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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
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国王からの指名依頼内容は?

久し振りにあの名前だすなぁ

「アリス・フォン・ストラクト・・・私の娘であり、この国の第1王女の彼女の護衛を依頼したいのだ」


 謁見室にて、レイたちはガウン国王から指名依頼の内容を聞いていた。


 そして、その内容というのが・・・・国王の娘の護衛依頼である。



 学園で見かけたら幸せになれるなどのジンクスがささやかれていた人物であり、レイは見かけることが特になかったが、大体同じぐらいの歳だったはずだったとレイは一旦頭の中で情報をまとめた。


 なお、友人であり、この国の第1皇子であったザフォンを見かけないのは、どうやら王族としての研鑽のためにザンビア帝国とかいう国の方へ留学させられているらしい。再会できたら久し振りに話を交えたかったが・・・残念である。



 それはともかく、護衛依頼とは意外な感じがした。



「護衛依頼というと、どこかへ出かけられるのですか?」

「いや、他国や他領へ向かうのではなく・・・・おそらく耳にしているだろうが、ある噂があるのが理由だ」

「確か、若い女性たちが首都内で行方不明になるとかいう噂ですかね?

「その通り。他の貴族家でも被害に遭っておるその話が理由なのだ」





 ここ最近急に流行り出した噂であり、実際に被害もすでに確認されているらしい。


 そして、その被害者たちは綺麗な女性たちであり、次々と消えてしまったのだという。


「首都内でこのことが起きると国にとっても物凄い悪い話だ。そのため現在急いで探らせているのだが・・・・」

「いまだに犯人は見つからないというわけですか」

「そういうことだ」



 しかも、公爵令嬢や男爵令嬢と言った貴族の娘も被害に遭っているそうで、下手すれば女性たちがこの都市からいなくなる可能性さえあった。


「今はまだこの首都内だからこそましなレベルである。だが、この被害が首都外に出てしまったら・・・」

「それこそ目も当てられないようなことになりますね」


 女性が全くいなくなった国にとどまる者が居るだろうか?


 いや、いないだろう。



「その犯人の調査も捕縛もついでに依頼したいというのもあるし、娘のアリスもついでに守ってほしいと思っているのだ。あの子はなんというか・・・本の虫というか首都外に出ることもないし、興味があること以外は執着もしないので、被害に遭っても特に何も気にしなさそうなのが親としても不安であるのだ」


 ガウン国王は本当に心配そうな顔をして、その心中を語ってくれた。


「・・・なるほど」


 アリス王女をいったん首都外に出してしまえばまだ被害に遭う可能性も少ないかもしれない。


 けれども、その肝心の彼女が積極的に動かないので困っているようである。


・・・無理やりにとも思ったそうだが、流石にそれはそれでやりづらい。



 でも、被害に遭っては困るので、この犯人が捕まるまでの間、その身辺をレイたちに護衛してほしいというのが今回の国王からの指名依頼内容のようであった。



「というか、王女自身が興味なくて動かないのであれば、何か興味を持たせて他国へ動くようにさせるとかは・・・」

「試したが・・・・我が子ながら、難しい子でもあるのだ」


 はぁっと溜息をつくガウン国王の様子は、まるで思春期の娘と話が合わないような父親の姿である。



「レイ殿に興味を持ち、恋愛感情でも持ってくれればまだ楽なのだが・・」

「流石にそれはないでしょう。というか、それでいいのですかね国王陛下?」


 自分の娘を一介の冒険者に嫁に出そうと考える王族ってどうなのだろうか?



「とにもかくにも、護衛依頼として期限はその犯人が捕まるまで、それまでは城内の客室に泊まってもらう事も、風呂に入ることも、食事を付けることもでき、そのうえ依頼達成が出来れば達成報酬にさらに色を付けるという事を頼みたい」


 つまり、城内での寝泊まりができて食費もタダな依頼である。


「わかりました、その依頼を受注いたします」


 レイたちは即決でその依頼を受注することにしたのであった。








「・・・・とはいっても、正式な受注をするにはギルドで手続きを踏むのが面倒だよな」

「まぁ、不正防止のために必要ですからね」


 王城からレイたちは出て、正式に依頼を受注する手続きを行うために首都内にあるギルドの方へ歩いていた。


 こういう口約束のようなことにはせずに、きちんと契約をして受注しないとごまかされたりする可能性があるからである。


 ガウン国王がそう約束を反故にすることはないだろうけど、とりあえず形式上としては必要な事であった。


「しかしまぁ、その女性を攫われていく事件だっけ?ハクロたちもきれいな女性というところでは当てはまっているのだし、ミイラ取りがミイラになるようにこっちが被害を受けそうな気もするんだよなぁ」

「大丈夫ですよレイ様」

「そうやすやすと攫われない」

「誘拐もされないでありますしね」

『そもそも私たちを狙って攫おうとしても』

「どうやって輸送するかが問題になるだろうッシャからね」

「その通りなのん。ハクロにカトレア、サクラ、ユリの場合は体が大きめだからバレない様にしようとしたら馬車がいるだろうし、アイラは水球内にいるのだから運ぼうにも引きずり出しにくいし、私だったら羽ばたいて逃げるなのん」


 ・・・・そう言われると、確かに皆攫われるようなことはないだろうとレイは思えた。


 抵抗すれば彼女たちも力強いわけだしそう簡単に攫えるようなことはないだろう。







 しかし、なんとなくレイは嫌な予感がしていた。


 そう簡単に皆を去るようなことができないはず。けれども、どういうわけか不安がどうしても取り払えない。



・・・・・そして、その予感は翌日に当たってしまうのだった。

・・・予感という物は、時として最悪なほどあたりやすいものである。

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