不安の種
・・・高速移動手段としてただいま現在の馬車モドキ形態に代わるものを開発中。byワゼ
「・・・にしても、ついこの間指名依頼の報告へ向かったばかりだというのに、また首都へ向かうとは思わなかったなぁ」
毎度おなじみ使い魔全員協力で作られる馬車モドキに乗りながらレイは思わずつぶやいた。
カトレアの木の椅子を変形させて馬車の形態にしているところに、ハクロ、サクラ、ユリの三人で重連結で速度を上げて、その横を水球に入っているユリが並走・・・というか泳いでついてきて、セラフィムが真上を飛行してあたりの警戒をしているのである。
この移動方法ってそんじょそこらの馬車以上の速度を出して走れるけどさ、知らない人から見たらかなり変わり者の集団に見えなくもないだろうな。
とはいえ、中々早いので長距離の移動には欠かせないが。
ついでに、今回のこの馬車モドキの移動方法だが少々改良いたしまして、ワゼがいつの間にか完璧な馬車用の車輪をあっという間に作り上げたので、これまで使用していた車輪と交換したら速度がこれまで以上に出るようになっている。
けん引しているサクラたちからも、前以上に引きやすくなってより全速力を出しやすいらしい。
後は事故らないように気を付けなければいけないけどね。以前盗賊をはねたときは星になったからな・・・・・あれ何処へ吹っ飛んだんだろうか。
「今回の指名依頼のようなものですが、王城へ直接聞きに行かないとだめだというのがちょっと気になりますよね」
「冬もそろそろ近いでありますし、さっさと終わる類のであればいいのでありますがなぁ」
「寒いのは苦手ッシャ。さっさと終わらたいのッシャ」
わっせわっせと走りながらハクロたちが口々に言う。
一応彼女たちの体力面を考えて時々休憩をはさむけど、やっぱり通常の馬車以上のスピードは出るなぁ。
真横ではアイラが一生懸命水球内を泳いでついてきているけど、これはこれで早い。
「セラフィムー、周囲に異常とかはないかー?」
「んーっと、異常なしなのん!!ちょっと盗賊らしき人達も見かけていたけど、全部襲ってくる前に振り切ってしまっているなのん!!」
上空を飛翔するセラフィムに尋ねてみるが、特に問題は無さそうである。
いや、盗賊とかいちいち相手にするのも面倒だからね。振り切ってしまえるし、ついでに疲れ果てさせてしまえば、後から来る商人とかそう言った人たちにとっても護衛がいれば結構楽に倒せるようにはなるだろう。
レイたちはそのまま特に何も異常もなく、数日後に経由地点であるベタリアンへとたどり着いた。
そこで言ったん休息とかも取ったりするのだけど・・・・少々噂話を聞いた。
「え?何その噂話?」
「ベタリアンで仲がいい主婦たちからの噂話なんですけどね、どうも色欲というかそんな困りごとが首都の方で起きているそうなんですよ」
何でもかんでも、ここ最近首都ヴァルガスの方で物凄くろくでもない事件が起きているのだとか。
「若い女性ばかりが狙って攫われる事件が起きているそうで、未だに行方不明な人が多いそうなんです。男爵家や伯爵家などと言った貴族の娘たちが狙われたりもしているようで、どうもでかい犯罪組織が関係しているのではないのかと言われているようですが・・・」
攫われた女性たちは行方不明、捜査しても見つからない、しかもそれなりに護衛とかもしっかりしていそうな貴族家の娘とかも攫われているのだとか。
「なんだそりゃ、最悪な状況じゃん」
「娘がいる人たちは自ら守ろうとしているようですが、少しでも目を離すと消えているそうです」
なんにせよ、用心が必要そうである。
攫われているのは若い女性たち・・・・それもそれなりに綺麗な人が多いそうなので下手すりゃハクロたちも狙われる可能性がある。
「万が一に備えて、出来るだけ警戒して離れないほうが良さそうかな」
不安がありつつも、レイたちは王城がある首都ヴァルガスへと進むのであった・・・・・
不穏な噂がありつつも、レイたちは首都に向かう。
そこでやっと聞ける指名依頼内容とは?
次回に続く!!
・・・・ユリの走る表現だけ微妙かな。蛇の部分だし、足と言っていいのかがよくわからん。
モンスターを考えると、ツッコミどころが増えるんだよなぁ。ハクロの上半身の人のお腹と、下半身の蜘蛛のお腹とかの分け方とかのようにね。




