第3話 武装を注文
第三位階上位
今回は、『勇猛大平原』と『白波海岸』、そして小規模世界一つの支配。それに加えて、ゴルボルズの角献上の4つの功績から招待状が発行されたとの事。
どうやら、鎧のマスターは小規模世界をもう一つ支配したらしい。
そこら辺、神様がまた挑む世界を選ばせてくれるのか自動で決まるのか分からないが、自分で選んだのなら鎧のマスターは中々にギャンブラーだな。
リスクを理解していない可能性はあるが、まぁそう言う戦い方もあるって事だ。
と、そんな訳で、今回も同伴者としてクロを連れ、会場に向かった。
◇
プツッと何かが途切れた様な感覚の後、見覚えのある会場に着く。
ざっと辺りを見回してみたが、まだ誰も来ていない様だし、亜神様もいらっしゃらなかった。
2度目だし、そんな物だろう。
一応とばかりに確認した招待客リストは、変わらず影のダンジョンマスター様と鎧のダンジョンマスター様だけだった。
同期はまだ増えないらしい。
取り敢えず、今回の貢献ポイントを貰いに、奥の受付に行く。
コアみたいなのに話し掛けると、前に聞いたのと同じ反応が返ってきた。
『支援、受付ヘ、ヨウコソ! ダンジョンマスター様! リワードガ、届イテ、イマス!』
ヒョイっとカウンター上に出て来た革袋を受け取る。
前回よりも明らかに多いそれに、期待も高まると言う物だ。
『今モ、交流会場デノミノ、オ取引、トナリマス! 御利用ハ、計画的ニ、行ナッテ、クダサイ!』
「おうよ」
前回と少し違う反応に、俺も笑って応えた。
「それじゃあ早速使おうかね」
『現在ノ、ダンジョンマスター様、デスト、解放、サレテイル、機能ハ、二ツ、デス! 御覧クダサイ!』
おっ? 2つ?
興味の引かれる言葉に、開かれたメニューを覗き込むと、そこにあったのは、アイテムと魔物使役の項目。それから虹貨300の数字。
増えた方の項目を試しに選択すると、出て来たのは、見覚えのある奴等。
《現在使役可能な個体》
《
・E級
ゴブリンコマンダー
ミルカルグオン×5
ディルン×30
マグディルン×1
》
一緒に出ている注意書きによると、E級は虹貨1枚で100体まで使役可能で、端数は切り捨てとなるらしい。
つまり、現在使役可能な37体を虹貨1枚で使役すると、残りの63体分はパァになると言う事である。
これは今やるのは損だな。
と言うか、おそらくだがイルカ達の名前がディルンだと言うのを今初めて知ったぞ。
ともあれ、ちょうどE級使役にも手が届きそうだし、それこそ今後DとかCとかが仲間に出来そうな時にやるのが良いだろう。
そんな機会そうそう訪れるとも思えんが。
改めてアイテムの項目を選択する。
ソート機能でおすすめを選出し、?の多い名工の作成提案? とやらを見て行く。
表示されるそれらと、虹貨の数や素材を色々考えたが、どうも幾つもの工房の方で連携し、それらの試算をしてくれていたみたいで、直ぐにちょうど良い物は見つかった。
先ずは、バンムオンの余った素材全てを錬磨して作ってくれる、左腕の腕甲だ。
工程は分からないが、多分鋼魂錬磨法とか水纏錬磨法とかを使って、素材の質を高めたりして作ってくれるんだろう。
効果は、強靭なシールドの発生で、値段は虹貨20枚。200万DPの代物である。
続けて、ガドライアとその番の余り素材を錬磨して作ってくれる、ガンドライアスの模倣大盾2個。
今の所ガンドライアスの威力確認がまだだが、作っておいて損のある物では無いだろう。
1個虹貨10枚で仕上げてくれるらしく、2個で20枚、200万DPである。
次に、グランサージの素材。
先ずは、グランサージの剣鋏と魔石を用いて作る、グランサージの剣。
それに加えて、剣鋏の余りでペインナイフを錬磨してくれる様で、グランサージのナイフ。
おまけに、グランサージの甲殻をその他の蟹達の魔石100個で錬磨してくれるらしき、グランサージの鎧。
これら全てを、合わせて虹貨50枚、500万DPで仕上げてくれる。
そして次が、グランクスの素材。
鋏8対と魔石で剣を8本。甲殻8個とその他蟹の魔石全てで鎧を8個。
合計16品を、1つ虹貨10枚、合計160枚、DPにして1,600万の大買い物である。
1個100万の代物なので、期待は大きい。
最後が、余った虹貨50枚を使う500万の代物。
何かに使えるんじゃないかと残していたアーマーボアの甲殻全てを錬磨して作ってくれる、ドール用の鎧500個だ。
1つ1万DPと、他の装備からしてみれば安いが、冷静に考えるとルー先生100枚の代物なので、その分の期待は出来る。
これで、ほぼ在庫も虹貨もすっからかん。
色んな意味でありがたい作成提案であった。
……これ、作ってくれるの神に近い人達なんじゃねぇかな。
少なくとも、バンムオンの右腕と魔石であんな武器をまともな方法で作れるとは思えない。
まぁ、何はともあれ……ナイフは早く仕上げてくれるらしいが、しばらくはマナキャスターとサーペンタインで訓練と言う事になるだろう。
さぁて、海鮮食うぞーと振り返ると、そこには——白い大きな鎧がいた。
面帽から覗く青い光が、此方をじっと見つめて……なんか前もそうだったな。




