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拠点確保へ!!

・・・卒業式の翌日、レイたちは寮を引き払い、一旦ギルドに訪れた。


 ベタリアンから出て、べつのところに拠点をかまえて冒険者業をすることに皆で決めたのである。


 ついでに、そこまでの道のりで依頼も達成できないかなと思い依頼を見に来たのであった。



 ギルドで依頼を受けた場合、別のギルドでも少々の手続きを踏んで依頼達成ができるからね。




 とはいえ、そう都合よく依頼があるわけでもないので、今回のところは無駄足だったかもね。



「なので、目的地へ向かってこれから進むためにも、準備の再確認をしようか」

「はい!」

「準備は大切」

「食料とかも途中で調達できぬ場合があるからのぅ」

『盗賊とかが出たときの対処のためにも必要です』



 ギルドを出て、今手持ちにある食糧や資金を確認し終えた後、レイたちはベタリアンを出た。



 目指す目的地として、新たな拠点として選んだのはベタリアンから離れたとある都市、国境ギリギリにあるという迷宮都市(ダンジョンシティー)『ルンベルドン』とかいうところである。



 なんでもその都市は迷宮(ダンジョン)というモノがあって、冒険者にとっては依頼が無くなることのない理想的な都市でもあるそうなのだ。


 それに迷宮(ダンジョン)限定でのモンスターとかもいるようなので、もしさらに使い魔が増えることがあるならばそこから増やしてみたいと思えるからね。


 ・・・できればふわふわした鳥とか、そんな感じのもほしいかな。なんで今いるメンバーが全員人型で美人なのが多いんだとツッコミを入れたくなるし、何かペット的にも感じられるような使い魔がいてほしいと思ったんだよね。


 犬とか猫とか、そういう感じの癒し系ペットが欲しいんだよ。切実にな。




 とにもかくにも、その都市目指してレイたちは歩み始める。


 本拠地にもして、そこから冒険者業をどんどんやっていこうという思いを持って、先へと進むために。


 そんでもって、出来るだけ皆が楽に暮らせるような大きな家もほしいな。今のメンバーだと個室とかも持っていたほうがいいだろうし、何かとね。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEベタリアンギルド


 レイたちが迷宮都市(ダンジョンシティー)『ルンベルドン』に向かって数日、ベタリアンのギルドでは皆が物足りなさを感じていた。



「んんー、なんか最近目の保養というか、何かが無くなったような気がするのだが気のせいか?」

「いや、俺達も感じているし、他の奴らも同様に思っているぞ」


 謎の消失感に、その場にいた冒険者たち、特に男性の方々に同様の思いを抱いていた。



「・・・そういえばさ、あいつら見なくなったな。ほら、あの美人の集団」

「ああ、ハクロちゃんやカトレアやサクラの姐さんたちか!!」


 その一言に、皆が納得した。


 そう、ここ最近ハクロたちの姿を彼らは見ていないことに気がついたのである。


 何しろ、大抵個々のギルドによく来ており、彼女たちの美しい容姿は彼らにとって目の保養になったり、あこがれや欲の対象となっていたのである。


 だが、ここ数日はその姿を見かけておらず、そのせいで消失感を全員抱いているのであった。


 

 冒険者という職業は一般的に男性が多く、女性が少ない。


 その職業の厳しさというのもあるが、若い年齢で来るような娘とかがいないのだ。


 また、何かとトラブルなどもあったりするので、受付嬢以外に見麗しいような女性の人をほとんど見かけないのである。



 なので、ハクロたちの姿が見え無くなれば、ギルド内の男の濃さ60%から、その姿を見るために来ていた者たちが来ていたせいで120%まで増加しているのであった。


「長期依頼で見なくなっているとかじゃねぇか?あのハクロちゃんたちの主が主導権あるんだし、こうして姿を見せなくなってもいつかは戻ってくるだろうよ」

「いやいやいや、でも何かかしいように思えるんだが」

「その通りだな、なんかこう嫌な予感というか、虫の知らせがするのだが・・・・・」



 うううむとうなって考える男性冒険者たち。


 冒険者という職業はそれなりに秘密を抱えている人もいたりするので詮索するのは暗黙の了解でダメとされている。


 そのため、レイたちが拠点を移して移動していたという事を知るのはもう少し先のことになるのであった・・・・・・。



次回から新章

というか、この場合って気がついたら冒険者たちはどうするつもりだろうか。

自分達の生活とかを考えるとそう簡単に動けるのだろうかね。

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