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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
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事後処理なのだが・・・

・・・・お察しの方もいるでしょう。

本日2話目です

 ハクロを攫った醜悪な男は、レイの魔法により圧縮されて小さな塊になった。


 その状態にもかかわらず、生きているのは不思議な事である。


 おそらくだが・・・・


「生えていた触手・・・恐らくでありますが、あの愚王だった化け物と同等のものと見て良いと思うであります」

「生命力がしぶとくなっているようだしね」

《解析の結果、寿命まで苦しみ続けるようデス》


 触りたくもない汚物の塊だが、一応そんなものになっても、元はある公爵家の前当主であり、今回の女性攫い事件の容疑者のようなので回収しないといけない。


 ハクロが捕まっていた地下牢だが、その下にさらに隠された地下牢があったのをワゼが発見して見てみれば・・・・そこには表現するにも無残な状態の者達がいた。



 容疑者から首謀者へ格上げ決定。


 この屋敷にいた者たちもすべて捕縛し、一旦王城へ引き渡すことにした。


 レイたちがこのまま自分たちで調べても処理しきれないし、そもそも被害者の中には貴族の娘たちもいる。


 責任問題でごたごたすることもあり、今回の事件を引き起こしていたことを、その公爵家は全て知っているのかどうかなども含めて、拷問などが行われるであろう。


 なお、その前当主だった汚物野郎だが、圧縮された状態のまま連行された。


 もう二度と身動きが取れず、寿命が尽きるまでの永遠の苦しみを味わうようにしているので今さらどうという事もない。




「というか、まだ食べるのか」

「立っても3日も食べていませんでしたからね!!もうおいしくておいしくて!!」


 暫定的な犯人の捕獲によって、王女の護衛をする理由が無くなり、レイたちはその功績から依頼達成報酬以外にもさらに金額を上乗せされてもらえることが決定。


 まあ、今日はとりあえず王城の客室に泊めてもらえることが決定しているのだが・・・・・・



 とらわれていた間、ハクロは飲まずわず・・・・ちょっと薬を体全体に塗りたくられたようにされた以外はその空腹がものすごく限界だったようで、薬の影響を抜くための解毒料理も兼ねた夕食を取っているのだが、ものすごい量を食べていた。


 その細いお腹と、蜘蛛の下半身の方のお腹のどこに入っていくんだというほど、大量の食事をどんどんハクロは食い尽くしたのであった。


「ふぅ・・・・もう喰えませんよ・・・・」

「いやもう食べ過ぎじゃないか?」

「3日分の食事量以上に食べているような気がする」

「太りそうなものでありますが・・・」

『というか何処にその大量の食糧が入ったの!?』

「この量は流石に無理ッシャね。すごいッシャ」

「とらわれていた分、ストレスもあったなのんかね?」


 とにもかくにも、後は風呂に入ってその体に染みていた薬を洗い落とすだけのようである。



「さてと、後は寝るだけか・・・」


 ハクロたちが入浴する前にレイはさっさと風呂から上がって、客室の自分の寝床に入ろうとした時であった。


《あ、そう言えばマスターに言っておかねばならないことガ》


 何か思い出したのか、ワゼがそばに来て言い始めた。


「何かあったのか?」

《何かというよりは可能性としてですが、今晩は少々身の安全を確保したほうがよろしいかト》

「は?なんか襲ってくる可能性でもあるのか?」

《なんと言いますか・・・・・・ハクロさんは今空腹もなくなり、リラックスしている状態デス。鎖に縛られていたり、糸の射出を止められていたりしましたがそのあたりに関しての身体的問題はないでしょウ》


 問題がないのならいいのだが、ワゼがどこか言うべきか言わぬべきか迷っているようにレイは思えた。


「他に何か問題でも?」

《・・・・・あの腐れ外道汚物のゲス野郎によってその手のお香をかがされていたり、薬品をかけられていたり、挙句の果てには精神的に追い詰めるほどの快楽と言いますか、責め苦を彼女は受けていましタ。その状態で正気を保っていたのはストレスによるものと、空腹などでしたが・・・・その二つがなくなった今、もしかしたら押さえつけられていた物が無くなった分・・・・・》


 眼を横にそらし、何を言おうとしているのかレイは理解してしまった。



 つまり、空腹などによる食欲によって、ハクロはその責め苦の数々に耐えきっていた。


 薬も解毒し、入浴によって隅々まで丁寧に洗うことによって、表面的な部分も大丈夫になった。



・・・・だが、受けていた物は体内に残り、衝動の枷が外れるかもしれないとワゼは言っているのだ。


 

「つまり、性的な意味でハクロに襲われる可能性があると」

《ハイ。120%突破デス》


 もうほぼ確実のようで、限界突破しているようである。


《理性がきちんと今のところある様子なので杞憂の可能性もありますが・・・・・もし、そうなった場合、レイ様はきちんと対応してくだサイ。そのような事は、メイドは陰から見守るしかありませんのデ・・・・あ、記録しておきますカ?》

「覗く気満々じゃねぇか!?」


 さっきまでの緊迫感はどこへやら。キランとした目でワゼがそう尋ねたので、レイは怒ったがすぐさまワゼは逃亡したのであった。









 そして真夜中。



「・・・・ワゼの予想通りというか」

「いや本当にすいませんレイ様・・・・ですが、こみ上げてくるこの衝動が抑えきれないんです!!」


 皆が寝静まるころ、ベッドに重圧がかかり目が覚めてみれば、ハクロがのしかかっていた。


 ハクロの姿は・・・・なんというか艶めかしい状態というか、衣服や下着も脱いで見える素肌は赤みを帯び、発汗、荒い呼吸・・・・そしてものすごく葛藤したのか涙をためた目でこちらの顔を覗き込んだ。


 案の定というか、抑え込んでいた枷がなくなったせいで・・・・・・一気にダムが決壊するかのように性的衝動の波に彼女は抗えなかったようである。


 なお、空気を読んでの事か、それとも予想できていたのか、この客間の寝床にはレイとハクロしかおらず、サクラたちの姿はなかった。


 

「衝動によるものだというけど・・・・・後悔はないのか?」


 据え膳食わぬは男の恥ともいうけど、流石に薬とかそう言った類で引き起こされた強制的なモノで後悔するようなことであるならやめておきたい。


「・・・・衝動によって駆られているかもしれませんが・・・・後悔はありません。あの外道卑劣な気持ち悪い男なんか・・・・比較するまでもなく、レイ様にすべてをささげる覚悟はしています。・・・・あの日、森であったのは偶然という事もなく、運命のように感じられますし・・・・・・・不思議なことに、ずっとずっと大昔、生まれる前からもう一生そばについていくことを決めているようにも思えるのです。ですから・・・・どうか、お願いいたします!」


 ぐっと決意するかのようにこぶしを握り、抱き付いてくるハクロ。




 さすが断る理由もないので、レイとハクロはその晩・・・・・・・・・・・・・一つになった。


 人間とモンスター。


 主と使い魔。



 互いに違う存在でも、惹かれ合っていたのは変わらない。


 まるで生まれる前からからずっと一緒だったかのように・・・・求めあい、その晩は過ぎていったのであった・・・・・・・

なお、その様子をサクラたちがこっそり覗いていたのは言うまでもない。

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