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クラブフィッシュ捕獲前の準備

本日2話目

捕獲前に少々準備運動

・・・翌日、レイたちは若干寝不足だったがとりあえずここに来た目的を思い出した。




「クラブフィッシュの捕獲依頼があったけど、その群れって沖合の方にあるんだな」

「そこまで離れていませんですし、小型のこの船で十分な距離だそうです」


 現在、宿から小型の船を借りて沖合へ向かっている。


 バランスをとるためにカトレアの木の根を伸ばして船の両側にさらに安定用のいかだを接続し、ちょっとやそっとの波ではひっくり返らないだろう。


 きちんと後で元に戻すのだが、まずは群れの発見第一だな。


「それにしても、昨夜の歌声はいったい何だったんだろうな・・・・誰が歌っていたのやら」

「宿の人が言っていた怪談話の奴ですよね・・・でも、あまり怖くありませんでしたよ」

「・・・むしろ、マイロードの説教の方が怖かった」

「うむ・・・主君に迷惑をかけたのは恥でありますが、あの無言の説教が一番恐ろしかったであります」



 いろいろあったけど、取り合えずそのことは置いておこう。




「網を広げろ。底引き網の方法で一回やってみるぞ」


 まずは海の中がどうなっているのかを調べるために、簡単な水中捜査である。


 クラブフィッシュは群れで移動するけど、たまにはぐれてしまうやつも出る。


 そのはぐれが見つかれば、大体どのあたりに群れがあるのが見つけやすいらしい。


 ならば、一旦網ですくってみようというわけである。



「ハクロ、糸の強度は大丈夫か?」

「大丈夫です!しっかりぎっちぎちに固めてあります!」


 一応海中には普通に魚型のモンスターも多い。


 そのため、網を引きちぎりそうなものもいたりするのだが・・・・ハクロの網であれば大丈夫だろう。




船の両端にハクロが糸を飛ばし、一旦そこまで沈めての地引網でまずは調査も兼ねての実験だ。



「とはいえ、水の抵抗なんかもあって大変でありますな」

「結構重いもんね」


 ずずずずっと重量を感じ取れるけど、こういうのって土砂とかも入ったりするからな・・・・・



 浜辺の方まで移動し、網を完全に引っ張り上げると・・・・獲れるわ捕れるわもう大量だ。


「普通の魚が多いな・・・カニとかもいるし」

「あ、結構でかいヤドカリもかかってますね・・・って、これモンスターです!」

「『ヤドカキング』ですね。その背負っている貝殻は鉄並の強度だったはずです」

「え・・・拳で砕けたでありますが・・・」

「・・・鉄をも砕く拳という事じゃない?」


 モンスターもかかっているけど、まあこのメンバーなら陸上にさえ引き上げてしまえば問題はない。


 木の根でからめとり、糸で縛り上げ、剣や拳でたたき割り、魔法で焼く。


・・・・火の魔法を使ったせいで、いい感じに焼けちゃったのか香ばしい香りが出て食欲が刺激されるという問題が発生したが。



「「「「・・・・・・・・」」」」


 全員、ぐぅとならす腹の音よ。


 某ピンクの悪魔が出るゲームのBGMであり、非公式らしい歌の最初のような部分を思い出しつつ、お昼にするのであった。


 とれたての海の幸を調理していくけど、大抵は火であぶるとかその程度である。要はバーベキューだ。


 もう少し調理技術があればいいんだけど、これだけでも結構おいしく焼き上がる。


 火を調節すれば、中身までしっかり焼けるし、寄生虫とかの心配を減らせるからね。


・・・・本当に香ばしいなこの香り。海辺のバーベキュー最高!!

サバの味噌煮、カレイの煮つけ、エビの天ぷらとかが食べたくなった。

さてと、次回は本番だ!!

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