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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
153/154

一斉に

都合上、ネタの問題・・・・・

《・・・・で、何をどうしたらそうなったんですカ?》



 都市ルンべルドン、レイの自宅前でワゼは呆れたような顔をして帰宅してきたレイたちに尋ねていた。



「色々と・・・・」

「私だけにしたかったですね・・・」

「独り占め良くない」

「皆主君が好きでありましたからな」

『交代交代でだよー』

「襲おうとしてきた盗賊どもなんかも瞬殺したッシャけどね」

「ぬぐぐぐ・・・なんか私だけ変化がないのが悲しいなのん」


 そのワゼの目の前にいるレイたち・・・・主であるレイと、使い魔の様なものであるセラフィム以外の全員が・・・・・進化していた。




ハクロは全体的に美しさが向上し、出す糸も煌めくような輝きを持ち、


カトレアはプリンセスドリアード時代に比べてより妖艶さを増して、その足元には色とりどりの美しい花々が咲き誇り、


サクラは足腰が引き締まり、より早くなったような印象を持たせるような恰好へ、


アイラは鱗と髪の艶が増して、水が集まって小さなティアラがあたまの上に乗って、


ユリは純白の輝く雪のような白さを増して、


 皆それぞれ共通して言えることは、美しさと大人びた印象がより増加していた。



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ハクロ:「アラクネ(希少種)」⇒「アラクネゴッデス」

カトレア:「プリンセスドリアード」⇒「クイーンドリアード」

サクラ:「ケンタウロス」⇒「ロイヤリティーケンタウロス」

アイラ:「マーメイド」⇒「マーメイドクイーン」

ユリ:「パールラミア」⇒「セイクリッドラミア」

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《・・・・と、記録上で確認できる事例で種族を調べましたが・・・・・なんですかこの状態ハ!!それぞれ各種族の中でも超・超・超・激レアの最上級なんて言い表せないようなものになっているじゃありませんカ!!》


 珍しいというか、ワゼがものすごく怒鳴り上げてそうツッコミを入れてきた。



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「アラクネゴッデス」

アラクネの中でも最高峰の極みにあるという伝説上のモンスター。その紡ぎ出す糸は国宝どころか神々の愛用するレベルにまで質が高められ、美しさが向上し、美の女神とまで讃えられる。



「クイーンドリアード」

プリンセスドリアードが進化し、大地に真の恵みをもたらすとされる伝説上のモンスター。プリンセス時代とは異なり、恵みをもたらす相手をさらに細かく対象に出来るようになっている。一体いるだけでも物凄い恵みをもたらして、ありとあらゆる国が犠牲をいとわずに欲し求めるほどのモノである。



「ロイヤリティーケンタウロス」

ケンタウロスの中で、真に主に忠誠を誓った者のみが進化するというモンスター。全体的な能力が向上し、一騎当千・・・・いや、それ以上の力を持つという。



「マーメイドクイーン」

マーメイドの中でも水属性の魔法を極限まで高めたモンスター。このクイーンにまで上り詰めた時こそ、大海の支配者としても、母なる海その者とまで言われる。



「セイクリッドラミア」

聖なる力が極限まで高まり、いるだけで周辺が聖地と化してしまうほどの伝説上のモンスター。あまりの神々しさと聖なる力によって、一時的にどのような悪人だろうと清らかな善人にしてしまう。

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 美貌どころか、いろいろなところが向上しすぎていて、完全に国家に狙われるレベルになりました。


 やばいねこりゃ。


「ここに来るまでに狙って来ようとした人がいたけど・・・」

「多分しばらくは大丈夫だと思うッシャ。この進化によって得た光を浴びせたせいか、野心とかも抑え込んでしまったようッシャしね」


 ユリの進化によって助けられているとも言えるだろう。


 けれども、そう長続きをするようなものでもないし、絶対後々面倒事とか盛りだくさんに来るに決まっている。



「セラフィムだけは進化していないんだよなぁ・・・人工生命体だからモンスターとはやっぱ違うのかな」

「仲間外れのような気がするなのん」


 

 とにもかくにも、この状態はまずいというのはもうよく理解できている。


「狙う輩が絶対出てくるよな」

「というか、騒ぎ確定ですね」


 もうすでに何やらがやがやと騒がしくなって、目立ちまくっているだろう。



 ・・・・腹をくくるか。


「騒ぎが大きくなる前に、どこかへ旅立とうか!!」


 もうずっと前から考えてはいたが、中々そうしようとは思っていなかった。


 今あるような屋敷を拠点として過ごすのはいいけど、やはり冒険者としては・・・・体が動く限りは世界を見て回りたい。


「目的も宛もなく、各地を適当に回って・・・・皆で旅をしよう」

「レイ様に従って賛成いたしますよ」

「根をはるのではなく、拡散させて世界中へ向かいましょう」

「うむ、主君に付き従うまでであります」

『宛もない、途方もない、けれども皆でなら楽しいよー!!』

「あ、でも寒いところは避けてッシャ」

「世界を見て回るのも面白そうなのん!」

《・・・・では、その決定に従いましてお供いたしマス》


 レイの言葉に、ハクロたちも賛同の声を示す。


 せっかくルンべルドンにある家まで戻って来たけど、またどこか別の場所へ向かう。


 

 どのように過ごし、どんなことがあるかはわからないけど・・・・・・それでも面倒ごとに巻き込まれないようにして、皆で楽しく過ごしたい。


「それじゃぁ旅の用意を速攻で終えて、世界を見に行こう!!」

「「「『「「了解!!」」』」」」


 レイの号令と共に、皆旅の用意をして、すぐさまその場から離れる。



 都市を離れ、国を渡り歩き、海や山を越えていく。


・・・・・・・レイたちは、まだ自分たちが訪れたことがない場所へ、そして自分たちが安心して暮らせそうな場所を求めて、みんな一緒に旅へ向かったのであった。



・・・次回エピローグ。

最終回になりますね。本日中に投稿いたします。

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