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 あなたが視覚、とくに網膜に障害がないかぎり、という話ですが。


 人間の目の網膜には、光を感知する細胞が、まず大きくは二種類あります。それは錐体と桿体と呼ばれるものです。これは形のまんまの名前です。

 まず、桿体ですが、これはともかく光を感知します。

 また錐体も、もちろん光を感知するわけですが、桿体とは少し違います。というのも、光の三原色であるR, G, Bに対応した錐体があります。あ、いや、これはどうなんだろ? 錐体がR, G, Bのがあるから、それが人間にとっては三原色なのかな。


 んで、人間の目とデジカメを比べたりする場合とか、比べたい場合とかあります。でも、それは意味がありません。

 というのも、錐体にせよ桿体にせよ、分布がデジカメの場合とは違うからです。

 錐体は、R, G, Bがあるにせよ、目の正面からまっすぐ奥に行ったあたりのところで、"A"のように、中央に無茶苦茶な密度で集まっています。

 それに対して桿体は、"A" の周りを囲むように "O" のように多く分布しています。

 で、普通は主に錐体の方で見ます。でも、錐体が多い部分はとても狭い部分です。

 ということはどういうことかというと、これはちょっと単純に言いすぎという面はありますが、「あなたが見ていると思っているものは、あなたが見ているものではない」と言えます。別の言い方をすれば、あなたの脳で再構築されたものです。


 だとても、錐体で見えるなら、それでかまわないのですが、錐体はちょっと感度が悪かったりします。暗くなると色の区別がつきにくくなるのは、錐体が「わかんね」と言っているから。あるいは、錐体には見えていないから。そのあたりになると、桿体で見まる。桿体は、色の区別はつかないものの、光の量については錐体より感度がいいんです。


 さて、レンズ眼を持つ動物なら、桿体は持っていても、錐体は持っていなかったりします。あるいは、人間のようにR, G, Bに対応するのは持ってなかったり。うちにはフェレットさんがいますが、フェレットには青が見えないらしいです。


 さて、えーと2014年のノーベル賞を "脳において空間認知を構築する細胞群の発見" というのが獲得しました。えーと、ある条件に応じた複数のメッシュ、あるいはマトリクスがあり、ある場所に来た時にはそれらを通して、その場所であることを認識するみたいな感じかな?

 網膜にも、えーと上下方向と左右方向から構成されるメッシュ、あるいはマトリクスがあります。それを元に、網膜のどこに映った信号なのかが脳に伝わり、視野がそれとして見えるように脳の回路が訓練されます。


 あと、網膜に映っているのは、上下左右が逆転した像です。でも、普通に見えているように感じます。これについてはプリズム眼鏡を使った実験があります。その眼鏡をかけると、上下が逆転して見えるというようなもの。でも、一週間とかで慣れるみたいです。慣れてから外すと、またしばらく混乱するみたいですけど。


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