やっと到着ルンベルドン!!
ルンベルドォォォォォン!!
って、叫ばせたかったけど諦めた。
都市ベタリアンを出発して時間はかかったものの、ようやくレイたちは目的地である迷宮都市『ルンベルドン』に到着した。
迷宮がある都市だからか、都市の周囲には分厚い防壁のようなものが敷かれており、中に入るための門の前には行列ができていた。
とりあえず、並ぶけど・・・・・長いなぁ。
「あ、番号札渡された」
「番号は139番ですね」
「んん・・・遠くの方に見える現在の番号は30番でありますな」
つまりまだ100番以上はあるという事になる。
この都市に出入りするには審査を受ける必要があるようで、密輸とか盗賊の出入りとかを取り締まるために物凄く厳重にされているらしい。
商人を装ったりするような悪党もいることがあるそうで、その辺の審査も結構厳しい様だ。
過去に犯罪履歴がないのかと調べられたり、疫病とか流行り病を持ち込まないようにさせるというモノもあるようだけど・・・・安全性を求めすぎていないか。
これもうある意味要塞都市と言っても過言ではないだろう。
なぜならば、この都市があるのは隣国との国境付近であり、その隣国というのが・・・
「ストラクト王国と過去何回も戦争を繰り広げてきたベスタリーニァ王国らしいですからね」
「歴史の授業でも出ていたはず」
『陸の上って国多い。海の中には一国ぐらいしかないのにね』
いまアイラが気になる発言をしたような気がする。海の中にも国があるのかよ。
まあ、それは別に置いておくとして、その隣国との戦争が何回もあったがゆえに、警戒のためにこの都市自体を要塞にしているのではないかという話もあるのだ。
噂によると、もしこのルンベルドンがその隣国との戦争が起きった時に攻め落とされたら、最終手段として自爆する用にもされており、そのスイッチがどこかに隠されてもいるそうな。
そんな自爆スイッチを考えるのってどこの世界にもあるんだな・・・・・・絶対押すなよとか書いてあって、押したくなる可能性があるし。
・・・・そしてまあ、大体予想で来ていたけど周囲の視線がすごい来るな。
はたから見たらなんだあの集団と思えるのは間違いないだろうしね。
美しさを持ち、高級な糸を生みだすアラクネ。
騎士道というか、凛とした雰囲気を纏わせるケンタウロス。
艶めかしさ、妖艶さを持ち、恵みをももたらすプリンセスドリアード。
魔法によって生み出された水球内を漂う、歌でも有名なマーメイド。
そのだれもが違う分野とはいえ、美貌を持つこの集団はそりゃ周囲からの注目を集めるわな。
うん、部外者だったら俺も間違いなく注目するであろう。
とはいえ、話しかけてくるような人がいないのは、彼女たちがモンスターであり、使い魔らしいというのはわかっていてもまず話しかける勇気がわかないのかな。
そんな事を思いつつも、何とか順番が来て、ようやくレイたちはルンベルドンへ入ることができたのであった・・・・・。
考えてみれば、確かにこの集団って他から見れば異様にも見えるんだよな・・・・・




