衛隊が立ち向かうようです  作者: 七十八十
第10章 いつつめの世界 ~転生者は転移者と対峙する~
137/170

10-8 転生者は空を跳ぶ

「圧倒的ではないか我が軍は」


騎士に乗らずに幕屋から戦場を眺める。


「いや、さっさと行きなさいよ」


クリスに呆れるように言われた。


「けどどうせ行っても私の獲物とったとかあとでぶーぶー言われるんだぜ」

「そんなこと言いつつ実は悦んでるのがエリザさんですから、行かないと不機嫌になりますよ。獲物とっても別に不機嫌にはならないでしょう」


確かに言われてみればその通りだ。


「つまりエリザさんはツンデレというわけですね」


うんうんと連絡要員の三尉は一人で頷いている。

クリスがツンデレ?とか言っているが、無視して騎士に向かう。


「それにしても、一方的だな」


騎士に乗り込みつつ、戦場を見渡して呟く。


王国軍が圧倒している要因は2つ。


1つは言うまでも無く、以前から導入している制御系である。

武器照準の自動化と、制御系の見直し。

次の機動の予約入力とキャンセル、コマンドの実装にジャンプの着地点ずらし。

これだけで騎士の動きが別物になったのだから、それらが施されていない他国の騎士は相手にならない。


もう1つは魔石投射砲に代わって採用した新兵器である。

風魔法でつくった圧縮空気で攻撃魔法の入った魔石を飛ばす従来のものを改め、火砲に近い機構を採用している。

合体できない巨大合体ロボとかいらんもんに予算を使われたが、日本との共同研究で得られた最大の成果である。

爆発魔法を封じた魔石を装薬として使用し、紡錘形に成形された弾(今はとりあえず入手と生産がしやすくある程度の固さを持つ鉄を使用)を発射する。


実は弾にも仕掛けがあり、魔石を仕込めるようになっているので、弾を1000度以上に加熱したり、硬度をバカみたいにあげたりといったギミックもある。

デメリットとして、火砲と同じく反動が大きいという問題があったが、薬室内に反射の魔法を施し魔石を別に装填することで、本来なら反動になるエネルギーまで弾の発射に利用できるようになっている。

ナニソレコワイ


ちなみに、日本側としては


「生産に手間と費用がかかりすぎるから火砲でいいものの、反動減衰については導入の価値がある」


という研究結果らしい。


で、まぁ基本的に直射で使うものなので、敵を引き付けて斉射したわけだが、大楯を貫通したりしていたので必要十分な効果は発揮したと言えるだろう。


「さて、うちのお姫様は、っと」


騎士を起動し、エリザの専用機を探す。

紅いし派手な装飾も施されているので、どこにいてもすぐ見つけられるのがメリットでもありデメリットでもある。

旦那としては危ないことは止めてほしいのだが、言っても聞いてくれないのでこちらでフォローするしかない。


「あそこか・・・まーた無茶してる」


見ると紅い専用機が凄まじい機動力で一気に敵陣に斬り込んで、火力支援騎をがんがん斬り飛ばしている。

ただでさえ火力支援用の大型魔石投射砲で取り回しが悪いのに、従来型の制御系ではエリザの動きに追従はできないだろう。


直掩は2騎だけのようなので、エリザなら苦戦しないだろうが、万が一もあるので、さっさと進出することにする。


《あ、ジャンプ用にロケットエンジンつけてみましたので1回だけですが楽しんでくださいね》


それは使う前に言え!

防衛技官の無線が聞こえた時には、前線を飛び越えてエリザに合流しようと跳躍の入力を終えていた。


凄まじい加速感とともに大空に押し出される。

アカン、これアカンやつ!


ロケットエンジンの排煙を引き、空高く打ち上げられる乗騎。

うん、どうやって着地すんだよ。


《着地の衝撃はバーニアで相殺してください。多分できます》


確かめてないのかよ!

もしかしたらあいつは俺を暗殺しようとしている暗殺者なんじゃないかという考えが頭をよぎったが、多分あいつは研究中毒(バカ)なだけなんだろうなぁ。

無線の向こうでクリスが何勝手なことやってんだとか技官に掴みかかっているのが聞こえる。


俺、ちゃんと着地できるのかなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ