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第8話 次へ

第四位階下位

 



 ナイフからオーラが霧散した。


 勢い余って数歩進み、バシャンと小川に膝を付く。



「はぁ、はぁ、くっ……」



 呼吸する毎に体が痛む。


 幾ら硬化と痛撃耐性があっても、刺々しい急斜面を滑落するのはやばかったらしい。


 振り向くと、そこには沈黙するクァォン・ゲンギュの遺骸。



「勝ち、か……」



 どうだろう、確認する術は無い。


 首が無くても生きているかもしれない。


 そんな万万一に備えてクァォン・ゲンギュを見下ろしていると、皆が降りて来た。


 クロなどは勢い良く俺に飛び掛かり、備えに持っていたポーションをぶっ掛けて来る。

 体の痛みは間も無く引いた。



 よくクロにポーションを掛けて貰うなぁ。



 そんな感想を抱きつつも、クロの懐から取り出されたコアを見下ろす。



『クァォン・ゲンギュの沈黙を確認……また、無茶をしましたね』

「万一飛ばれたらと思ってな」



 あの瞬間、待つと言う手も十分考えられたが、全員と位置が離れ過ぎていた。

 万が一、クァォン・ゲンギュの翼がまだ無事だったら、緑のオーラを纏って逃亡されていたかもしれない。


 最悪を想定したら、動かざるを得なかった。


 まぁ、ともあれ、勝った様だな。



『何はともあれ、お疲れ様でした』

「おう」



 コアの労いを受けて、俺は立ち上がる。


 さぁ、後は帰ってこの地の支配を進めるだけ。



 俺はぐっと背伸びをし、夜が明け始めた白い空を仰いだ。





 程良く走って第3拠点に帰還する。


 その頃には燦々と太陽が登り、33日目の朝を迎えていた。



「コア、支配を進めよう」

『承りました、『夜鳴きの峡谷』全域及び北部、南西部山岳の支配には、およそ10万DP程度あれば十分です』

「実行だ」

『完了しました』



 これで、当座の脅威は去った


 エリアが接触してから13日と言う最長の期間だったが、その代償を払ったのは……ウェンティ達。


 もう何年も前から戦って来たと言っていたが、それでも、これもまた背負うべき十字架だろう。



『磔にされた各種亡骸は、スライム達の進化の糧にしましょう』

「あぁ」



 既にそこに魂は無いかもしれないが、せめて糧とするのが俺達なりの葬送だ。


 南無南無と俺は墓に手を合わせた。



『今回の戦いを経た事で、マスターは高等スキル『思考加速』を取得可能になりました。3,000DPです』

「取得で」



 説明が無くても分かる、あの加速感をコントロール出来る様になるって事だろう。


 今回もそれに助けられた、取らない理由が無い。



『続けて、現在137万DPまで溜まった為、蘇生枠の解放が可能です』

「実行だ」

『はい、完了しました』

「良し!」



 これで、万が一の時にも対応出来る。


 問題は、魂の確保が支配領域内限定で、支配領域外で死亡した場合は急いで遺体を支配領域内に持って来ないといけない点だ。

 つまり、探索中に万が一俺が死んだら、クロに頑張って貰う事になる


 まぁ、敵を迎え撃つ時は、残機1と言う感覚で良いだろう。あんまり死にたくは無いが。



 そうこうやってる内に、ウェンティ達が起きて来た。


 クァォン・ゲンギュの亡骸を見せ、交渉に入る。


 コアなら上手くやるだろう。

 そうと思っていると、不意に最初の子が俺の方にやって来た。


 彼女は自分の羽を一本抜くと、それを俺の髪に挿し入れる。

 うむうむと満足気の彼女に、何か分からんがその頭を撫でてやった。


 その後も長蛇の列を作ったウェンティ達に、羽を髪や服に挿し入れられ、都度頭を撫でて行く。


 何の会だこれ、握手会ならぬ羽刺し会か? そんな疑問は取り敢えず置いておいて、ウェンティ達への慰問? を済ませた。



『マスター、レッサーウェンティ100体及びミルカルグオン10体の使役には11万DPです』

「おう、実行」



 羽まみれになりながら頷くと、挿しこみの甘い羽が幾つか落ちたので拾う。そして拾う度に落ちる羽を拾う。

 これ、もう外して良いかな?



「……これってずっと付けてないとダメな奴か?」



 族長の証みたいな感じかね?



『親愛の証ですね。送る事が重要なので、いつ外しても問題ありません。私が預かっておきましょう』

「そうか、よろしく」



 まぁ、せっかく貰ったんだし捨てるのもな。



 さてさて、後は、勝利を記念した宴の準備だな。



「後は、宴の準備だが……」

『ホブゴブリン達やノルメリオ達への声掛けは完了しています。到着までは後数時間は掛かるでしょう』



 流石有能! だがやはり時間は掛かるか。



『第3拠点にもホブゴブリン用の住環境を整えるのに1万DPあれば十分です』

「取り敢えず実行」

『はい、完了しました』



 これで現状出来る事はやったな。


 後は宴を待つのみだ。





 昼から始まった宴と酒盛り。


 クァォン・ゲンギュの少ない肉を強者候補達に配り、それ以外をキョーキヨーの肉でお茶を濁し、今回もまた派手に行なった。


 早い時間からやったからか、酒に強いホブゴブリン達も酔い潰れ、夜には方々で寝息が聞こえていた。


 俺は起きているガラにひらりと手を振って、宴会場を抜け出す。


 今夜も今夜とて訓練だが、同時に一つやっておきたい事があった。

 もう直ぐ夜も明けるし、時間的には丁度良いだろう。


 疾駆や耐久走の訓練がてら、峡谷を駆け抜ける。


 程なくして、空が白み始めた頃、支配領域の西の最果てに到着した。



 やっておきたい事とは、そう。敵情視察だ。



 果たして、そこにはどんな世界が広がっているのか。



 見えて来たのは、平原。それから幾らかの森に、山。

 夜明けの朝陽が差し込む中、遠い南西側の山に、それは見えた。



「……あれ、街じゃないか……?」

『ふむ?』



 

 



名前:Unknown

性別:男

年齢:Unknown

神霊階梯:第四位階下位

神霊数値:【32】

技能力:


『短剣術』

『体術』

『射撃』

『照準』


『魔力限界増加(小)』

『瞑想』

『魔力感知』

『魔力操作』

『操気法』


『思考明瞭』

『思考加速(NEW)』

『隠密』

『回避』

『疾駆』

『耐久走』

『立体機動』

『跳躍』

『怪力』

『硬化』

『治癒力向上』


『木工』

『石工』


『毒耐性』

『痛撃耐性』

『精神耐性』


『???の瞳』

『ーー神の加護』




◇◇◇Next stage◇◇◇



◇◆◇大・平・原◇◆◇



 

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