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第18話 地底湖確保

第三位階中位

 



 短剣を振り、暇潰しに投げてキャッチ等してみて、瞑想して治療する。


 そうこうやってる内に、タスクの一つが片付いたらしい。



『地底湖の殲滅が完了しました!』



 突然ウキウキし出したぞコイツ。コレは何かあるな?



『有害バクテリアは完全に消滅。回収した塵は全てジェリーに食べさせました』

「わー便利」

『早速整備に移ろうと思います。およそ1,000DP程度あれば良いかと』

「良きに計らえ」



 ウッキウキで整備を行うコア。


 コレでペルタの住居が大幅に拡張された訳だ。収容数がどれ程か分からないが、有性生殖を始めたペルタ達の増殖スピードはこれからぐんぐん上がっていくだろうから実にありがたい事だ。

 ……今朝なんて新たに18,000増えて、合計で39,000だ。増えるワカメもびっくりの増殖スピードである。


 ペルタ池の方が光り、新たに通路が発生した。


 脇に小さな水路が続いており、この道はおそらく既に地底湖に繋がっている。



『それとマスター、もう一つ報告があります!』

「キコウカ」

『なんと、ピグマリオンが進化しました!』

「ソリャメデテェ」



 バクテリアを倒して経験値的な何かを得たのか? やったな。ウッドワーカーだろ?



『種族はカースドピグマリオン。G級の魔物です』

「ほう……カースド?」

『その最大の特徴は……』

「ゴクリ……」

『魔法が使える事です!』

「ナンダ……はぁっ!?」



 まほ、魔法!? 魔法を使えるつった?



「……まじで?」

『なんたってカースドですから』

「いやカースドって……カースド、呪いか……」



 呪いの人形なら確かに魔法使えそうだな。歩いたり髪の毛伸びたりしそう。いや歩きはしてるが。デフォで。



『現在使える魔法は、『木工修復ウッドワーク・リペア』と『ブラック・ミスト』です』

「まじか」



 ブラックミスト代が浮くな。それに木工修復ウッドワーク・リペアが使えるなら兵士達の回復も早まる。



『ただし、前者は己か接触している部分のみ作用。後者はシャドーハイカー程度の大きさの霧しか発生させられません』

「ほう」



 木工修復ウッドワーク・リペアはそんなもんかで良いとして、ブラックミストは……そもそも魔法符スクロール自体見てないからなぁ。どんなもんか分からん。



『ブラックミストは常態ならば半径4メートルを覆う黒い霧を出します。それと比較してカースドピグマリオンが使えるブラックミストはちょうど十分の一程度の出力だと言えるでしょう』

「じゃあ十体で使えば大体同じ程度の力を発揮するって訳だ」



 ピグマリオン程度の身体能力に加えて魔法が使えるならまぁまぁの拾い物だな。



「カースドピグマリオンへ進化させる方法は?」

『長期間の瞑想と魔法を受ける事、またアイテム等で魔法を使う事が条件になってくるかと思われます』

「長期間の瞑想……」



 剣持ってなかった奴はずっと瞑想してたのか。


 確かに、皆が皆ウォーカーやハイカー達みたいに俺の真似をしようとするなら、瞑想ぐらいしかやれる事は無かっただろうしな。



「じゃあ今からピグマリオン達に瞑想して貰ったら、どのくらいでカースドに進化出来る?」

『剣持ちのピグマリオンは既に剣の経験を蓄積させている為、魔法への転換には余計な時間を取られる物と思われます』

「新しく生成した個体にやらせた方が良いって事か」

『新しい個体を育成する場合は……環境にもよりますがおよそ5日から10日程度掛かるかと』



 そりゃまた結構な差だな。



魔法符スクロールを積極的に使わせる。瞑想の魔力の流れを見せる。アイテムを介さない魔法の発動を見せる等を行う事で早く進化出来る様になる物と予測されます』

「取り敢えずやってみろって事だな。ピグマリオン500体を生成してくれ」

『承りました』



 魔法兵として育てるんだ。





 500体が剣を振るい、500体が座禅を組む。


 その間に俺は地底湖の方を見に行った。


 長い通路を越えた先には、広い湖があった。



 整備されている為天井は高く。水面は鏡の様に微動だにしない。

 その広大な湖には何者の影も無く、その周辺に点在する浅瀬や畔にも動く影は……あるぇ?



「わふぅ、わふん♪」

「お前、なんでいんのぉ?」

『ピグマリオンの話をしている内に飛び込んで行きました』



 浅瀬でペシペシと水遊びをしているノルメリオがいた。

 取り敢えず拾う。壁と同化する様にそれを見ていたカースドピグマリオンも拾う。



「ふむ……なんかコイツ、フォルムが女性的じゃない?」



 拾ったそれは、ただの木偶人形なピグマリオンと比べて女性的な形状をしていた。

 敢えて言うならスマートな体型で少し胸部に膨らみがある。マネキン。



『信仰により男性よりも女性の方が優れた魔法力を持ちます。上位者から見れば誤差程度ですが、確かな差ではあります』

「へぇ、男の方が能力的に劣ってるのか?」

『男性は女性よりも身体性能の強化に演算力が割かれています。総合的な魔力量は大した差がありませんが、事魔法の習得と言う面では女性の方が優れています』

「ふーん」



 そうか。なら剣士とかにするなら男の方が良くて、魔法使いにするなら女の方が良い。って事は俺が瞑想取得に時間が掛かったのってそこら辺の補正があったからじゃね?


 じゃあ配下達もそこら辺注意して見た方が良いのでは?

 ピグマリオンは……性別ないだろ。影も木も無いだろ。ペルタはなんか両性っぽいし……。



『……因みにですが現在生成可能な魔物達に定まった性別は設定されていません。様々な環境や状況に対応出来る様に両性としてメイキングされています』

「はぁー? まじか」



 流石神。そう言う事も出来るんだな。


 それにしても両性か……それってあれじゃね? 武術も魔術も両方出来るみたいな。



「闇と光が合わさって最強に見えるみたいな」

『通常ならばそれも可能でしょうが、H級やG級の魔物に所謂完璧な力と言う物を実現出来るほどの容量はありません。仮に十分な容量があれば、性別は超越されて真に神の領域に立ちます』

「となると、両性の利点は多様性だけか」

『対応力とも言えますね』



 まぁ、武術にも魔術にも転じられる地盤があるってだけで十分だよな。

 それにあくまでも適性の統計がそうと言うだけで、個体毎の差は存在する筈だ……それが行き過ぎたのが特異個体という奴だろう。



『本来神や精霊と言った存在に性別はありません。なので性別を定める事は退化かと思われるかもしれません。しかし、性別を得ると言う事でもあります』

「神や精霊には無限の道を行くだけのキャパシティがあって、それ以外は道を一本化する事が最善ってこったな」



 魔法剣士は器用貧乏だけど極めると凄いみたいな。


 得手不得手が分かればその道に進ませてやりたい所だが、まぁそこら辺はコアと要相談だ。



『早速ペルタを地底湖に移しましょう』

「……思ったんだけど、許容量的に今すぐ整備しなくてもよかったのでは?」

『ペルタは生態として、十分な餌と十分な行動範囲がある場所でより多く増えようとします。有性生殖を始め、1回目の実験的産卵を終えた今、地底湖に場を移し適当な餌を与えれば爆発的に増加します』

「ほうほう」



 となるとアレか? バド・ユレイドとかも畑の範囲を広めて一体一体の距離を離せばより早く進化したり実を付けたりするんじゃないか?


 ……つまり無いのは土地か……餌も無いし、DPも無い。無い無い尽くしだな。



「……コレは、蟻狩り早めるか?」

『早めましょう』



 早めるか。



 

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