帰還中
執筆が進む時と進みにくい時があるのはなぜだろうか。
ドべべの森で目的の薬草を集め終わった後、レイたちは徒歩でベタリアンまで歩いていた。
ぶっちゃけ言って初心者にもやさしい距離だし、こういう立地にあるベタリアンはまさに冒険者初心者にとっては優良都市であろう。
「物件みたいな言い方ですけど、あながち間違っていませんよね」
「まあ、森が近い、モンスターもお手軽程度のつよさの物ばかり、都市内の宿屋も料金が安いものが多い、学園祭で確実に学園内に入って楽しむことができる・・・と言うようなことが多いからな」
「でも、王城がある首都には負けているんですよね」
全体的な利益で見ると、やはり首都は首都と言うだけにベタリアン以上の発展をしているらしい。
見てみたいけど、それは学園卒業後にでも計画して見ますかね。
「それにしても、冒険者としての初依頼をやったはいいけど、こんなにあっさり終わっていいものなのかな」
「楽なのはいいことですよ。下手すれば命を落としかねないような職業でもありますしね」
冒険者の職業は何もこんなに楽な事ばかりではない。
護衛とかの依頼もあるし、盗賊退治、モンスター討伐と言ったものが常にあるのだ。
そのため、どれだけ自身の身を守れるかが重要になってくるだろう。
「危険な依頼を受けなければいい話だけど、それでも受けなければいけない時があるんだっけ」
「国からの強制指名依頼とかがそうなるはずですね」
主に戦争の時期に、その今いる国の兵士のような役割を城とかそういうものがあるらしい。
まあ、このストラクト王国は戦争がほとんど起きていないようだし、当分はその心配がないと思いたい。
「戦争とかがあったら速攻で国から出て違うところにでも向かうか」
「その時が来たらですけどね」
「平和が一番」
気軽に談笑しながらベタリアンへ向けて歩いてた途中であった。
・・・・・パカラッ パカラッ パカラッ
「ん?」
「どうかしたんですかレイ様?」
「なーんか聞こえるな」
「蹄の音ですね」
何か馬が駆けているかのような音である。
馬車を引いている馬かなと思いつつ、後方からその音がしているのでちょって振り返ってみて・・・
「・・・・馬?」
後方から何かが走って来ているのだが・・・・んんん?
「馬ではありませんね」
「明らかに首が体になっているようにしか見えない」
馬の首の部分・・・・というか、頭の部分が思いっきり人の身体っぽい。
人の体の下がちょうど馬になっているかのような、そんな見た目であり、何やら鎧のような物を着ていてその上半身と言うべき部分が完全武装状態だ。
「・・・『ケンタウロス』?」
その容姿を見て、なんとなくそう思えた。
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「ケンタウロス」
上半身が人の体、下半身が馬や鹿等のひづめのある動物であるモンスター。
知能が高く、人と会話が可能なのだが・・・・モンスターにしてはなぜか騎士道とやらを重視しており、仕えるべき主君を探してあちこちをさまよい駆け抜ける種族としても有名である。
「セントール」という種族名もあるのだが、こちらの呼び名はややこしさゆえに100年ほど前に「ケンタウロス」として統一された。
・・・鍛錬にも熱があるようで、彼らが住まう場所は、山だった場所が数年で荒野になると言われている。
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「なんでそんなものが走っているんだ?」
「彼らは仕えるべき主君を探して・・・・って、まさか」
「ハクロも気がついた?その可能性は大」
疑問を浮かべたら、ハクロとカトレアが何か察したようである。
「ちょっと待たれいそこの者たちよ!!」
と、何やらそう叫んできて、レイたちの目の前に急停止をしてきた。
「えっと・・・何か用ですか?」
なんかものすごいめんどくさそうな予感がするし、一応尋ねてみるけど・・・なんだろうかこの予感。
というか、声の高さからして多分女性?女騎士なのかな。
何やらめんどくさそうなものに声をかけられちゃったような気がするぞ・・・・・
ケンタウロスかセントールのどっちにしようか迷った末にこういうことになりました。
この際オリジナルのような物でもよかったかもしれないけど・・・わかりやすさというものが必要かな。




