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第5話 壮大湿地

第三位階上位

 



 日が明ける前に、コアに届いた物は、ペインナイフの強化版、サージナイフ。


 相変わらず大振りのナイフで、黒い刺々しい見た目だが、今回の強化でそこに何とも言えない鋭さが加わった。

 どうやら、刃が変わったらしい。


 完全に魔剣の類いになったそれは、念じると黒いオーラが現れて刃が伸びる仕様となった。


 重心は殆ど変わらなかったので、取り回しに関しても相変わらず。

 ただし、威力は大した物で、右腕の起動と合わせて高速で振るった刃は、迷宮の壁をバターの様に、縦横無尽に切り裂いた。


 おそらく、C級に到達し得る一撃。


 その代償は、とんでもない魔力消費だった。



 発動は一回が限度。


 バンムオンだけやサージナイフだけなら3回は放てる所を、2つ合わせると一度が限界だった。



 そんなナイフをひたすらに振り回して、僅かな感覚の違いを矯正したり、魔力量増加の為の瞑想をしたりしていると、日が明けた。


 23日目の始まりだ。





『先ずは増殖の報告です』

「待ってた」



 朝食をありがたく頂きながら、コアの報告を聞く。



『ゲル、グミ、スライムの3種が、倍程に増加しました』

「良し!」

『それにより増殖用拠点が過密となっている他、放出魔力量も大きく減少している為、次の増殖には時間が掛かる物と見られます』



 まぁ、餌も現状ではもう豆くらいしか無いし、数が多過ぎて魔力量が減ってるらしいから、増えられないのは仕方ない。


 気になるのは、生産DPの量だが……。



『ゲル達の大量増加により、1日の生産DPは現時点で26万DPに到達しています』

「よしよし!」



 上々も上々。


 これでスクロールや爆石等のアイテムを湯水の様に使えるってもんだ。



『続けまして、昨日の招待後、私の機能がアップグレードされました』

「ほう」

『習得可能な機能が増加したので、DPが溜まり次第解放していきましょう』

「おう」



 何が追加されたかは分からないが、機能の増加は良い事だ。

 活心や転移なんかが良い例である。



『更に続けまして、マスターの取得可能なスキルが大幅に増加しました。『魔力限界増加(小)』『魔力操作』『操気法』『硬化』『跳躍』『治癒力向上』『毒耐性』。全て合わせて5,000DPで取得可能です』

「取得で」



 なんか良く分からないのも混じっているが、概ね期待通りのスキルだ。

 今となっては5,000Pなんて大した額じゃないが、1人に掛けている金額としては割ととんでもない金額である。



『それぞれ説明します』



 そんなコアの解説によると、魔力限界増加が、魂に魔力を保持しておける空間を作るらしいスキル。

 魔力操作と操気法は似たスキルだが、どちらも魔力の操作に効果のあるスキル。

 硬化や跳躍は怪力並に効果のあるスキルで、防御力が増加したりジャンプ力が増加する。


 最後の治癒力向上と毒耐性は、主にサーペンタインの毒に触れ続けた結果出たスキルで、その名の通りの力を持つ。



 試しに瞑想のイメージで魔力を操ってみると、今まで扱えていなかった黒い魔力が操れる様になっていた。

 結果的に操作可能な魔力が1.2倍程増加しているらしく、瞑想と魔力操作の訓練を続ければそれも更に増大していくだろうとの事だった。


 より詳しく言えば、今までが魔力量そのものの増加を行い、その上澄みだけを使っていたのに対し、今後は魔力量の増加と操作可能な魔力量の増加の2つを強化して行けると言う事だ。


 効率も倍と言う訳である。


 一方の操気法はと言うと、主に既に動かせる魔力をより早く操作したり、それを擦り合わせて圧縮して強化したりするスキルだとの事。


 動かした魔力は、攻撃力を上げたり防御力を上げたり、再生力を上げたりするのに使うのだとか。


 何にせよ、訓練あるのみと言う事である。



『次に、湿地帯エリアの報告です』

「おう」

『湿地帯エリアは、今までで1番範囲が広い為、私はそこを『壮大湿地』と命名します』

「ふむ」



 安直だが、分かりやすくもある。


 それだけ広大な湿地帯なのだろう。



『壮大湿地に主に出現する脅威は、リザードマン、亀型の魔物、鰐型の魔物、それから、アーカイブより、D級相当、獣竜型亜竜、クアンダです』

「やっぱり亜竜がいるか……」



 まぁ、分かってた事だが、竜と聞くと物怖じするのは危機管理の内だろうか?



『また、地脈から得た情報によると、壮大湿地の南と西側はエリアボスの支配下に無い為、より詳細な情報を得る為にも、壮大湿地の南と西を支配する事を提案します。おおよそ10万DPは掛かるかと』

「実行だ」



 多少は値が張るが、俺が探索する必要が無くなる事や、敵の位置を常に把握出来るホーム化は、どう考えてもメリットしかない。


 果たして——



『完了しました……これは……』

「どうした?」

『D級のクアンダですが……観測される総数が現時点で68匹います』

「……まじかぁ」



 D級68匹もいるのかぁ。


 それはやべぇなぁ。しかも西と南だけで、だろ?



『全エリアでは100を越える物と思われます』



 だろうなぁ。そりゃあいるわな。



『クアンダは亜竜石を保有する低位亜竜で、D-からD級程の戦闘力です。四足で頭の位置も低く、弱点は明確。やり方次第ではグランクスよりも容易な相手かと』

「まぁ、そう言われるとな」



 コアなりの励ましを感じるが……やはりD級が10匹以上は愚か60匹も控えていると言う衝撃は割とでかい。



『加えて、生来の強者故か、単独行動も多い様なので、思う以上に狩りやすいかもしれません』

「ふむ」



 いや……弱気にならずに冷静に考えてみよう。


 D-級程で、グランクスより狩り易い。何せ首を刎ねれば終わりだ。

 それでいて、単独行動が多く、暗殺がし易いと来れば……うん、ボーナスステージだな。


 おそらく5倍ルー先生で容易に首を刎ねられるだろうし、右腕を頭に叩き付ければ一撃で行ける、サージナイフでも切り捨てられるだろう。



 冷静に狩っていければ、此方に負けは無い。筈である。



 

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