表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/115

第6話 魔力を見る

第三位階上位

 



『続けて、発見した特殊な地形も報告します』

「頼む」



 月夜塚みたいに利用できる何かがあると良いんだが……。



『先ずは、南西部に存在するリザードマンの大規模集落『蜥蜴達の繁栄地』。リザードマン100頭規模の大集落で、湿地帯としては比較的陸上側に存在します』

「南西って事は牛に仕掛けて来たのは」

『十中八九この集落の者です。詳細は調査中ですが、D-相当の個体もいる事が確認されました』

「ふーむ」



 仮に攻め滅ぼすとしたら、多分クアンダより厄介な相手になるだろう。

 それだけ、数の力は強力なのだ。



『次に、湿地帯北西エリア近傍に、水玉模様の特殊エリアを発見しました』

「なんてファンシーな……」



 まぁでも、リザードマンとかが集落レベルな手前、自然に出来た土地なんだろうな。



『青や緑、黄色等の色付く円形の池が複数存在しており人の手が入っている様子はありません』

「活用方法は何かあるか?」



 無いなら謎の観光スポットだな。



『池は色毎に含まれるミネラル配合が異なる様で、特に緑色の池は治癒成分が多く含まれる為、ポーションの材料として使える物と思われます』

「成る程」

『また、北部エリアから複数のリザードマンが水を汲みに来ている様子が確認された為、北部にもリザードマンの集落が存在する物と思われます』

「ふむ」



 北部と南部の群れに交流が無い筈が無いし、やばい宗教の連中なのは間違いないだろう。


 なるべく関わりたくは無い。



『取り急ぎエリア名を『斑紋薬泉』と呼びます。マスターが調薬をする際には水を汲んで見ましょう』

「その時はな」



 調薬のやり方なんて分からないけどな。



『最後に、湿地帯南東部に存在する浅瀬『爆穂の機雷原』です』



 機雷原とはまた、物騒な香りがプンプンする名前だな。



「穏やかじゃないな」

『触れると傷石程度の風の爆発を引き起こす穂を持つ植物の過密群生エリアです。吹き飛ぶ粉と種は油分を多く含み、また種は綿毛を持っている為、極めて火に弱い様です』



 ガマの穂みたいな何かか、取り敢えず絶対に近付きたくないエリアに追加しておこう。

 下手したら連鎖爆発に巻き込まれて気絶、浅瀬で溺死とか起こりそうである。


 そもそも、傷石程度の威力って、言っておくがG級以下には即死級の威力だからな。

 風だから当たりどころが悪くないと死なないのかもしれないが。


 少なくとも吹き飛んだら連鎖爆発は起きるだろう。

 うーん、近付きたく無いですなぁ。



『特殊地形については以上です。後は、どこもかしこも底が深かったり、柔らかい泥土による底なし沼があったりと、マスターの探索には極めて不利な地形が多いと言った所でしょう』

「それは……」



 参ったな。


 いつもなら探索して状況を把握してエリアボスを討つ所だが、今回はそれが極めて危険と言う事だ。

 その代わりコアの支配が進んでいる訳だが、そうなって来るとどうしても待ちの姿勢になってしまう。


 それが悪いとは言わないが、気が急く。心が焦る。



「……エリアボスが動き出すタイムリミットはどのくらいだ?」

『エリアボスが袋小路の森にある第一拠点へ動き出すのは、およそ8日程度先の事になると思われますが、推測の域を出ません』

「だろうな」

『『壮大湿地』の半分を支配下においた為、それが早まっている可能性や、袋小路の森以外のエリアへの進出は十分にあり得ます』



 やはり、大駒に動かれると厄介極まりない。


 祈る事しか出来ないのが口惜しい。出来れば此方は仕掛ける側でありたい物だな。



「それで、どうする?」



 今後、どう動くか。俺には待機する事しか思い浮かばないが、果たして。



『先ずは壮大湿地の地脈や南部、西部エリアから情報を得る事が先決でしょう』

「うむ」

『その後の動きとしましては、エリアボス討伐に向け、不穏分子であるクアンダの殲滅、リザードマンの殲滅ないし無力化、他脅威となる生物の殲滅が必要となります』

「確かに」



 エリアボスと戦闘してる際に乱入されたら、状況が破綻しかねない。


 最低でもD級の脅威は殲滅しておきたいのが本音だ。

 もっと本音を言うと、集団戦の際はE級ですら怖い。


 エリアボスが何かは今の所不明の様だが、そいつを丸裸にして初めて対等と思っておいた方が良いだろう。



「となると……修行あるのみか」

『そうなりますね』



 D級殲滅のキーは、ルー先生と俺になるだろう。


 それ以外の手札では、現状D級に抗し得る手段が無いに等しい。


 今必要なのは、バンムオンやサージナイフを満足に振るえる魔力量だ。





 深く、瞑想する。



 案外と直ぐに入れる様になって来たそれは、魔力操作等のスキルを得た事で、様々な事が分かる様になっていた。


 先ずは、流入する魔力。


 通常状態が分からないが、取り敢えず瞑想状態では、外部から魔力が流入し、その幾らかがコア曰くの生命力と複合され、生命力へと変化しているのが分かる。

 もっと言えば、生命力が外部の魔力を引き込み、生命力へと変換している様に見えた。



 次に、黒い魔力。


 おそらくこれが、闇属性魔力だ。


 生命力と同様に体内を循環するそれは、生命力に準じて動かし易い。

 魔力操作を取得したおかげだろう。


 それと同時に、右腕付近に濃い闇属性魔力を感じた。

 それは自由に動いており、随時俺へ少しずつ闇属性魔力を注入して来ていた。


 多分だが……右手に取り憑いているクロが、瞑想の手助けをしてくれているのだろう。

 なんていい奴なんだ。


 闇属性魔力も、生命力同様に外部から少しずつ流入しているのが分かった。



 ふと気になって、右腕を起動すると、生命力と闇属性魔力が右腕へ急速に吸い込まれ、それが急速に外部へ発散されているのが分かった。


 流石に勿体無いので、発散される魔力をどうにか再度吸い込めないか試していると、これがどうしてか上手くいく。

 発散される魔力のほんの少しを引き戻す事が出来た。


 それと同時に、右腕の動きを観察していると、引き込んだ俺の魔力を右腕内で急速に循環させ、濃度の様な物を増して行っているのが見えた。


 おまけに、バンムオン起動時の右腕に宿るクロの動きも、何となく読みとれた。

 こいつは、俺と同様に右腕に魔力を吸い込まれているが、同時に発散される闇属性魔力を吸収してもいる様だった。


 やはり、俺に取り憑いているから魔力も同じ……では無いか、俺と比べて極少量吸われているし、発散される魔力は俺より効率良く吸っている。

 回復は微々たる物だが、やがてはクロがいるといないとで、右腕の力を振るえる回数に差が出て来るだろう。


 右腕を解除し、更に少し考える。


 確か、操気法は魔力を擦り合わせたり圧縮したりして強化すると言っていた筈だ。

 どう見ても、右腕起動時の魔力の動きはそれそのものだった。


 つまり、魔力を操作して擦り合わせれば、今までのD級達がやって来た様なオーラの攻撃を放てるって事なんだろう。


 試しに、左腕へ現時点で操作可能な魔力を集めてみる。


 幾らかは元の循環に引き寄せられて流れて行ってしまうが、どうにかそれらを搔き集め、擦り合わせて行く。

 やはり下手なせいか、幾らかは循環に戻るし、幾らかは左腕から発散されてしまう。と言うかこの発散されているのが、オーラなんだろう。


 つまり、オーラの噴出は未熟の証だ。


 今度は瞑想を一時解除し、巻藁の前に行く。


 そのまま瞑想の感覚で、左腕に魔力を集め、全力でそれを保持、魔力を掻き混ぜる。


 すると、次第に漏れ出す魔力が闇色のオーラに変わり、限界ギリギリまでそれをやって、巻藁へ左腕を叩き付けた。


 次の瞬間、ぶっとい木を芯に作られた巻藁がへし折れ、吹き飛んで壁に衝突、バラバラに砕け散った。



「はぁ、はぁ……」



 めちゃくちゃに疲れたし、何なら衝突の瞬間にオーラが膨れ上がったので、威力もその分減衰している。

 これは上手く行ったとみるべきなのか、下手くそだと言うべきなのか、悩む所ではある。



『マスター、今のは操気法の上位スキル、練気法です。魔力操作と操気法の相乗効果で操魔力を練気法レベルまで引き上げたのでしょう。やりましたね』

「そうなんだ、はぁ……操魔力って?」

『魔力操作能力の総称です。これが高い程強いと言っても過言では有りません』

「なるほどぉ」



 となると、この修行法はあってる訳だ。


 今までの強敵達、バンムオンやゴルボルズ、グランサージもまた師であり先生であったか。



『そこまで出来るのであれば、先ずは全身の魔力循環を早める事から始めるのが良いかと思われます』

「ほう?」

『部分強化より楽に行えるので、直ぐに実戦利用も可能になります。それが出来る様になれば新たなスキル『プラスパワー』の取得や、更にその一段上のスキル『フィジカルブースト』と言う、決戦級スキルの取得に繋がります!』

「ふむふむ」



 なんかよく分からないが、取り敢えず言えるのは、部分強化が実戦レベルで扱えれば凄い使えるし、そのフィジカルブーストとやらが使えればもっと凄そう。


 つまり……瞑想ってとんでもなく重要な能力の橋頭堡なんじゃねぇか……!



「これはドールとかシャドー達にも……」

『ドールやシャドー達は元々魔力感知に優れている他、マスターの真似をして修行を続けているので、多くの者が既に操気法レベルの練度に到達しています』



 まじか。



『特にカースドマリオネットは、魔力操作や操気法の練度ではマスターを上回り、魔力量さえ十分であれば、2倍ルーセントソード並みの火力を捻出できます』

「まじで」



 チラッと近場で修行していたカースドマリオネットを見ると、彼女はこくりと頷いた。


 そうかと思えば、クロがにゅるりと這い出て来て、闇色の光を纏った影のナイフで巻藁を切り裂いた。



『と、この様に、クロも未だ実戦レベルでは無いものの練気法に程近い操魔力を誇ります』

「まじかよ」



 クロはふふんと誇らしげに胸を張る。


 その分野に関しては未熟なのは俺ばかりと言う事か。


 心から、まじの3段活用をした所で、コアの言葉に従い、先ずは魔力循環の修行からする事とした。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ