夏が終わりて
秋へと入りそろそろ学園も終わりが近い
・・・夏休みもどんどん進み、レイたちは依頼をこなし、稼いでいく。
まあ、きちんと夏休みの宿題も終えていきましたよ。忘れてやらなかったらそれこそ物凄く大変であるからね。
ハクロ、カトレア、サクラ、アイラの使い魔たちも一生懸命一緒に働き、依頼をこなしていく。
そしてそのファンも増えており、水面下で彼女たちを狙うような奴らがいたとしても、全力でファンたちは悟られぬようにつぶしていたりもした。
アラクネの糸は高級品、プリンセスドリアードは大地に恵みをもたらす、ケンタウロスはまあ護衛としても見た目の良さからしても、マーメイドはその希少性と歌と迷信によって狙うようなやつらがいたらしいからね。
そんなこんなで夏休みが過ぎ、季節は秋となった。
「しかしなぁ、まさか夏の間にレイに使い魔が増えるとは」
「なんかやつれてないかザフォン・・」
「いやね、こちとら夏の間が大変なんだよ」
始業式の後、久し振りのレイの友であるザフォンに会ったのだが、少しやつれているようにレイは思った。
聞くところによると、王族と言うことを隠して学園に通っているザフォンだが、どうやらちょっとバレそうになってきていたのでそのばれないようにする工作で東奔西走していたようである。
「卒業の時に、盛大にばらして驚くような顔を見たいんだ!!それまでバレないように必死にしていたんだよ!!」
「結構大変だったんだな・・・」
それでも学園内の人達に王族とはバレていないのがまたすごいと思える。
一部の関係者以外にはバレてない、いやもうバレそうな気もするんだけど、どれでも隠せているのはすごいような気がする。
「そういえば、今年の学園祭だが少し変更して、運動会とやらをその前の方で行うらしいぞ」
「え?運動会?」
・・・・この学園、学園祭とかはやっていたけど、そう言えば運動会とかはやっていなかったような。
何せ、貴族も平民も一緒に通っているのだけれども、体力的に疲れることはしたくない人が多い。
けれども、どうやら今年は試験的に運動会を実施してみるそうだ。
「何せ、親父ゲフンゲフン国王がどうも他国との交流で偶然聞いた運動会に興味を示してな、国王命令だとかでやってみようと思ったそうだ」
「それって権力の乱用な気がするんだけど」
良いのかそれでこの学園は。
というか、内容はどうなるんだろうか。
「運動会ってことは、何かしらの協議とかもあるんだろうけど・・・ハクロたちは?」
「ああ、使い魔はだめだそうだ。あくまで学園の生徒たちで行うらしい」
「ちょっと残念ですね。参加して見たかったですよ」
「私的には、ちょっとよかった」
「うーむ、某たちの身体能力はモンスターゆえ、人以上だからでありますからな」
『泳いでるし』
ハクロたちの反応もさまざまである。
いやそもそもモンスターの身体能力とかを考慮すると、参加しないほうが公平なのか。
「で、その使い魔たちの主であるレイ、お前も多分参加できないぞ?」
「え?」
なんで?俺人間だよね。
「使い魔とその主には関係があって、互いに影響を及ぼす・・・・それだけの使い魔を従えているお前は明らかに人以上の力を持つだろうが」
「ああ、なるほど」
納得はした。ハクロたちと関係ができる旅に、身体能力向上、魔法強化といった影響が出ているもんね。
常人以上になっていてもそりゃ・・・・
「・・・それって俺のこと軽く人ではないみたいに言っていないか?」
「・・・・・」
「返事してくれよ!!」
汗をドバっと流し、目を横にそらせたザフォンに対してレイは叫ぶのであった。
さりげなく人外宣言を受けたような気がするレイであった。
運動会、学園祭と書く予定だけど、たしかにザフォンの言う通りレイって今の状態を考えるとかなり常人よりもすごいことになっているからね。




