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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
ルンベルドン生活
96/154

これ他人だったらアウトだろ

前回からの続きです

SIDE風呂場


・・・・まさかのハクロの風呂突撃により、レイは慌てて湯船につかりなおす。


「ハクロ!!いきなり何で風呂入ってくるんだよ!!」


 いつもなら別々の風呂だし、こんな一緒にというのはないはずだけど・・・・というか、スタイルが良いから見た目的に精神面からガリガリ削られてます。



「いいじゃないですかぁレイ様、ヒック」

「・・・ん?」


 何か様子がおかしいような・・・・頬が少し赤いし、足が少しふらついて酒の香りが・・・・酒の香り(・・・・)!?


「ハクロ、お前もしかして酔っぱらっているのか!?」

「いやいやいやいやいや、私がそう簡単にヒック、酔っぱらいませーんでーすよー」

「語るに落ちているぞ!!」



 まごうことなき、本当に酔っぱらっているんですけど。


 酔っぱらって思考能力が低下したがゆえに、一緒にふろをという選択をしたのか。まだちょっと理性があるからタオルで大事なところは隠しているけどさ。


「って、酒って確か持っていなかったはずだが・・・」


 今のレイの年齢は16歳であるので、未成年という認識があり酒を飲む気はない。

 

 他の使い魔のメンツはモンスターだから年齢制限とかは関係ないけど、酒とかは飲んでいないはずだ。


 お酒を買ってもいないし、バーベキュー時にもお酒はなかったはずだが・・・・何で酔っ払った?


 お茶か?蜘蛛ってお茶で酔っ払うからアラクネであるハクロもそれで酔ったのか?


 いや、でもそれだったら今までなっているだろうけど、見たことがないし・・・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDE使い魔(ハクロを除く一同)


「ん?」


 屋敷の中で、主君であるレイの入浴中に、自室の整理をしていたサクラはある物を見つけた。



 壁に違和感があり、ちょっと試しに押してみたり引いてみたりすると開き、中から金庫のような物が出てきたのである。


 鍵はついておらず、隠し収納箱のような感じがするが、中を覗いてみるとまだ中身がある謎の瓶が出てきた。


「ふむ・・・ラベルはジュース系でありますな」


 どれもアルコールの入っていないジュースの用だが、ちょっと一本ふたを開けてみて匂いを仰いで嗅いで見る。


「ワインでありますな。それも相当熟成された・・・」


 ラベル詐欺というか、熟成された質の良いワインのようである。


 しかし、なぜそれがジュースに偽装されて、しかも壁の中にあったのか・・・・・・




 実は、レイたちがこの屋敷を買う以前に住んでいた住人の仕業であった。


 その住人たちは冒険者として活動していた者たちであり、それぞれお酒が好きであった。


 だが、酒好きではないメンバーがいて、その人たちに見つからぬように酒をジュースに偽装し、わざわざ家をこっそり改造して各部屋に隠し収納庫を増設したのである。


 そして、なぜか長続きしない屋敷での暮らしで去る際に、その人たちは酒の存在を忘れていて、それから時間が経って熟成しまくったころに見つかったのだが・・・・・・




 その結果、サクラとは別室で整頓していて、同じように偶然発見したワインをラベルからジュースかなとハクロは思った。


 匂いを嗅ぎ、特に毒とかは無いようだと判断し(酒とはこの時思いついていなかった)、おいしいならレイにあげようかと考え、決して自分が飲みたいからではなく、安全性を確かめるためにちょっと試飲をして・・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDE風呂場


「エヘヘへ~レイ様の背中を流しますねぇ~」

「糸で縛って動けないようにするなよ!」


 現在、酔っぱらったハクロに零は強襲されているのであった。


 どうも酔っぱらったら普段の欲望というか、やりたいことを彼女は行動に積極的に表すタイプのようで、風呂場から上がって逃亡しようとしたところ、見事に糸で引っ張られて、背中を俺は洗われているのであった。


 いや、無理やり逃げようと思えば逃げられるけど、うかつにやれば酔っぱらっているハクロを傷つけかねないし、このまま放っておこうとそれはそれで問題だと思って仕方がなく従っているのである。


 というか、糸の拘束超強い。魔法耐性が高すぎて魔法でもブチ切れん。


 なのでしょうがなくおとなしく従っておくのが得策であろう。





ごしごしごしと洗われているけど・・・・あ、やべ。結構気持ち良い。


 程よい力加減というか、多分男性にとっては桃源郷のような状況になるのだろう。理性がすんごい勢いでガリガリガリっと大根おろしのように削られていくのを考慮に入れなければ。


 生殺しとはまさにこの事か。


「・・・ヒック、レイ様も成長してますよねー、昔はまだ小さな背中でしたが・・・」


 ハクロが酔っ払いながらも、ふとそうつぶやいた。



・・・・考えてみれば、ハクロは小さい時からの使い魔でもあり、一番長い付き合いでもあるのだ。


 レイ自身の成長の様子を傍で一番長く見ており、その変化を感じ取っているのである。



 そう思うと、なんとなく愛しくも思えるけど・・・・この状況が地できつい。


 精神的な面でかなりえぐい。



 アラクネだけど、ハクロってきれいな容姿だし、その優しさとか性格とかも昔から知っているし、背後から抱き付いてきているときって、そのでっかい果物が当たるんですが。



 と、しばらく身を任せているとピタッとハクロの手の動きが止まった。


「ヒクッツ・・・・眠い・・・・・すやぁ」


 どうやら、風呂の蒸気とかでだんだん暖まっていて、心地よくなってハクロは寝ちゃったようである。


 糸の拘束もほどけ、ハクロがそのまま立ったまま器用に眠りについた。




 そして、すぐに上半身がだらんと力が抜けて前のめりになり、足が開いてそのまま勢いよく床に蜘蛛の部分の腹が。



ドスン!!


「ぐえっ!?」


 ・・・・衝撃に驚いてすぐに目が覚めたのだろうけど、よっぽどまともに効いたのか完全に気絶した。


 そりゃまぁ、この風呂の床硬いし・・・・自業自得と言えば自業自得だけどさ。


 べたぁぁっと床に這いつくばる状態になったハクロを見て、どうしたモノかと俺は悩むのであった。



流石に運ぶのが大変なので、さっさと着替えてサクラたちにどうにかできないかと頼み、ハクロを着替えさせてもらった後、ハクロの自室の方に寝かせました。

酔っていた謎もサクラによって判明したので、翌日叱ろうとしたら、どうも酔っている間の奇行をしっかりと覚えているタイプでもあったようで、一緒に風呂に入ったことに物凄く湯気を出して赤面していたよ。

・・・・ちょっと可愛かった。でも酒は今後禁止な。おい、そこもこっそり自分だとどうなるのだろうか試そうとして、キラキラした目で酒を飲もうとするな!!

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