第12話 武器を作ろう
第三位階中位
未来に希望を持てる素晴らしい報告を聞き、槍を振り回してカンカンと鳴らしているチェス兵団を見ながら飯を食った。
『本日の各調査で得た情報から、北部及び支配領域外の外周部を先に支配する事を提案します。北部の支配だと42,700P。その他を含めると70,700P必要となる他、吸収量の増加には合計で5,600P必要となります』
「支配は妥当。ポイントは全然足りないな」
吸収量は不労所得だから直ぐに上げておきたいし、必要なDPは7万と6千少々。
1日のDP獲得量は……。
『16,358Pです』
「ふむ」
『単純に計算すれば5日です』
「成る程」
『敵の襲撃数や此方の進化数次第では3〜4日まで縮める事が出来るかと』
「そうか」
するってぇと……襲撃は安定的な収入じゃないもんで、進化の方をどうにかしろって事かい?
……まぁ妥当。
『差し当たり、用途のない素材の消費を提案します。鼠、兎、蛇の革素材は、アナライズ機能による精密検査の結果特別な性質を持たない事が判明したので、細かく切り刻んでペルタに与える事を提案します』
「実行で」
『裁断はウッドワーカー達にやらせましょう』
「指示は頼んだ」
『承りました』
これで進化が少しは早まるだろう。
経験上即日って事はないだろうし、明日の分も何か考えとかないといけないだろうが。
「……あとポーションも、幾らか投入しよう」
『では初級の残り全てと、下級を50程度入れておきましょう』
後はそうだな……現状で出来る事はやってる、か?
『それからマスター。何かに利用できるかと思われるのでお耳に入れて欲しい事が一つあります』
「聞こう」
何だろうな、コアの雰囲気的に然程重要じゃ無さそうな感じだが。
『今朝から鬼子幽淵前に仮設置したゲララッハの工房で、ゴブリンの長老がおそらく鍛治と思われる作業を行なっています』
「ふむ?」
◇
カンッ、カンッと透き通った音が響く。
鎚が振り下ろされる度、赤熱した鋼は徐々にその形を変えて行った。
生じた酸化鉄だかなんだかを、水に浸けた鎚で叩く事で吹き飛ばす。
ジュワッと響く音は気持ち良いが、熱がやべぇ。
やっとこと言うらしいデカイ高枝切り鋏みたいなので鋼を火に焚べ、コアの合図で鋼を赤くしてから再度鎚を振るった。
なんでも、千なんとか度とかに上げるのは精錬の時だけで、その時は赤じゃなくて白になるとか。
んで白まで上げちゃうと成形し辛かったりするとかなんとかかんとか。
暫く鋼を打ち、イメージ通りの形にした所で、水にぶち込んだ。
コアの合図頼りな急冷と言う工程を挟んで、暫し置く。
「ふぁ……」
一息付いた。暑いやら慣れてないやらでとにかく疲れる。
ぐっと体を伸ばし、辺りを見る。
「……」
長老は最初からずっと穴が開く程見ていたが、担い手含む多数のゴブリンもいつの間にか工房を覗き込んでいた。
興味津々だな。
とは言え説明する言葉を持たないので、特にアクションを起こす事は無い。
休憩がてらポーションをちびちびキメて、左手でナイフを回して見る。
慣れてる右手は適当にペインナイフを振り回させておいて、意識はずっとサーペンタインだ。剣身が針と言うか箸だから指切らない所が良い点である。
そこそこの時間ブンブンやってリフレッシュした後、焼き入れなる工程に移った。
急冷により硬化した金属に粘りを持たせて強度を増すらしい。
火に焚べて少し。コアの合図で取り出して、自然冷却する。
これで冷めたら一応完成だ。
なんか峰だったか芯だったかを別の粘り強い鋼にすると良いとからしいが、一回目はこんなもんで良いだろう。
冷めるまでさっきより時間が掛かるし、今度は軽く瞑想する事とする。
◇
コアの呼び掛けで意識を戻し、左右で同じ様に瞑想していた長老と担い手を置いて状態を見に行く。
他のゴブリン達は飽きたのかいなくなっていたが、長老と担い手はバカ真面目らしいな。
俺が動いた事に直ぐ気付いた2人は、俺の後に付いてくる。
それに構わず、冷ましたそれを手に取った。
「……うぅむ」
ペインナイフと同じ大振りなナイフ。
一応ここから研ぎの工程が入って刃が出来る訳だが……。
軽く回してみる。
「少し……」
重心が異なる。俺程度で分かるんだから、相当違うだろう。
なかごとか言うらしい持ち手から剣身を見ると、短いながら少し歪んでいるのが分かる。
なんだったら剣身自体に目視出来るくらいの凹凸が……ちょっとだけある。
「……どうだ?」
『目標物との差異を忌憚なく採点するならば18点。ここから磨いても30点に及びません。精々使い捨て武器ですね』
「だろうな」
俺もコレには命預けられないわ。
そもそもが地表に転がってた鉱石を掻き集めたもん……いやまぁ、コアに精錬してインゴットにして貰ってるから何の言い訳にもならんが。
『鍛治による武具創造はこんな所でしょう。方法を提示出来ましたから、ここまでで良いかと思われますが?』
「……もうちょっと良いのを作れる様になっておきたい所だ」
『これなら鋳造の方が良いですからね』
手厳しい。それじゃあ型注文して溶かしたインゴット流し込むだけで終わっちまうよ。
……なんだったらコアが迷宮の床とか削って型作ってそこに流し込んで冷めたら回収するだけで十分だ。
まともなナイフを打てる様になりたい。
差し当たり、暇そうに座っていたチェスの群れにナイフを渡した。
わらわらと集まって来たそれらは、思い思いにナイフに触れる。
コアの指示を受け、集団で金属変形をさせているのだ。
これで、俺の四捨五入して20点の作品が100点に変わる。
果たして、完成したナイフを持ち上げた。
控えめに言って『てこぽこ』だった側面は綺麗になり、歪みは整えられて真っ直ぐに。刃に指を這わせると、プツと白い線が走り、小さな血の雫が浮き上がった。
後は予め作ってあった木製の柄に差し込み、チェス兵達に変形させて貰って外れなくして、完成。
「……これ、最初からチェス兵にやって貰った方が良いよな」
『より高次の武具を作ろうとするならば変形しか出来ないチェス兵よりもマスターが手ずから鍛え上げた方が良いでしょう』
そんなもんか。
横から覗き込んでいた長老に、出来たナイフを渡す。
長老は目を見開き、その刃をじっと見る。
何か口を開きかけた刹那、真横で奇声が響いた。
「ゲラッ! ギィギィンッ!!」
「なんて?」
『ゲラが新しい武器を作ったと言っています』
すると忽ち外を彷徨いていたゴブリン達が集まって来る。
「ギィギィンッ!?」
「ギィ!」
「ギィン!? ギィ!?」
長老は何か言いたげな口を閉じ、キラキラした目でナイフを見る担い手にそれを渡した。
「ゲラッ! ギィギィンッ!!」
抜き身のナイフを持って外に駆け出した担い手を見送り、場所を空ける。
わざわざ210P払って鉄を10t追加で確保しインゴットに精錬した。埋蔵していた石炭も、1Pで十分な量確保した。まだまだ素材はあるのだ。
初級ポーションを並べ、インゴットを積み上げ、石炭を転がす。
さぁ、ゴブ爺。好きなだけ鍛治の練習をしようぜっ!
《12日目》
【出費】
ユレイド畑 500P
増殖用鉄のインゴット10t 210P
鍛治用鉄のインゴット10t 210P
石炭1t 1P
活心 1P
生体解析 10,000P
合計:10,922P
【収入】
地脈吸収 1,400P
生産量 14,380P
ゴブリン生産量 49P
子熊生産量 0P
その他生産量 455P
その他 64P
小虫×30 3P
合計:16,351P
所持DP:25,120P
【所持アイテム】
木材(大)
木材(小)
ゴーレムの土塊
熊?の牙×131
熊?の爪×131
熊?の毛皮×131
熊?の骨×131
熊?の魔石×131
熊?(大)の牙×5
熊?(大)の爪×5
熊?(大)の毛皮×5
熊?(大)の骨×5
熊?(大)の魔石
バンムオンの牙
バンムオンの左腕
バンムオンの骨
バンムオンの壊れた甲殻 ×10
猪?の牙×422
猪?の毛皮×211
猪?の骨×211
猪?の大甲殻×844
猪?の甲殻×2,321
猪?の魔石×211
猪?(大)の牙×8
猪?(大)の毛皮×4
猪?(大)の骨×4
猪?(大)の大甲殻×16
猪?(大)の甲殻×44
猪?(大)の魔石×2
巨猪?の牙×2
巨猪?の毛皮
巨猪?の骨
巨猪?の大甲殻×4
巨猪?の甲殻×11
猪主?の牙×2
猪主?の傷痕毛皮
猪主?の骨
猪主?の甲殻×8
猪主?の壊れた甲殻×3
鹿?の角×48
鹿?の毛皮×22
鹿?の魔石×22
蛇?(大)の皮×18
サジェカント(卵)の魔石 ×180,000
サジェカント(蛹)の魔石 ×100,000
サジェカントの魔石×203,658
サジェカント(大)の魔石×114,249
魚?肉×1,432
蜂?蜜×180
中級ポーション×270
下級ポーション×150
空の小瓶×450
薬草?
バド・アードの実×620
調理済み熊肉×2
調理済み大熊肉×27
調理済み大猪肉×30
調理済み猪肉×9
調理済み蛇肉×9
調理済み兎肉×9
調理済み熊主肉×39
パーティー料理×44
ポーション配合子熊用乳飲料×3
魔鋼 990k
火破石×9
水破石×9
風破石×9
土破石×9
使用済みルーセントソード×96
ルーセントソード×6
使用済みピットドロップ×10
使用済みファイアーボール×100
使用済みウインドカッター×100
使用済みストーンシュート×100
使用済みウォーターストリーム×100
使用済みシャイニーレイ×100
使用済みマナアーマー×2
木工工具×61
石工工具
制服一式
マナキャスター
ペインナイフ
サーペンタイン
金属の確保が容易である為チェス兵の増殖もまた容易です。
現時点でもゴブリンの兵士団よりは高い戦力ですし、マスターならばいざその時が来たら出し惜しむ事はないでしょう。
【兵力】
《?級》
バド・ユレイドの種×2,450
プチモームの卵×500
《H級》
ジェリー×951,200
ペルタ×2,220,930
ピッド×3,015
チッピ×101
プチモーム×500
プチモルム×500
バド・ユレイド×1,000
ピグマリオン×492
チェス・ミニマムポーン(白)×10,001
チェス・ミニマムポーン(黒)×10,001
シャドーウォーカー×1,000
《G級》
ゲル×226,800
グミ×97,800
プチスライム×25,400
ペペルタ×679,336
グァーム×75,804
ピルンド×5,717
ノルメリオ×1,279
プチモースー×300
バド・アード×1,070
ユレイド×30
ウッドワーカー×494
シャドーハイカー×3,881
《F級》
スライム
ビックモーム
ユガレイド
アレイ・イール
ノルメリオ・ガウル
マリオネット
シャドーシーカー
《E級》
マスター
《その他》
ゴブリン?×481
子熊×2




