お試しで少々潜ってみよう!!
本日2話目
ダイジェスト風味でお届けいたします。
ルンベルドンにレイたちが住み着いて数日、今日はついに迷宮へ潜って見ることにした。
この都市にある迷宮は地下へ進むタイプのモノであり、いざとなればその階層にある小部屋にて「安全昇降口」を利用して地上へ帰還することが可能である。
今回が初挑戦でもあるので、1階層からの入り口から入るのだが・・・・・・。
「安全昇降口に通じる別の入り口とかはすごい行列だな・・・・・」
「まあ結構深い階層まで進んでいるようですしね」
「あそこまで深く潜れるでありますかな」
「日光がないのがちょっと不安」
『でも明るいですよねー』
中に潜って見ると、案外洞窟っぽい感じがするのにあたりは昼間のように明るい。
迷宮の謎というべきか、どの階層でも昼間のように明るいところが多いのだとか。昼間限定で、夜になったら普通に暗くなるそうだからこれで昼夜の判断を付けるべきとも言われている。
ただ、中には光すら灯らない真っ暗な階層もあるようなので、そのあたりは注意がいるだろう。
「でも、何でこんなふうに昼夜が分かるようになっているのでしょうか?」
「やっぱ迷宮だからじゃないか?」
迷宮内にも普通にモンスターが湧いており、地上よりもやや凶暴性が高いらしいとはいえ生き物である。
きちんと昼夜の判別を出来るようにして、健康状態を出来るだけよく保って入ってくる冒険者たちを襲わせるための目的とかが迷宮にあるのではないかという学説が一番有力なのだとか。
なお、このダンジョンにはボスモンスターというモンスターがいる階層が間隔ごとに決まっているようで、12、24、36・・・・と12の倍数の階層にそれぞれいるようである。
本日は12階層の最初のボスモンスターのその手前とか、倒せたら倒すという事を目標にした。
ちなみに、現在確認されているのは98階層以上という事であり、それ以上先の情報は現在調査中だとか。モンスターもやばいほど強くなっているそうだし、ボスモンスターも12階層のに比べて桁違いの強さだとかで先に進めないらしいな。
進むにつれてモンスターが湧いてきているけど、まだ浅い階層の奴らならば、このメンバーの敵ではない。
糸で吊り上げ、切り裂き罠にかけ。
木の根で締め上げ、養分として干からびさせ。
剣を振り回して細切れにし、蹄でぶっ飛ばし潰し。
歌を歌って皆の士気を向上させ、水魔法を少々利用して補助に回るなどと多彩に舞い。
俺自身も少々対抗心が出て、負けじと魔法で薙ぎ払ったり、某どろっどろの奴みたいに焼き払え!!とふざけて魔法で再現してみたりとやりたい放題、蹂躙し放題。
・・・・うん、過剰戦力って言葉の意味を今まさにまざまざと自らの目で見ているような気がする。
正直言って、早いとこ深い階層に行ったほうがいいかもしれん・・・・手ごたえがなくてつまらないというのもあるけど、周囲にいた他の冒険者たちが唖然としまくっているもん。
魔石や素材等はきっちりと回収し、収納魔法でどんどん貯めていくけどこれ後で絶対面倒ごとが起きそうだな・・・・。
快進撃というか、怒涛の勢いでどんどん進んでいつの間にか最初の難問とも言われる、12階層にいるというボスモンスターが、気がついたら同情するレベルで息絶えました。
「すんごいあっさりだったけど、戦力が過剰すぎたかな・・・・」
糸で動けなくされ、木の根で首を締め上げられ、蹄で腹を蹴飛ばされ、歌で眠気を誘われ、魔法で「ウォーター」で濡らした後に「サンダーランス」で感電させまくったからなぁ。
1階層あたりに大体1時間以内で突破しているので、現在潜って12時間ほどは経過している。
なので、明るかった階層が黄昏時ほどの暗さになりだしたので、慌てて安全昇降口の小部屋に俺たちは向かい、本日の迷宮初挑戦はなかなかやり過ぎた結果になった。
・・・この後ギルドに素材を売却したりするけど、ひと悶着起きそうな予感が辛い。
騒動に愛されるというのが物語の主人公なんですよ。




