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旅は道連れ

旅ではないけど、なんか語呂がよかった

・・・・盗賊たちを全員捕縛(数人は星となって飛んでいった)し、レイたちは襲われていた馬車の責任者たちと話をしていた。


「このたびは助けていただきありがとうございまっせ。ワイはこの商会の商会長デッポンニーと申しまっす」

「俺は冒険者ランクCで、学園の学生で、メインが魔物使いであるレイです」 



 とりあえず、互いにきちんと名乗り出て身分をしっかりと話す。



「いや本当に、この盗賊たちには苦戦していたところを助っ人してもらって、なんて感謝を言えばいいのやら。俺はこの商会の護衛依頼を受けている冒険者パーティ『滅鬼』のリーダー兼護衛の他の冒険者たちも束ねているドラズンだ」


 護衛を受けている冒険者の代表の人も名乗り出た。


 結構ガタイがいい人で、かなりの期間冒険者をやっている風格がある。ランクもAとこっちよりも上の人のようだ。


 確かそのぐらいになると異名とかも付くらしいけど・・・・他の冒険者はその異名で呼ぶが、本人曰くあまり呼ばれたくない異名を持っているようだ。


 理由としては「なんか恥ずかしい」・・・・・・うん、わかるような気がする。黒歴史とかになりそうで嫌だもんな。


 一方で、商会長のデッポンニーさんはやや小太りながらも、そこそこ腕とかも鍛えあげているようで、怠惰に屈しているような人ではないようである。




 どうやらこの襲われていた馬車はデッポンニー商会という商会の、正社員一同がその社長と共に夏の慰安旅行へ向かうために乗っていた物だったらしい。



 夏に慰安旅行・・・・イメージ的には冬に温泉と言う感じだけど、別に季節に縛ることもないか。



 で、冒険者たちを雇って目的地まで向かっていたところ、盗賊たちの襲撃に遭って・・・・


「ダールンバ団・・・確か、討伐依頼が出されているやつだっけ?」

「ああ、まさかここに潜伏しているとは思わなかったが・・・思ったよりも強くてな」


 まあ、現在そいつらは捕縛されて押さえつけられているけどね。


 縄を斬って逃げようとしても無駄だよ。その縄はハクロの糸を束ねて作った奴で、そう簡単には切れないのである。


・・・なぜかハクロは刃物もつかわず簡単に切ることができるけどね。フグは自身の毒で死なないように、ハクロは自身の糸なら簡単に切れるということだろうか?そこは不明だ。




「おとなしくするであります!星になった者のようにどこかへふっ飛ばされたいでありますか!」

「いやむしろそっちで頼む!!逃げられそうなそれにしたいぞ!!」

「というか、暴れるな!!なんか余計にめっちゃきつくなっていくんだけぇど!?」

「ふっふっふっふ、暴れれば暴れるだけぎちぎちしまっていくように結んでいるのですよ。そのうち胴体のほうが耐え切れず、ブチィと」

「ひぃぃぃぃっ!!綺麗な笑顔でくっそ恐ろしいことを言うなぁぁぁ!!」

「それじゃ、養分となって干からびる?」

「死の選択肢しかないだろぉぉぉぉ!!」


 サクラたちが暴れる盗賊たちの見張りをしているけど、この様子なら逃げだされる心配はないかな。


 適度に心を攻めている彼女たちの言葉は聞いている方もちょっと怖いけど。




「この盗賊たちはどうしますか?」


 生け捕りのこのままなら、連行していけば報奨金がもらえるが・・・・


「護衛をしていた仲間も傷つけられているし、出来ればここで処理をしたいが・・・」

「馬車の修理費用を考えるとあまり儲けもないでっせ」


 ドラズンさんも、デッポンニーさんも盗賊たちを連行するには賛成ができないようだ。


 この盗賊たちって元冒険者たちもいるようで、前科もあるようだからな・・・・とはいえ、殺すとかそう言うことはちょっとこちらも抵抗があるのでしたくはないかな。



「では、こうするのはどうでありますか?」

「ん?サクラ、何か思いついたのか?」

「はい、この際、適当に切った木に縛り付けて、身ぐるみをはがして素っ裸にした上に磔・・・・と言う感じで心をボキッと折った方がいいかと思うのでありますよ」

「「「容赦ないな!?」」」


「あ、レイ様、そこにさらに傷口に塩を塗り込むのはどうでしょう?」

「急所をつぶす?えぐる?切り落とす?」

「「「とどめを刺す気か!?」」」



 まさかのかなりえぐいことをさらっとハクロたちは提案したのであった。


 相手が盗賊とはいえ、それはひどすぎるような気もする。特にカトレアの「つぶす」という提案は男にとっては恐怖しかないよ!!急所がどこを指しているのかは聞かないけどな。




・・・まあ、やり過ぎるのもあれなので、サクラの提案・・・・身ぐるみはがすというのをなくした、タダの磔というモノを採用することにした。


 盗賊たちも縛り上げられていたけど、どこかほっとしたような表情だったのは言うまでもない。


 なお、縄をハクロ製の物から馬車にあったものに変更した。次につく街で連絡をして、引き取りに来た人たちが縄を切れなかったら大変だからね。


 仲間が来ることも考慮して、トラップも配置。この場所も引き取る人たちに知らせておくことを忘れないようにする。







「とりあえず、今回は助かりました」

「いえいえ、進行方向の邪魔はとっておきたいですからね」


 盗賊たちを処理した後、ある程度までの臨時の護衛をレイたちは引き受けることにした。


 護衛の冒険者たちもけが人が出ているし、進行方向に進んでいるのでそのついでである。


 ある程度進んだところで別れるが、まあこういうのも悪くはないだろう。



「馬車の修理もしていただき、後で別れる際にその修理費なども支払いしまっせ」

「まあ、あの程度の修理ならまだ楽だったからな・・・」


 馬車の車輪とかがボロボロになっていたのだが、空間収納に丸太が入っていたのでそれをその場で加工して新しく付け替えるだけの簡単な仕事である。



・・・まあ、馬も何頭か逃げられたようで、ケンタウロスであるサクラがけん引を引き受けているのだけどね。


 次につく街の方で馬を購入するようだけど、それまではカトレアも俺も馬車の方についでに乗せてもらうことになる。


 ハクロは馬車に並走して周囲の警戒をしてもらうけどね。




 とにもかくにも、このまま目的地まで進んでいくのであった。



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SIDEデッポンニー:今日の日記


 ワイは商会長のデッポンニーであり、今回は社員たち一同の疲れを癒すために、夏の慰安旅行を計画した。


 慰安旅行の場所は都市オイセであり、そこで観光などを楽しんでいく予定である。


 そこへ向かう途中、盗賊たちに襲われていたが、助けてくれた冒険者たちがおったんや。



 でもな、その冒険者の持っている使い魔がこれまた珍しいモノやったな。


 アラクネにプリンセスドリアード、ケンタウロス・・・・美人ぞろいでなんやこの魔物使いはと驚いた。



・・・きれいやったけど、盗賊たちにかけた言葉がちょっと恐ろしかった。天然なのか、才能なのか・・・・末恐ろしいわ。


 冒険者ランクCの魔物使いのレイと名乗っていたが・・・・メインが魔物使い、サブが魔法使いの様やったが、こちらはこちらで恐ろしい。


 魔法使いをサブにしておるようやけど、今日の真夜中の馬車を止めて野営する際、「ファイヤボール」をいくつかだし、自由自在にふわふわ操って周囲を照らすことをしたんや。


 いや、火魔法で照らすのはわかるんや。・・・けどな、そんな20個近くもの火の玉を操るって、どれだけのコントロール力があるんや?ふつう4~6個ぐらいが限度やで。



 むしろ、魔法使いをメインとしているのなら納得がいきそうなのに・・・・魔物使いとしても、使い魔の事からさらにすごいのが分かるんや。



・・・これは今のうちに目を付けておいた方がいいかもしれへん。将来的にこの人は確実に大物へと成長を遂げるやろ。


 仲良くしておいた方が得策やろうなぁ・・・・・・。

エセ関西弁すいません。

なんとなくこういうふうな話し方の方がいいかなと。

次回ようやく海にはたどり着く予定です。


・・・盗賊たちの後日談も書くべきか?

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