学園最後の夏休み
あっという間に学園は夏へ
終業式が終わり、夏休みへと学園は移行した。
多くの学生は自身の家に帰郷したりしているけど、レイたちは・・・
「せっかくだから、夏休みという長い期間を使って、何か依頼で結構時間がかかりそうなやつを受けてみようかと思うけどいいか?」
「「「了解です!!」」」
レイの問いかけに、ハクロ、カトレア、サクラたちはびしっと敬礼のポーズをとる。
・・・そのポーズはどうもサクラから教わったようだけど、某カエル軍曹を思い浮かべるのはなんでだろうか。
サクラの場合は一人称が惜しいだけで、語尾が同じだしな・・・・・。
と言うわけで、さっそくレイたちはギルドを訪れて依頼を探してみていた。
宿題は山の様にはあるが、毎日こなしていけば問題はない。
そのため、遠征とかのようなことになっても問題はないのである・・・・・多分。
「とはいえ、Cランクだからそこまで長期的になりそうな依頼とかはないな・・・」
往復を考えてもそこそこといった程度のモノばかりであり、長期間になる事は無さそうである。
まあ、それはそれで別にいいか。時間がかかりそうな依頼でも期間内に終わらせられるわけだしね。
「『ビーンズ商会の護衛依頼』、『盗賊団討伐生死を問わず』、『盗賊団員募集中』」
「それは依頼として出してはいけないのでは?」
ツッコミどころのあるやつが今あったな。
「『ゲソキングもしくはクラーケン討伐』・・・・どっちでありますかこれ?」
「イカ型の大型なモンスターってことじゃないかな。見分けがつきにくいらしいし、その辺はあやふやになるんだろう」
「『マッドリッチ及び配下のゾンビ集団討伐』、『毒草採取依頼』・・・毒草は薬草にもなるからややこしい」
「薬と毒は表裏一体とかだっけ。使いようによっては薬にも毒にもなるってやつ」
・・・・探してみるが、ここで一つの傾向に気がついた。
「海に関する依頼とかが多いような気がするな」
「夏ですかねー、海に入る時期としては最適だからではないでしょうか」
確かに、この時期に海に行けるのは良いような気がする。
冬とかに海に行く依頼を出してもあまり来ないだろうし、ならば夏に大量に出してくるのかもしれないな。
むう・・・悩ましいところだけど。
「・・・そういえば、みんな泳げるっけ?」
「私は無理ですね。川ならレイ様と経験がありますけど、海を泳ぐのはちょっと・・・」
「私もちょっと無理かも。海水は苦手」
「某は泳ぐというよりも海中歩行になるでありますが・・・・自身はないでありますな」
・・・かくいう俺も、泳ぎは苦手だったりする。
あ、このメンバーの重大な弱点見つけたわ。全員海で泳ぐのが苦手だという事である。
海に関係する依頼とかがあったときに受けることが難しいのもどうかと思うし・・・・
「この際、本格的に泳ぎの練習も兼ねてみる?」
依頼の中にあった海行きのやつを指さし、レイはそう尋ねてみるのであった・・・・・
・・・蜘蛛は水蜘蛛とか言うように泳げるのがいるし、海水でも海藻なら育つし、馬でも浮くことは浮くし、なにより浮袋とかがあれば溺れはしないだろう。
まあ、全員海で泳ぐ経験がないだけなのだが。誰が一番早く、うまく泳げるようになるのだろうか。




