第10話 更に進化
第三位階上位
夜のタイムリミットで撤退してから、更に魔力操作の修行を重ね、数十時間。
26日目の朝が訪れた。
こうしてる間にも、白鎧のダンジョンコアが必死に戦ってるかもしれないと思うと、気が急いて仕方ない。
——今日中だ。
今日中に不足している3万DPを貯め、日付が変わると共に貯まる26万DPで101万を送る。
『マスター、朝になりました。先ずは狩りを、その後朝食を、報告はその時に致しましょう』
「おう、頼む」
◇
2日に渡る生気の吸収を受け、クアンダ達は大型の強い個体さえも地を這う様になって来たらしい。
今日の最初の3体も、皆地面に横たわり、中には寝ている者もいた。
それだけ、9,000のシャドーワーカーとシャドシーカーの働きが大きいと言う事だ。
まぁ、いくらD級とは言え、100体のF級に一晩中攻撃をくらっていれば、そうなるのも致し方ないのかもしれない。
それこそ何日もあれば、D級ですら取り殺す事が可能なのかもしれない。
そんなこんなで仮拠点に戻り、早速朝食を頂く。
捕食行動は魔力回復にも繋がると言うのだから、しない理由は無い。
相変わらずのジビエ肉料理を堪能しつつ、コアの報告を聞く。
『先ずは進化からです』
「おう」
『最初に、水纏錬磨法で強化していたドールが、ドールソルジャーに進化しました。見た目の変化は殆どありませんが、戦闘力が上昇しています』
「よし」
装備の強化法である水纏錬磨法がドールに有効だと言う事が分かった訳だな。
『続けてですが、クロに遅れる事4日、複数体がD級に進化しています』
「おおっ!」
『先ずはビッグスライムですが、ヒュージスライムに進化しました! 依然として核は残っていますが、サイズは直径5メートル、高さ4メートルの球体です!』
『デカい』
だが、ゴルボルズの突進を受け止められるかと言うときっとそんな事は無い筈なので、せめて核が無くなってからようやく戦力になると言った所か。
『次に、ヒュージモームがジャイアントモームに進化しました。全長3メートルの巨大イモムシです』
「ウワァイ」
デカい。そして多分戦力にはならない。
『高い再生力があり、柔軟な皮膚と全身の筋肉はE級の牛の突進すら受け止めます。また、通常サイズより一回り以上大きい為、その期待値も高いです』
「おおっと?」
思ったより強いな。
まぁ、それでもE級複数に囲まれたらやばそうだが……案外サイズの割に、小規模の牛の群れなら単独で抑えられるくらいの強さなんだろうな。
流石D。
『次、ユガレイド・ドルドがユガレイド・ドンドルドに進化しました。樹高5メートル。幹の太さは直径2メートルにもなる大樹です』
「ほう」
そんだけ太いと牛の突進にも耐えられそうだな。
拘束力も高いだろうし、欠点と言えば……殺傷力が低い所か……それはモームにもスライムにも言える事か。
……多分直接会ってないからその脅威を正しく認知出来ないんだろう。
……が、仮に今の俺が装備なしで戦ったとしても、操気法が出来る様になってるから負けないと思うんだよな。
いやまて……こいつらが操気法出来てしまえば、十分な殺傷力を持てる訳だよな。
修行……いや、後で考えよう。
『続けて、サンダーイールがグレーターサンダーイールに進化しました。それに伴い、サンダーボルト級の一撃を3度放てる様になりました』
「ほうほう」
つまりはE級を3体吹き飛ばせるレベル。
グランクスなら1体を狩れる戦力。D級としては申し分ない……だろうが、やっぱり心配が勝つと言うか……パラメーター的に多分防御力が低いし、継戦能力も低いだろうからなぁ。
まぁ、それを言ったら俺も、D級に通じるクラスの攻撃を大体4回やったら後は逃げるだけの生物だが。
つまり俺の事も心配なんだよな。装備とアイテムで補っているとは言え。
『最後に、カースドマリオネットが、カースドドールに進化しました。最大出力は3倍ルーセントソード並みで、およそ3回放てる様になりました』
「そりゃ良いな」
ルー先生の剣技のキレには及ばないだろうが、D級の首を落とすには十分な火力なんじゃないか?
『これにより、サージナイフを預ける事で、マスターの代わりにクアンダを狩れる様になった筈です』
「……確かに」
そう言えばサージナイフは俺専用って訳でも無いし……いやでもE級だった時は心配が勝るか。D級になったからの納得だな。
「ならカースドドールを此方に向かわせてくれ」
『承知しました』
瞑想をして回復している内に到着するだろう。
『進化報告は以上です。続けて武装の入荷がありましたのでその報告を』
「おお、早いな」
現状には役立たないかもしれないが、戦力の増加は結果的にありがたい話である。
『届いたのは2件です。先ずは、デミガンドライアスが2枚届きました。現状ではドールに持たせる以外の使い道がない為、保留としましょう』
「そうだな」
後でどの程度の威力か調べるとしよう。
『次が、シェイアスアーマー500着です。此方はドール達に随時装着させています』
「優秀」
コアが優秀なのは良いとして、鎧の防御力だ。
正直、F級の素材を使った鎧だし、ドール達のランクがF級と言う事も考えると、通用してもE級までだろう。
E級をなんとか防ぎ切れると考えるとそう悪い話では無いが、D級相手には及ばないと考えると、結局運用方法は変わらないと言う事になる。
相変わらず壁の上からスクロールを放つくらいしかやらせられない。
『報告は以上です』
「おう」
さてさて、瞑想して待つとして……カースドドールのサージナイフはどれほど通じるかね。




