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庵字の秘密基地  作者: 庵字
スーパー戦隊最大の異端児『未来戦隊タイムレンジャー』
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6.メンテナンスフリーの巨大ロボ

 戦隊の中には、巨大ロボが自我を持つ半生物であったり、精霊的な存在であったりするため、「機械ではないのでそもそも整備が不要」という設定を持つ作品も多くありますが、タイムロボは純然たるメカニックです。それにも関わらず、タイムレンジャーは巨大ロボの整備や修理といった仕事からは完全に解放されていました。この答えも番組を見ればすぐに分かります。タイムロボは物語の舞台となっている20世紀には置いていないからです。

(ボルテックバズーカの活躍むなしく)ロンダーズ囚人が巨大化すると、それを鎮圧するため、ナビゲーターロボのタックから時空通信によって、30世紀の時間保護局にタイムロボの発進要請が出されます。それが受理されると、タイムロボは時間を超えた30世紀からタイムワープしてきて、戦闘が終われば勝手に30世紀に帰って行きます。つまり、整備や修理の類いは全て30世紀の時間保護局が行っているわけです。タイムレンジャー側にとって、タイムロボは完全なメンテナンスフリーなうえ、あれだけ巨大なものを格納しておく場所にも頭を悩ませることがない、まことに使い勝手の良い装備だといえるでしょう。

 ですが、このシステム、利点ばかりではありません。こちらの要請に応じて送られてくるということは、タイムロボ出撃の決定権は、あくまで向こうに握られているということになります。実際に、時間保護局のある人物の思惑により要請に応じてもらえず、タイムロボが召喚されずにタイムレンジャーが危機に陥るエピソードがありました。

 また、これはメタ的な考察になるのですが、この「ロボが時間保護局からの借り物」という設定は、パイロットと搭乗メカとの一体感を断絶してしまい、こういったロボット玩具を売る際の大きなアピールポイントである「俺の愛機」という機体への愛着が(タイムレンジャーに、引いては視聴者にも)希薄になったことは、玩具の売り上げ不振に響いてくる要因になってしまったのではないでしょうか。番組後半に登場した、タイムファイヤーのまさに相棒的ロボット「ブイレックスロボ」は好調な売り上げを記録したという話ですので、あながち見当外れの考察ではないのではと思います。

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