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禁書庫での出会い

直接的ではないけど

 ある日、今日はバイトの喫茶店が休業日だったので、レイたちは禁書庫の本を読んでいた。


 頭が痛くなるレベルの難しい本が多いから、頭が痛くならない様にとかいう理由で禁書とか言われているけど、実質内容をよく読むと痛くならないと思うぞ?



でも、確かに今のこの世界の技術では不可能なモノとか理論が書かれているところを見るあたり、確かに書いた人たちの頭がぶっ飛んでいそうな気がする。・・・何人か俺と似たように前世の記憶があるやつとかじゃないよな?


 ・・・・ひたすらただ一つの単語だけを赤字でものすごい数書かれていた奴があったが。あれは頭痛いというよりもかなりのホラーなような気がする。そしてなぜそんなもんがある。



「でも面白いものもあるからな・・・・できないのもあるけど」

「無からものを作り出したりとかするっているのは不可能に近いですよね」

「魔法も似たようなものだけど、あれは魔力をもとに形成しているだけ。完全に何もないところからと言うのが不可能」


 適当に本を見繕って、書庫内にある席で座って読みふける。


 ハクロたちもそれぞれ読んではいるけど、彼女たちも結構頭がいいことはいいからな・・・・抜けているところがあるけど。



「あれ?ここの本だけないな?」

「貸し出し中のようですね。そもそもここに出入りしているのって私たちだけではないでしょうし・・・」


 ちょっと気になる魔法とかがあったから、それが書かれた本を探そうとしたら、該当しそうな本がなかった。


「貸し出し記録を見てみればいいんじゃないか?」



 一応、禁書庫は普通の図書館のように貸し出し記録が残るようになっており、誰が借りているのかがわかるのである。


 

「えーっと記録によると・・・・その本は昨日借りられたようで、貸出人は・・・アリス・フォン・ストラクト・・・・ん?ストラクト?」

「あれ?どこかで聞いた感じの名前・・・・あ」


 そういえば、以前ザフォンが言っていたな。


 あいつの場合は王子だとバレずに卒業できるか試すために偽名で通っているけど、王女の方はそのまんまの名前だって言っていたっけ。


 そして、その名前は・・・この国の第1王女じゃん。昨日来ていたのか。



 めったに来ないので、見ることができれば幸せが来るとかいうジンクスまで作られている人だっけな?



 その人がどうも目当ての本を借りていったようである。


「どのぐらいで返ってくるのかな?」

「返却期限は2週間ですので、多分ギリギリまでだと」

「長いな」







 2週間後、そろそろ良いかなと思って禁書庫へ向かうと、きちんと本が返却されて棚にあった。


 姿は見ていないけど、本があるなら別にいいか。


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SIDEアリス・フォン・ストラクト



「・・・・あれは?」


 第1王女であるアリスは先ほど禁書庫へ本を返却しに行っていたのだが、ふと何か落としていたような気がしたので禁書庫の方に戻ってきた。


 部屋の中に入ろうとしたら物音がしたので、誰か利用しているのかなと思いつつ、のぞいてみると、本棚の前にアラクネ、ドリアード、そして同い年ぐらいの少年の姿を彼女は目撃した。


 あのモンスターたちは、今学園で人気があるというレイとかいう名前の者の使い魔だろうか。


 だとすれば、あの使い魔たちがいるということはあの少年がレイと言うことになる。



 魔法審査をトップクラスで受け、貴族だったけど貴族を抜け、さらには美人な使い魔を従えている少年と言う噂話ぐらいはアリスは聞いたことがあった。


 ただ、これまで実際に直接姿を見たことがなく、初めてその姿を見たのである。




・・・見た目は普通の少年のように思える。


 だが、なんとなくその顔を見たとき不思議と何かが、この物足りないと思っていた気持ちにはまったような気がした・・・・・。

一目ぼれの恋のような物だと自覚するのはいつであろうか

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