表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大日本帝国産業本社52期同期21名、パニックになる  作者: 江古左だり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/13

(8/13)防犯カメラだって!?

 仕事が残業になった。

 夜の8時ともなれば社内もまばらだ。なんとか仕事の目処もつき9時には社を後にしようと思っていた。


「あ! 中原さん!」と声がした。振り向いたらミツヒコ。


 あんた、今、周りに誰もいないのに「中原さん」って言った?


 自然とにらみつけていた。「残業なの? ミツヒコ」


「参ったよ〜。立て込んじゃってさ〜」ミツヒコはニコニコしている。どんな時でも彼は不機嫌になったり声を荒げたりしないのだ(中原のせいでメッッッッチャクチャになった一泊旅行のときをのぞく)


「中原さん(また言った!)お疲れさま。コーンスープ奢ってあげるよ。小腹すいたでしょ?」


『コーンスープ大好き』と思うと自然に気も緩み自販機コーナーまでついて行ってしまった。


 自販機についたとたんやおら抱きしめられた。そのまま口をミツヒコの唇で塞がれてしまう。


「ん……」というとしばらくそのままだった。


 身体を離されたと思ったら『ガシャッ』と音がした。


「はい。コーンスープ」


 ああもう。ドキドキする。コーンスープが手のひらに温かい。


 ドキドキが収まらないまま「なに急に……」と言うとミツヒコがあっけらかんと「あ! この会社ここだけ防犯カメラがないんだよね!」と言った。


 防犯カメラ〜〜〜〜〜!?


「この会社すごいんだよね。防犯カメラ。ほら、あそこにも(指差した)あそこにも(別のところ指差した)あそこにも(わりと遠くを指差した)あるでしょ。24時間監視されてる気分になるよね」


『ふっふっふっふ〜』とミツヒコが笑う。


「でもここだけ死角になるんだよねー。犯罪するならここだよ」


 はぁ〜〜〜〜!?


 アンタまさか会社中の『防犯カメラ』の位置知ってんじゃないでしょうね〜〜〜!?


 いやありうる! こいつなら『社内の防犯カメラの位置』ぐらい把握してる! 何のためにだ! なんの趣味なんだそれ!!!


 もう気がつきすぎる! 気が利きすぎる! どうかしている!!


 中原紗莉菜はたった今『防犯カメラ』の存在を知った。入社3年。ただの一度も『防犯カメラ』なんて考えたことはなかった。

【次回】『お前は馬鹿だ、賢すぎて馬鹿だ』です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 防犯カメラ(*´ω`*) 気になりますw 駅前歩いてると「あ、あるな~」って感じですよね。後ろめたいモノが無くても、お巡りさんに見られてるような気分になります。抑止力ですね~。 会社はオフ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ