第21話 トモに宴を
第三位階中位
この世界に降り立ち17日目にして、ようやくの安堵だ。
エリアボスを被害無く倒した。
それにスクロールの威力も再確認出来た。
やっぱり、おかしかったのはバンムオンなのだ。
と言うか、正確には、無数のスクロールを一気に放った事で、幾らかの相反する属性、水と炎とかが対消滅を起こしたり、他の攻撃の邪魔になってしまったのでは無いかと言うのがコアの見解だ。
今回の勝利は、前回の失敗と犠牲があったからこそもぎとれた勝利。
コレを祝わずして、何が死んでいった者達への祈りになるだろうか?
俺達は、ゴルボルズの首級を持ち、その肉を切り分け、ゴブリンも含めて盛大に宴をする事とした。
◇
ゴルボルズは、討伐の為にスクロールを5000P分買った為、収支的にはプラマイ0程度に収まった。
使ってないスクロールが4000P分あるので蓄財と言う意味では収支プラスである。
ゴルボルズの肉はコアに調理して貰い、他の猟果や魚、酒も出して、盛大に勝利を祝う。
豆を食いたい奴もいるだろうから豆も出した。
『マスター、せっかくですので幾つか機能を追加する事を提案します』
「お、確かに」
ジェリー系やペルタ系のおかげで、DPには余裕がある。
エリアボス2体の内一体を倒したこの機に、2体目に備えて、此方側のアップデートをしておいた方が良いだろう。
「何を追加しようか」
とは言え、機能の追加となるとコアの言う通りが良い筈だ。
少なくとも素人案では無い。
『では、ゴブリン達にも指示を出せる様に念話機能を1万DPで追加するのが良いかと』
「OK」
配下以外への連絡手段だな。
確かに、ゴブリンとか戦闘時困るだろうし。
投石の指示が出せるだけでも随分話が変わって来る。
最近は担い手のゴブリンが俺の真似をして訓練をしてるし、戦士達もそれを真似て訓練をし始めているから、その正しいやり方を教えられるのもデカい。
『続けまして、魔物使役機能の取得を提案します』
「ほう?」
……そんな機能あんのか。
『低ランクの従属化機能から順に取得する必要がある為、現在はH、G、F級までの使役機能の解放が可能です。消費DPは11万と1,000Pです』
「んーまぁ、解放しとこうか」
念話要らなかった疑惑が出るが。
『より上位のテイミング機能を解放する事で、それより下位の生物を使役下におきやすくなります』
「成る程」
『また、ゴブリン480体の使役にはおよそ5万Pです』
「テイムで」
抵抗されるかね。
『長老以外の全てのゴブリンに神の加護を与えました』
「神の加護ね」
言い得て妙だな。ていうか長老以外?
『長老個体のみE級なので、現在の権限では使役下におけない旨を通達しました』
「成る程?」
チラッと長老、ベランを見ると、彼はにこりと微笑んだ。
分かってる奴の顔だ。流石は年の功か。
コレで、ゴブリン達は名実共に俺達の仲間になった。
天の声を聞き神の加護を得て、元気いっぱいに喜ぶゴブリン達と、その日は盛大に祝った。




