真夜中の歌声
きちんと宿屋にて衣服は着替えます。
水着とかもきちんと洗濯を後でするんだよ
「・・・・ん?」
泳ぎを練習し、海に慣れた深夜にレイはふと目が覚めた。
部屋の中を見渡すと、それぞれ熟睡しているハクロたちの姿があるのだが・・・・・
『~~~~~♪』
「歌声?」
小さい声ではあるのだが、何か歌のような音が聞こえたのである。
「んみゅ・・・どうしたんですかレイ様」
レイのそのつぶやきが聞こえたのか、上の方にハンモックをかけて寝ていたハクロが起きて尋ねる。
まだ眠いのか両目を完全に閉じており、だらんとハンモックから上半身だけを垂らしてこっちの方に向く。
・・・・ちょっとあれだな。お化け屋敷とかでぶら下がって強襲してくるお化けみたい。
でも月明かりが窓から入ってきてはっきり姿が照らされるからあまり怖くないか。
「ちょっと静かにしてくれないか?何か聞こえてきているぞ」
「・・・ふぁい?」
寝ぼけ眼な状態で目をこすり、ハクロが脱力して黙る。
『~~~~~~~♪』
「・・・・!?確かに声が、
ズルッツ
「あ」
「へ?」
歌声が聞こえて驚いたのか、ハクロが勢いよく上半身を起こそうとして、ハンモックに乗っていた体のバランスが崩れ、落ちた。
そのまま空中で体をひねって着地態勢を慌てて取ったが・・・
ドッシィィィィィィン!!
「・・・・あぅぅぅ!?足先がジーーーーンってしましたぁぁ!!」
着地失敗し、いつもなら何ともないことなのだが、まともに全体重の衝撃が足先に集中したようでゴロゴロと転がってハクロが悶絶する。
例えで言うならば、階段から飛び降りてジーンと来るようなやつであろう。
普段であれば、何かしらの工夫をして平気だそうだが・・・・・こういう時に限って油断するようだ。
悶えているハクロの音が外にも聞こえたのか、いつの間にか歌声も聞こえなくなっていた。
・・・・なんだったのだろうか、あの歌声は。
「うるさいであります!!」
「うるさい!!」
ベシィィィッツ!!
「むぎゅぅっ!!」
「ぐべっつ!?」
眠っていたところに、うるさかったのが不満だったのか、サクラとカトレアの2人にハクロは取り押さえられた。
蹄と木の根に押さえつけられ、床にハクロが倒れ込む。
「・・・というか、俺も真下にいるんだけど」
倒れたハクロの下敷きになって、レイは巻き添えを喰らったのであった・・・・あとで説教な。
柔らかい部分でつぶされたからまだいいけど、これで足とかにつぶされていたら結構やばかった。
説教入って翌朝を迎える・・・・・
・・・依頼もきちんとこなしますよ。遊んでばかりではないですよ。




