dBとか
dBってよく聞きますよね。音関係で聞くことが、普通には多いかなと思いますが。
で、まずdBっていう名前は、うーんと一種の補助的なものです。Bという単位がもとにあって、でも普通に使うにはちょっと不便なのでdBをよく使います。Bだと値がちっちゃくなっちゃう感じなので。
そうすると、「dってなに?」という話になります。dってのは、10あるいは実際的には1/10という意味です。これを使うと、たとえば10cmは1dmと書けます。1mは10dmです。1cmは0.1dm。
んで、これは前説。
BにしてもdBにしても二つの値の比なんですね。音の大きさについても同じです。
「え? 何と比べてるの?」
と、思われるかもしれません。一応、音の場合、人間が聞くことができる最小の音の大きさがあって、というかそれを元にして基準になる値を設定して、それに対する比としてdBの値を設けてます。なので、あくまで比です。10の何乗とかの値としての比です。あ、dBだから10 * 10の何乗とか。
んで、工学的にdBは便利で、いろいろ使われています。
ところで、10の何乗とかってのは逆に言えば対数になります。何乗というのと対数は違うと思われるかもしれませんが、このあたり、技術系の人間は足し算と引き算は同じとか、かけ算と割り算は同じとか、コストとペナルティーは同じとか、そういう感じに結構同じというか気にせず考えます。
さて、不思議なことに、人間が、ある近くについてその強さをどう感じるかというと、「対数的に感じる」ということがわかってます。「ヴェーバー - フェヒナーの法則」と呼ばれてます。んーと、正確さはともかくとして書くとすると、明るさが物理量として二倍になっても、感覚としては二倍には感じないんです。四倍になって、やっと二倍に感じるとか。
さて、人間がなんでそう感じるのかは知りませんが。
知覚とか神経細胞の働きは、刺激を受けると、バンと発火します。神経インパルスというやつです。で、これなんですが、一発のインパルスは、たぶん強さに違いはありません。いや、あるかもしれないけど、あまり意味がない。で、かわりにバンバンバンと複数のインパルスを出します。
ところが、じゃぁ強い刺激にはインパルスを出し続けるのかというと、そういうわけにもいかないようで、不能期とかいうのがあります。いくつかインパルスを出したら、ちょっと休むわけです。まぁ、シナプス間隙のところはいくつかのイオンやら他の化学物質を出して、また受け取って信号を伝えているので、どっちにしろインパルスを出し続けても無駄ですが。小胞に溜めてあった分を出しきっちゃったら、伝えようとしてもどうにもならないし。あ、これはちゃんと回収して使い回したりします。
なので、神経細胞に与える刺激は「強い刺激に対しては電圧を強くすればいい」というわけではないところが面倒なところでもあります。
また、BMIとか考えると、別の面倒なところもあります。「強い刺激」だからといって、脳にバンバンバンと刺激を与え続けても意味がなかったりするわけです。まぁ、刺激を与え続けるのが技術的には楽っちゃ楽ですけど。でも、そのやりかただと期待しているだけの刺激が、実は伝わってないなんてことが起こるわけです。
あ、人工内耳ですか? 今どきは考慮してるんじゃないかな。




