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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
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デウスエクスマキナとはこういう事なのだろうか

本日2日目!!

サブタイトルの意味って合っているのだろうか?

ハクロがいなくなって2日目の夜中、レイたちはその行方を未だに掴めずにいた。


 噂の女性を攫う者の犯行だとすれば、その行方をつかむのは霞をつかむよりも難しいとも言われていて、手がかりすら見つからなかったのである。


 いや、唯一つわかっていることとすれば・・・・


「少なくとも殺害はされていないし、使い魔としての俺との契約は切れていないか」


 手の甲に浮かぶ使い魔たちの名前。


 その中に、一番最初に刻まれたハクロの名前はしっかりと残っているのである。



 もし、使い魔が死亡もしくはその契約が消えた場合にはその名前は消え、使い魔の順番は繰り上げられることになるらしい。


 

 ハクロがこの世から去ってもなく、使い魔として現存しているという事はまだ希望が持てるのであった。




「ダメであります・・・・様々な人々に聞いても行方は知れずでありますよ」

「上空から探してみたけれども、姿が見当たらないなのん」

「熱源感知も無理ッシャね。地下の方とかだとすると流石にできないッシャカラなぁ」


 しかし、皆の協力で何とか探そうと尽力を尽くしても、全く情報が入ってこない。



カトレアの木の根で地下を探ろうにも、この首都の地盤は固くて根を張りにくくて探れない。


サクラが首都内をかけて走っても、まったくその姿を見ることはない。


アイラが水球であたりを泳いでも見つけることができない。


ユリが蛇の特性上持っているのか熱源を感知して探そうにも、首都内は人が多いうえにハクロの体温が感知できない場所にあるようで無理。


セラフィムが空を飛び回っても、上空から怪しい動きは見つからず、不正な金品を受け取っていた貴族家を国王に言ってつぶすぐらいしかできていない情報であった。


「ハクロがいれば、糸で周囲の状況を探ったりできたんだろうけど・・・・」


 その肝心の彼女がいないのであれば意味がない。




 それに、こうやって一生懸命犯人を捜しても、捕まえられなかったらもしかしたら他の女性がまた狙われるようなことにもなるかもしれない。


 捜査が行き詰まり、焦りが見えてきたその時であった。





・・・・ドドドドドドドドドドドドドドド!!


「・・・ん?なんだこの音?」


 ふと、物凄い空気の揺れというか、圧縮された空気の塊にぶつかっているような音が聞こえてきた。


 その方角を見ると・・・・


《マスター!!お助けに参りましターーーーーーーーーー!!》


 土煙を立てながら、物凄い速さで走ってくるメイドの姿をレイたちは見た。


「「「『「「わ、ワゼ!?」」』」」」


 そのメイドの姿に、全員驚愕する。


 月明りがあるとはいえ、闇路を駆け抜けてくるメイドの姿は何処かホラーじみているような気もした。



 というかそう思う以前に、ここからルンベルドンまでは相当な距離があり、馬車モドキでも数日はかかるのだが・・・・・このメイド、そこから走って来たとでも言うのだろうか。



ギギギギギギギギギッツ!!っと、急停止をかけ、その反動で圧縮された突風がぶわっと吹き荒れた。


 物凄い突風故にスカートとかもめくれそうなものだが、ワゼのメイド服のスカートは全くめくれずに風に逆らっていた。

 

 いや、固定していないようでひらひらとはしているんだけど・・・・どうなってんのそのメイド服?




《このワゼ、マスターたちの異変を感じてただいま参上いたしましタ!!》


 びしぃっ!!っと敬礼をして、立ち止まるワゼ。


 魔道具(マジックアイテム)だとは言え、見た目が人に近い姿故に走ってきたその姿に驚愕するばかりである。



「えっと・・・・ワゼいつからここに来たんだ?」

《昨夜からずっと最高速度で走り続けましタ。休憩なしのフルマラソンデス》


 どうしよう、このメイドのスペックが怖ろしいんだけど。長距離を一晩中休憩なしで走って来たって・・・・どれだけの速さと体力を持っているんだ。


 いや、魔道具(マジックアイテム)ゆえに体力の概念はないのか?



《事情はすでに私の耳に入ってきていマス。情報収集能力というか、どれだけ距離が離れていようとも、どれだけ防音されていようともありとあらゆる聞こうと思った音は全て耳に入るんですヨ》


 そう言えば、初めて会った時に『人型家事戦闘万能型魔人形魔道具MKS-03:情報収集能力改良型』・・・・つまり、情報収集能力に優れているような発言をしていたっけ。


「って、つまり今行方不明のハクロの声とかもわかるのか!?」

《ハイ、その居場所の予測もすでについていマス。ですが、一刻の猶予もありませン》


 レイが尋ねると真面目な顔でワゼはそう答えた。


「一刻の猶予もないって・・・・命の危機なのでありますか?」

《イエ、命の危機というよりも貞操というか純潔の危機です》


 その言葉に、その場にいた全員が固まった。



「・・・・・・急いで助けに向かうぞぉぉぉぉっ!!」

「ちょっと待ってくださいマイロード!!まだ居場所を聞いていないですよ!!」

『って早い!?』

「魔法で身体強化しているッシャね・・・・」

《あ、居場所ですが貴族たちのいる場所ですネ》

「合法的に突撃できる手続きをサッサとするでありますよ!!急がないと主君が魔法で殲滅しかねないであります!!」


 勢いで駆けだしたレイに、使い魔たちは慌ててその手続きとレイを抑えるのに必死になって動くのであった。

・・・・ワゼ、シリアスをぶち壊し色々手順をすっ飛ばす。

ついでに言うなれば、戦闘面が今一つ不安だったので急いでレイに知らせるのが優先だった模様。

01や02の時であれば確実に自力で何とかしていた。

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