第3話 次へ進もう
第三位階上位
それじゃあ早速、次の探索場所を決めよう。
それに際して、コアの更なる報告を聞きつつ、砦にも墓を建立して行く。
所詮は俺が祈る用の墓だが、より良い物を作って行く気持ちで行こう。
『それでは次の探索場所ですが、地脈から得た情報を元に提案します』
「おう」
次はエリアボスのいない場所とかが良いなって。そんな淡い期待は、直ぐに打ち砕かれた。
『接触している3エリア、共に支配個体が存在している模様です』
「だよなぁ」
今までの2エリアでそうだったんだから、コレからもずっとそうなのだろう。
それは致し方ないとして、問題はそれが攻略出来るレベルかどうかだ。
果たして——
『先ず北部湿地帯ですが……現時点の情報によると、想定ランクD級の亜竜が複数存在している可能性が高いです』
「やっば」
そりゃゴルボルズ達が草原の南にいた訳だわ。
そんなD級複数なんて笑えない話は無い。
もし北部に行くなら、相応の備えが必要になるだろう。
『詳細は不明ですが、北部湿地帯には更なる強者、下手をしたらC級に到達する程のエリアボスがいる可能性があります』
「流石に無理だな。パス」
C級なんてバンムオンだ。
あの脅威は、ゴルボルズを倒した後であっても記憶に新しい。
今や右腕となったそれはしかし、俺の未熟故に持って数十秒の始末。
魔力は使えば増えるらしいし、このまま瞑想も続けて行きたい所である。
『では次は西ですが……此方はほんの少しの非支配エリアを経て山脈に差し掛かります。そこを仮称峡谷エリアと呼びますが、そこにはなんらかの鳥型D級相当エリアボスが存在している可能性が高いです』
「鳥型か……」
飛行系のD級となると、正直手が出せない。
まともに攻撃を当てられるかと言うと全然だろうし、敵からしてみれば制空権を持っているに等しいから狙いたい放題。
まともに戦えるとは到底思えない。
「悔しいがパスだな」
『でしょうね』
そりゃあな。未来の自分に託すしかあるまい。
もしくは……。
「……一点特化させるのも考えないと行けない、か」
『……そうですね』
今までは配下全員を満遍なく強化して獲得DPをとにかく増やそうと努めて来たが、今は配下の中でも何体かをピックアップして強化するべき時なのかもしれない。
その分だけ、命の優先順位が付く事になるが……それを恐れて大局を見誤っては、それこそ大事だ。
コレもまた、やるべき時が来た、と言う事なのだろう。
……第一、ゲルコア100体だけ進化の時点で命の取捨選択はしていた様な物だし、戦いの結果だけでなく、選択の結果で生じる十字架も背負う時が来たのだ。
『もし必要とあれば、大量に保存しているサジェカントの魔石を捕食させる事で、素早く進化を促す事が出来るでしょう』
「捕食出来ないタイプの奴等はどうする?」
『武器の加工方法、水纏錬磨法を試してみようかと思います。本来火を通し難い武器を強化する方法ですが、一定の効果はあるかと』
「……具体的な方法は?」
『武器と砕いた魔石等を、魔力を遮断する専用のケースに水と共に入れて漬ける錬磨法ですね』
「そうか」
……ま、確かに、水中でも大丈夫だろうけどさ、なんか怪しい実験とか水責めとかに見えないかな。
『一点特化を実行しますか? する場合は、私がピックアップした候補に実行する事となる他、少々の準備に5DP程の投資が必要です』
「うーん、実行」
『実行します』
せざるを得ないんだ、すまない水責めされる皆と過食させられる皆。
『数日以内に効果が出る物と思われます。最後のエリアの説明をしても?』
「おう、頼む」
中断していたエリア説明を再開して貰う。
どのみち最後、そこに行くしかあるまいが、果たして——
『最後のエリアは、海岸エリアです。マスターも見えていたでしょうが、勇猛大平原から僅かな緩衝地帯となる平原を経て、直ぐに海岸エリアに繋がります』
確かに、平原から海岸に土地が繋がってるのは見えていた。何なら袋小路の森防壁からも海は見えるし海岸もバッチリ見えている。
何処から何処までがどのエリアなんだろうと思ったが、やっぱり何処も僅かに緩衝地帯が存在しているらしい。
『私はその海岸エリアを『白波海岸』と命名します』
「うむ」
確かに、そこは真っ白な海岸だった。
『地脈から得た情報によると、海岸は主に東、中央、西の3エリアに分割可能で、エリアボスの支配領域は主に東側である事が分かっています』
「ふむ」
『件のエリアボスは、蟹型のD級相当です』
「蟹型か」
蟹もなぁ……美味いけど虫とさして変わらん見た目だからなぁ。美味いけど。
それにD級って事はデカいんだろうなぁ……いや、鳥みたいに小さいけど強いパターンもあるかもしれないが。
『東エリア、西エリア共に岩場となっており、最も広い中央エリアが白い砂浜です』
「それ以外の脅威は?」
『蟹以外にコレと言った脅威は存在していない為、攻略するにはうってつけのエリアかと』
「よし」
それならば、道は決まった。
「次の目標は『白波海岸』。その為の攻略会議を始めるぞ」
『マスターの仰せのままに』




