計画的に生きましょう
主人公の中身って10歳児ではないからな。一応ぶっ飛んだ考え方もできると言えばできる。
「・・・・では、これから先どうするか話し合おうか」
真夜中、レイたちは星空の下で今後どうするかの方針を決める会議を開く。
レイ、ハクロ、カトレアの三人だけだが、あたりにはカトレアの木の根でバリケードを設置し、ハクロの糸で罠を設置という盗賊対策の2重構えである。
正直言って、空から来られたら意味がないが、まあそんなことをする人はめったにいないだろう。
・・・フラグジャナイヨ?
「冒険者をやって金を稼ぐ手段があるが、現在俺は10歳で、もうすぐ11だがそれでもあと4年は登録できない」
冒険者の職業は15歳から登録可能であり、それ以下では登録ができない。
金を稼ぐという方法ではハクロの糸を売却するというものがあるけど、需要が増えてより糸をと言われたらハクロが辛いもんね。一人だけに負担をかけるような真似はしたくないのだ。
たまに売りに出す程度なら問題はないだろうが・・・・
「とりあえず、まず最初にやることは絶縁手続きですよね?」
「まあそれが最優先だろうな」
心に決めたらさっさとやったほうがいい。こういうのを考え直すとその機会を逃しやすいからね。
「さっさと絶縁手続きを・・・明日あたりにベタリアンに着いて、そこで行おう。俺は10歳だけどその手続き自体は年齢に関係なく行えるからな」
もしくは、ハクロたちに保護者が代わりとなってもらう方法もある。
一応成人している見た目だし、その手段は可能なはずだ。・・・カトレアはまだ年単位の歳ではないけど見た目の年齢で言えばハクロと同じぐらいだからね。
というか、モンスターに年齢って言う概念あるのかな?
とにもかくにも、その手続きを終えた後をどうするかだが・・・・・。
「学園の方は、寮はそのまま継続しても大丈夫だろう。そのあたりの保証はされているからね」
一応平民も通えるように援助されており、無料の宿屋(学園の生徒限定)となる。
「でも、それ以外の生活面・・・食費や衣類などのお金はどうしましょうか?」
「お小遣いとかはないし、ここは地道に働いて稼ぐしかないかもな」
アルバイトだが、これも一応安いのならこの年齢でもこの世界で行えるのは確認済み。
また、他の方法としては・・・・・
「ギルドで冒険者登録は行えないけど、素材の買い取り位は誰でも行えたはずだ」
たまに冒険者じゃない人が、モンスターを偶然倒したりすることがあって、その素材を売ることがあるらしい。
そのような時でも、ギルドは素材の買い取りをしてくれたり、また薬草などを売って小遣い稼ぎする人もいるのだ。
薬草程度なら薬屋に売った方がいいかもしれないが、薬草以外の持ち込みを防ぐためにギルドを通したものを買い取っているようだしね。
つまり、学園生活の合間に薬草を花壇の一部を借りて栽培したりして、それをギルドに売ることによって金を稼ぐことができる。
・・・まあ、普通薬草の栽培は難しいらしく、自然の物を売りさばくようだけどね。
こちとらカトレアがいるので、彼女のアドバイスに従って育てればいけるだろう。
「あとは、学園が休みの期間の・・・この今の冬休みと、これからの夏休みなどだな」
「そこはやはりアルバイトですかね」
「もしくは・・・・盗賊退治で稼ぐ」
カトレアのその意見も実はありと言えばありなのだ。
この世界、まだあったことはないけど普通に盗賊なるものがいて、アジトとかで宝を蓄えていたりするそうな。
盗賊は生かして捕らえてギルドに引き渡せば、犯罪者買い取りとやらで金になる。
そのアジトにある財宝も捕らえればその人のモノになって、持ち主が見つからなければ自由に売りさばけるのだ。
「盗賊喰らい」と言う職業にあたるそうで、これが意外と儲かりやすいそうだ。
ただまあ、そのような職業をしている人はあまりいない。後からの報復が怖いらしいからね。
報復が必ずないというわけじゃないし、下手すれば返り討ちだ。
・・・でも、まあその方法も候補にいれまして俺たちのこれからの生活の計画を立てていくのであった。
15歳になったらギルドに必ず登録しに行くのは忘れずに。それまでは薬草販売、アルバイト、素材販売、盗賊喰らいと言う感じでやっていこう。
学園もしっかり通っておいて、禁書庫の知識を蓄えていかないとね。
そして、残された貴族家は・・・・




