のんびり日常回
こういう日常のんびりを入れたいんだよな。
学園祭から数日後、学園内ではいまだにその余韻が残っているのかなんとなく気分がふわふわしている人が多いようである。
楽しみまくって気が緩むのか居眠りする人、遅刻する人、服を裏返しで着てくる人、布団を引きずって来る人と多種多様である。
「案外まだ子供なんだよな・・・」
「いやそれレイ様がいいますかね?」
レイがボソッとつぶやいた言葉に、ハクロは苦笑しながらツッコミを入れた。
うん、人のことは言えないと思うけどね、ハクロお前も緩んでいるよね。
「ハクロ、その服裏返し・・・・」
「ああああああああ!!あみまちがえたですよぉぉぉぉ!!」
カトレアの指摘に、ハクロが叫んで素早く直した。わずか0.1秒ほどで直すのはすごい。
と言うかハクロも充分緩んでいたね。今朝から気が付いていたけど、いつ気がつくのかいたずら心が湧いて注意しなかったんだよ。
気がついていた他のクラスメイト達がちらちら見ていたその視線に気がつけって。
おかげでちょっと笑いが取れたからいいな。笑いをこらえて口を押えているやつが意外に多い。
なお、ハクロは私服を着替える時に脱ぐというよりもいったんほどいて編み直すようである。
そのため。気持ちが緩んでいた今はどこをどうやって間違えたのか裏表逆に服を編んでいたようであった。それはそれですごい芸当だと思えるけどね。
「はぅぅ・・・朝から要らぬ恥をかきましたよ」
昼食時となり、ハクロは涙目で嘆いた。
学園はバイキング形式の様な昼食形態をとっているようで、この昼食の時間によってどの生徒が何を好むかがものすごくわかりやすい。
・・・スイーツの方は女性陣の戦争状態となって入手しにくいけどね。あの光景何処かで・・・あ、デパートの特売セール時の光景だ。
でも、ちゃっかりハクロとカトレアは毎回すぐにお気に入りのスイーツを取ることができている。
糸を使って上から引き寄せたり、木の根で一時的にブロックしたりしてゲットしているのだ。
ずるではないかという訴えもあったそうだが、流石にモンスター固有の能力であり、問題はないようである。
魔法を使ったりして得ようとしている人がいるぐらいだからな。炎と水の魔法は厳禁だが。
ぐしょぬれになったり、焦げたりした前例があるそうで。げに恐ろしきはその根性かな。
「かといって、それで食べ過ぎたら太るからな?」
「大丈夫ですよ!脂肪は全て運動して燃焼しています!!」
「・・・そもそも、モンスターと人とでは違うのでは?」
スイーツを大量確保して食べているハクロたちに対して聞いてみたけど、ハクロの方は普段の運動量で相当消費していると言い切り、カトレアは構造の違いを出してきた。
うーん、たしかにその可能性はあるけどね。見た目はいつも同じだし・・・でも消費し切れるのか?構造が違うとは言っても栄養としてはかなりあるだろうし・・・。
・・・ハクロたちの発言を聞いていた女子がポツリと「胸に・・・」とつぶやき、凝視していたのはまた別のお話である。
・・・最後の発言は、ある意味真理を突いているであろう。




