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魔法研究

ちょっと日常回

「『ファイヤボール』」


 魔法を発動させて、火の玉を作製する。まだ普通の赤い色をしている炎だ。


「ここから空気中の燃える要素を取り入れるようにイメージして・・・」


 

 レイは現在、ちょっと魔法の実験を行っていた。


今いるのは学園の魔法用の練習場である。


 本来であるならば魔法の授業で使用される場所なのだが、レイは魔法の授業は免除されている。


 しかし、それでも一応いつでも使用することが可能な施設であり、学ぶこととしては本からと言うのが多いのだが、やはり時々こうして自己研鑽をして、研究をして、高めて改善していくのが大事だと思っているのだ。


 そして今回、ふと思いついたことをやって見ているのだ。


 なお、危険性も踏まえてこの練習場は仕切り版があって、それぞれの魔法が当たらないようにされている。


 たまーにノーコンなのかあらぬ方向へ魔法を飛ばす生徒がいるらしく、そのためわざわざこのような仕切りを付けられてしまったようだ。


 まあ、魔法を使用する人の中には秘匿したいようなものを使用する人もいるから、その秘密の漏洩を防ぐということに役立っているらしいけどね。



 ファイヤボール・・・・火の玉を飛ばすだけの簡単な魔法だが、前世の知識で酸素を混ぜ込んで熱量を増やして青白くなったものを作れていた。


 けれども、ここでそういう概念を捨ててみて、単純に燃えるものを集めて燃えろと思いながらやって見たのだ。


 その結果・・・・酸素を別に考えていないのに、炎の色が青白くなった。


 燃焼が進み、より高温状態へと変化したことがうかがえる。


「大体漠然としたイメージでも魔法に変化が起きるのか・・・」

「となると、魔法ってイメージもカギになっているんですかね?」

「でも、消費されている量は明確なイメージを浮かべているのよりも増加しているように感じる」


 ・・・つまり、魔法を使用する際にイメージもそこそこ影響はするが、その分魔力の消費が大きくなるようだ。


 前世の知識で明確に考えて行うと、その分消費を抑え込むことも可能なようである。



「こういうのを発見していけば、もっと魔法が自由自在になるかな」

「今以上になるとどうなるんでしょうかね?」

「・・・すでに半分やばいと思う」


 なんかハクロとカトレアが呆れたような声を出すけど、魔法にイメージ力が関係している発見は良い事だろう。


 とはいえ、下手にこういうのを話せないのもまた事実。


 馬鹿とかそういうのが人を狙って実験しないとは限らないからな。


 まあ、そんなことをしたら反省文100枚、けがをさせたら退学の危険もあるというからね。



・・・・余談だが、カトレアも加わって、ハクロとやっていた魔法の撃ち返し合い・・・・正確に言えば、俺の魔法をハクロが自身の魔法耐性の高い糸で作り上げたラケットで撃ち返して、それを俺が魔法でさらに対消滅させるというあの遊びと言うか、練習が最近授業に取り入れられたらしい。


 で、そのラケットの作成をハクロが行ったことによって代金もちゃっかり取れた。


 そのため、今ではその方法で魔法を練習する人もいるようで、スポーツ化してきて「魔法テニス」とやらが誕生した。


 今度学園内で大会も行われるようだけど参加する予定はなし。発案者でもあるし、その魔法の威力を考慮されて参加しないでくださいと懇願されてしまったからね。


・・・残念、出たかった。でもまあ、相手がハクロたちだからこそ俺の魔法の練習が成り立つのであって、普通の人がやったら打ち返せないことが多そうだしな。


 でもやっぱり参加したかった。


そう思う今日この頃である・・・・・

「魔法テニス」

・ラケットとネットがアラクネの糸製と言う高級素材を無駄に使用した感じ。

・ボールは「○○ボール」となる魔法で、基本ルールはテニスと同じ。ただし、魔法の性質上直線的になりやすくバウンドしないので難易度ははるかに上。


・・・でもやって見たくなるな。

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